「おっさんはいらない」とパーティーを追放された魔導師は若返り、最強の大賢者となる～今更戻ってこいと言われてももう遅い～

11

ある日のこと、俺とルシアは街を歩いていた。その途中、俺はある店の前で足を止めた……


「ちょっと寄っていくか……」


俺が言うと、ルシアが興味深そうに目を輝かせる。俺たちは中へ入ると商品を見て回ることに決めた……店内は様々な品々で溢れており、見ているだけでも楽しめるほどだ……


「あっ！ これ可愛い……」


ルシアが手に取ったのは大きなリボンがついた帽子だった。彼女はそれを頭に乗せると鏡の前に立つ。するととても似合っていて可愛らしかった。俺はその姿を微笑ましく思いながら眺める。すると彼女がこちらにやってきて言った。


「アーク様もどうですか？ この帽子？」


俺は少し迷ったが、せっかくなので着てみることにした。ルシアは嬉しそうに笑うと、俺に帽子を渡してきた。それを被ると何だか自分が自分ではないような感覚に陥る……まるで新しい自分に生まれ変わったような気分だ……


「似合っているか？」


俺が尋ねると、ルシアは満面の笑みで答える。その姿はまるで天使のようでとても可愛らしかった。俺たちはその後も店内を見て回った後、会計を済ませて店を出た。そしてしばらく街を散策していると、突然ルシアが立ち止まったかと思うと、「あっ！」と声を上げた。


「どうしたんだ？」


俺が問いかけると、彼女は恥ずかしそうに顔を伏せる。そして小さな声で呟いた……


「……お腹空いちゃった……」


俺は思わずクスッと笑うと、彼女に提案した。


「じゃあ何か食べようか？」


すると彼女は嬉しそうにうなずいて言った。


「はい！ 私美味しいもの食べたいです！」


こうして俺たちは近くのレストランへと足を運ぶことにしたのだった……


「いらっしゃいませ！ お二人様ですか？」


店員の女性が元気に挨拶をしてくる。俺たちは窓際の席へと案内された。メニューを開くと、そこには美味しそうな料理の写真が並んでいる……俺は少し迷ってから注文を決めた。そしてルシアの方に目を向けると、彼女も同じことを考えていたようだ……俺たちは同時に口を開いた……


「「オムライスをお願いします！」」


2人の声が重なる。店員の女性はニッコリと笑って言った。


「かしこまりました！」


そして厨房へと消えていく。それから数分後、俺たちの前には注文した料理が置かれていたのだった……


「美味しそう……」


ルシアが目を輝かせながら言う。俺も同じ気持ちだった……さっそくスプーンを手に取り、一口食べる……すると口の中には濃厚なデミグラスソースの味が広がり、卵のふわふわとした食感と合わさって絶妙なハーモニーを生み出していた。そのあまりの美味しさに俺は感動を覚えるほどだった。


「これは絶品だな！」


俺が言うと、ルシアも興奮した様子でうなずく。それから夢中で食べ進めているとあっという間に完食してしまったのだった……

2人で食事を済ませた後は街を散策することにした。しばらく歩いていると、ある店の前でルシアが立ち止まる……どうやらアクセサリーショップのようだ……ルシアは興味津々といった様子で店内に入っていく。俺はその後を追いかけるようにして中に入った。


「わぁ……」


ルシアは思わず声を漏らす。店内には様々な商品が並んでいた……指輪やネックレスなどの装飾品はもちろんのこと、香水なども置いてあるようだ。彼女はじっくりと時間をかけて商品を見て回っているようだった。俺も同様にいくつかの品物を手にとってみることにした……値札を見ると決して安い値段ではないことが分かるが、それでも思わず手に取ってしまうほど魅力的な物ばかりだった。


「綺麗……」


ルシアはそう呟くと、ひとつのペンダントを手に取った。それは銀色の鎖の先に宝石が取り付けられており、とても美しく輝いていた……


「欲しいのか？」


俺が問いかけると、彼女は少し悩む素振りを見せてから小さくうなずいた。俺はそれを店員に渡して会計を済ませると、彼女の元へ戻ってきた。そして彼女にペンダントを手渡すと、彼女は嬉しそうに笑った後で早速身につけたのだった……

その後も街を散策し続け、夕方になる頃には帰路につくことにした。帰り道ではルシアが買ったばかりのペンダントを大切そうに握り締めていた……それは夕日の光を浴びてキラキラと輝いていて、まるで宝石のようだった……


「アーク様……」


不意にルシアが立ち止まる。そして俺のことを見つめてきたかと思うと、ゆっくりと顔を近づけてきた……


「どうしたんだ？」


俺が尋ねると、ルシアは頬を赤く染めながら答える。


「あの……目を閉じてくれませんか？」


俺は不思議に思いながらも言われたとおりにした。するとその瞬間、唇に柔らかな感触が伝わったのだ！ 驚きのあまり目を開けそうになったが、寸前のところで堪えることに成功する。心臓の鼓動が激しくなり顔が熱くなるのを感じたが、それでも動くことはできなかった……

やがて唇が離れると、彼女は恥ずかしそうに微笑んだ後で言った。


「アーク様、大好きです！」


俺は照れくさい気持ちになりながらも、なんとか平静を装って答える。


「ああ、俺もだよ……」


そして2人で手を繋ぎながら帰路についたのだった……