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翌日、私たちは異界の門の門番を倒したということで冒険者ギルドから報奨金を受け取っていた。50万ゴールドという大金を手に入れ、私は大喜びしていた。
「これだけあれば新しい装備が買えますね!」
私はカイトに笑いかけると、彼も嬉しそうに笑ってくれた。
「ああ、これで少しは楽ができるな」
私たちは早速新しい装備を買いに行くことにした。街で一番腕の良い武器職人のところでオーダーメイドで作ってもらうのだ。私はわくわくしながら店に着くと、注文を始めた。
「すいません! この人が使う剣を作ってほしいんですが……」
「金はあるのかい?」
ドワーフの店主は鋭い眼光で私を睨んできた。その視線にビクッとするが、お金なら十分にあるはずだ。私は恐る恐る袋を取り出すと、中身を見せた。
「足りなければいくらでも用意します!」
私が言うと、店主はニヤリと笑った。
「よし、気に入った。最高の武器を作ってやろう」
店主は私の肩を叩くと店の奥に消えていった。それから数時間後、店の奥から戻ってきた店主の手には美しい剣があった。
「ほれ、これがお前さんの武器だ」
その剣は見事な装飾が施されており、見ただけで一級品だということが分かる。鞘から抜いてみると刀身は光を受けて輝き、まるで生きているかのような生命力を感じた。私は感動しながら剣を鞘に戻すと大事そうに抱える。
「ありがとうございます!」
私が頭を下げると、店主は照れ臭そうに頭をかいた。
「いいってことよ! また何かあったら来な」
武器職人に別れを告げると、私たちはお店を後にした。
「次は防具を買いに行きましょうか」
「ああ、そうだな」
私とカイトは街で一番高級な防具屋に向かった。そこでは防御力が高いだけではなく、見た目にも美しい鎧や兜などが売られている。その中でも特に目を引いたのが黒いローブだ。
「かっこいいですね……」
私が手に取って広げるとカイトも覗き込んでくる。そして二人で話し合った結果、このローブを買うことに決めた。値段は高いが見た目の良さや性能を考えれば買って損はないと思ったからだ。
「これにしましょう!」
私たちは会計を済ませると、新しい防具を身につけて街を歩くことにした。ローブはカイトの体にぴったりとフィットしていて、まるでオーダーメイドで作ったみたいに馴染んでいた。
「似合ってますね!」
私が褒めると、カイトは照れ臭そうに笑う。
「ありがとう。お前もよく似合っているぞ」
「本当ですか? 嬉しいです!」
そんな会話をしながら歩いていると、後ろから声をかけられる。振り返るとそこには私の親友のユーリが立っていた。彼女は綺麗な黒髪を三つ編みにして肩に掛けており、スレンダーな体型をしている美少女だ。ちなみに胸の大きさなら私よりも上だったりする。そんな彼女は私に手を振りながら話しかけてきた。
「久しぶり! こんなところで会えるなんて奇遇だね」
「そうだね! 元気にしてた?」
私が尋ねると、彼女は笑顔で頷いた。
「もちろん! そっちはデートの最中かな? 邪魔しちゃってごめんねー」
茶化すように言う彼女に、私は慌てて否定する。すると彼女は驚いたような表情を浮かべた。
「冗談だったのに……まさか本当に付き合ってたとは……」
「ち、違うってばぁ!」
そんな会話をしていると、カイトはユーリの全身を舐めるように見つめると口を開いた。
「お前は魔法使いか?」
「え? ああ、そうだよ。よく分かったね」
「杖を持っているからな」
「見ただけで分かるんだ! すごいね!」
カイトの洞察力に感心しながら私はユーリに尋ねる。
「ユーリはこれからどうするの?」
「あたしはこれから冒険者ギルドに行こうと思ってるよ。仕事を探しに行こうと思ってね」
そういえばユーリは冒険者だったことを思い出す。私とカイトが冒険を始めた頃にはすでに冒険者として活動していたので、彼女の腕前はかなりのものらしい。私も何度か一緒に仕事をしたことがあるけど、本当に頼りになる子なのだ。
「じゃあ仕事頑張ってね!」
「うん、ありがとう!」
そう言ってユーリと別れた私たちは、さっそく新しい武器や防具に慣れるために手ごろな魔物を探し始めた。
「あれはオークですね……あれなら……」
私たちは草むらに隠れてオークを観察していた。武器の調子を確かめるため、カイトに戦ってもらうことにする。
「じゃあいってらっしゃい」
私が手を振るとカイトは頷いて歩き出した。そして気配を消して背後から近づき、一撃で首を刎ねてしまう。まさに電光石火の早業だった。
(相変わらず凄いなあ……)
見惚れているうちにオークは光の粒子となって消えていった。
「どうでした? 使い心地は?」
「ああ、問題ない。良い剣だ」
カイトは刀身を鞘に納めると満足げに言った。私も彼の強さには驚かされてばかりだ。しかしそれと同時に嫉妬心のようなものも湧き上がってくるのも事実だった。
(私ももっと頑張らないと……!)
そう決意を固めていると、いつの間にか日が暮れ始めていた。私たちは今日の狩りを切り上げて街に戻ることにしたのだった。
「これだけあれば新しい装備が買えますね!」
私はカイトに笑いかけると、彼も嬉しそうに笑ってくれた。
「ああ、これで少しは楽ができるな」
私たちは早速新しい装備を買いに行くことにした。街で一番腕の良い武器職人のところでオーダーメイドで作ってもらうのだ。私はわくわくしながら店に着くと、注文を始めた。
「すいません! この人が使う剣を作ってほしいんですが……」
「金はあるのかい?」
ドワーフの店主は鋭い眼光で私を睨んできた。その視線にビクッとするが、お金なら十分にあるはずだ。私は恐る恐る袋を取り出すと、中身を見せた。
「足りなければいくらでも用意します!」
私が言うと、店主はニヤリと笑った。
「よし、気に入った。最高の武器を作ってやろう」
店主は私の肩を叩くと店の奥に消えていった。それから数時間後、店の奥から戻ってきた店主の手には美しい剣があった。
「ほれ、これがお前さんの武器だ」
その剣は見事な装飾が施されており、見ただけで一級品だということが分かる。鞘から抜いてみると刀身は光を受けて輝き、まるで生きているかのような生命力を感じた。私は感動しながら剣を鞘に戻すと大事そうに抱える。
「ありがとうございます!」
私が頭を下げると、店主は照れ臭そうに頭をかいた。
「いいってことよ! また何かあったら来な」
武器職人に別れを告げると、私たちはお店を後にした。
「次は防具を買いに行きましょうか」
「ああ、そうだな」
私とカイトは街で一番高級な防具屋に向かった。そこでは防御力が高いだけではなく、見た目にも美しい鎧や兜などが売られている。その中でも特に目を引いたのが黒いローブだ。
「かっこいいですね……」
私が手に取って広げるとカイトも覗き込んでくる。そして二人で話し合った結果、このローブを買うことに決めた。値段は高いが見た目の良さや性能を考えれば買って損はないと思ったからだ。
「これにしましょう!」
私たちは会計を済ませると、新しい防具を身につけて街を歩くことにした。ローブはカイトの体にぴったりとフィットしていて、まるでオーダーメイドで作ったみたいに馴染んでいた。
「似合ってますね!」
私が褒めると、カイトは照れ臭そうに笑う。
「ありがとう。お前もよく似合っているぞ」
「本当ですか? 嬉しいです!」
そんな会話をしながら歩いていると、後ろから声をかけられる。振り返るとそこには私の親友のユーリが立っていた。彼女は綺麗な黒髪を三つ編みにして肩に掛けており、スレンダーな体型をしている美少女だ。ちなみに胸の大きさなら私よりも上だったりする。そんな彼女は私に手を振りながら話しかけてきた。
「久しぶり! こんなところで会えるなんて奇遇だね」
「そうだね! 元気にしてた?」
私が尋ねると、彼女は笑顔で頷いた。
「もちろん! そっちはデートの最中かな? 邪魔しちゃってごめんねー」
茶化すように言う彼女に、私は慌てて否定する。すると彼女は驚いたような表情を浮かべた。
「冗談だったのに……まさか本当に付き合ってたとは……」
「ち、違うってばぁ!」
そんな会話をしていると、カイトはユーリの全身を舐めるように見つめると口を開いた。
「お前は魔法使いか?」
「え? ああ、そうだよ。よく分かったね」
「杖を持っているからな」
「見ただけで分かるんだ! すごいね!」
カイトの洞察力に感心しながら私はユーリに尋ねる。
「ユーリはこれからどうするの?」
「あたしはこれから冒険者ギルドに行こうと思ってるよ。仕事を探しに行こうと思ってね」
そういえばユーリは冒険者だったことを思い出す。私とカイトが冒険を始めた頃にはすでに冒険者として活動していたので、彼女の腕前はかなりのものらしい。私も何度か一緒に仕事をしたことがあるけど、本当に頼りになる子なのだ。
「じゃあ仕事頑張ってね!」
「うん、ありがとう!」
そう言ってユーリと別れた私たちは、さっそく新しい武器や防具に慣れるために手ごろな魔物を探し始めた。
「あれはオークですね……あれなら……」
私たちは草むらに隠れてオークを観察していた。武器の調子を確かめるため、カイトに戦ってもらうことにする。
「じゃあいってらっしゃい」
私が手を振るとカイトは頷いて歩き出した。そして気配を消して背後から近づき、一撃で首を刎ねてしまう。まさに電光石火の早業だった。
(相変わらず凄いなあ……)
見惚れているうちにオークは光の粒子となって消えていった。
「どうでした? 使い心地は?」
「ああ、問題ない。良い剣だ」
カイトは刀身を鞘に納めると満足げに言った。私も彼の強さには驚かされてばかりだ。しかしそれと同時に嫉妬心のようなものも湧き上がってくるのも事実だった。
(私ももっと頑張らないと……!)
そう決意を固めていると、いつの間にか日が暮れ始めていた。私たちは今日の狩りを切り上げて街に戻ることにしたのだった。
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