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外伝:機械之心
32.外伝:機械人形は電気羊の夢を見るか?
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”虚無”の軍勢を崩壊原石によって地上から一掃してから数百年後…
崩壊現象によって地上は荒れ果て、大地の90%が砂漠化してから長い年月を過ぎていた…
その砂漠の世界に、無機物で出来た飛行物が回転翼で羽ばたいて上空から大地を観察していた…
その飛行物が捉えた映像を地下深くに眠る施設に送られ、記録がなされていた…
「…放射濃度は低下。”人類”の生存可能限界値まで下がった事は喜ばしいというのか…」
無機質な声を出す一人の機械人形…ミリアリスはそう呟きながら、作業用の機械人形達に機械で命じながら記録と観察を続けていた…
あの大爆発から数百年…ミリアリスは残った地下施設を拡張させながら巨大な遺跡化にする一方で、自己修復が可能なナノマシン技術も復活させ、自身の機械人形となった身体を修復させ、生体機能であった脳をメンタル化に成功することで出来た人工脳チップを完成させ、完全な機械人形へと姿を変えた…
ただ、全身が金属のむき出しだとメンタルチップと同化した心に傷痕を残すので、合成加工された人工皮膚などで人間らしく再現させ、元の少女の姿へと完璧に戻していた…
(魂を全機械化した身体に移してもなお、人間と同じ感覚で機能化できる…この方法があれば、ベルのメンタルを残せたはず…)
ミリアリスはそう思いながら、自分達機械人形とは別のタイプである有機物で出来た人形…人造人間の入った培養液で満たされたカプセル容器に目を向けた…
ベルとの共同で作り上げた最後の傑作品である機械人形の手で作られた人造の彼等…あるい彼女等は培養液の内で育ち、起動を確認し、空気のある外で生きていけるかの実験を繰り返されていた。
機械人形とは違い、有機物の生体に近い人造人間の人形達は培養液の外に出た瞬間に老化が始まり、製造して一ヶ月も間もなく生体組織が崩壊して死を迎えてしまった…
原因として考えられるのは、人造人間を製造するに当たって必要な細胞組織の確保であった…
冷凍保存されていた人間の組織…かつて、人間であったミリアリスの死体などから健全な細胞を抽出し、それらを人工培養させて増殖させて人の形にまで形成し、足りない部分は機械部品で補っていた…
しかし、既に死して壊死しかけている細胞では正常な増殖は行われず、況しては遺伝子的に欠落した状態で復元した所で完全に再現は出来なかったのである…
完全に研究が行き詰ったミリアリスは、この計画を凍結させ、メンタル化して作られた人工脳を持った機械人形を新たな人類へと送ろうかと考えていた…
(どうせ、ベルはこの世にいない…貴方のいない世界なんて、どうなってもいい…)
既に心が壊れかけているミリアリスは自暴自棄になっており、理想の世界などどうでもいいと感じ、全てを効率的かつ合理的な世界に変えてしまおうと考えていた…
その考えにシフトしてから数十年後…
予定よりも早く施設を地上に浮上させ、新たに作られた機械人形を大地に解き放とうとした年に、ミリアリスの施設内部に侵入者が現れた…
「ふむ…一人の意思のある人形として、ここまで忠実に再現するとは…いやはや、見事である…」
襤褸外套を着た長身の男が施設のコントロール室に突然現れた事にミリアリスは驚き、封印していた戦略人形達を起動させ迎撃しようとした。
しかし、その男は手を天に翳すとミリアリスを除いた全人形が停止し、施設の大部分を停止させてしまった。
「なっ…貴方は…何者!」
「何者か…何者と名乗ればいいのか…さて…」
男はそう呟きながら、コントロール室の制御盤に触れ、ミリアリスの知らない機能を展開し始めた…
モニターに映る光景は、今まで見た事の無いものばかりで、これより遥か未来…いや、遥か”過去”の世界などが映し出されていた…
「遥か昔…黙示録の四騎士とも呼ばれ…七つの大罪の悪魔とも言われ…原罪の悪魔とも言われていた…まぁ、そのどれもが私にとってはどうでもいいものであるが…」
「黙示録の四騎士に大罪の悪魔…まさか、古き神とでも言うわけでは?」
「それも違うかな?なんせ、長く生き過ぎてるのでな…元の名を忘れてしまったよ。あえて言うなら…ウロボロスと名乗ろうか?」
ウロボロスと名乗った男が口角を上げて笑顔を作った時、ミリアリスの背後には黄金の後光を放つ男がゆっくりと歩んできた。
「そう煽る必要は無いだろう?死の騎士よ。それとも、傲慢のルシフェルとでも呼ぼうか?」
「そういう貴様こそ威圧を放つ必要があるのかね?我が友、戦争の騎士よ。いや、憤怒のサタンよ」
互いに笑い合う悪魔の姿に、ミリアリスはあの時の…”虚無”の軍勢が現れた時以上の恐怖を覚え、身動きが取れずにいた。
(ついに…私を罰せられる時が来たのね…)
遥か大昔に出てくる神話級の化け物達を前に、ミリアリスは抗うのを諦め、大人しくしていた。
そんなミリアリスの姿を見た二つの悪魔は何を察したかのように威圧を止め、ミリアリスに目線を向けた。
「卿は何かを勘違いをしているであろうが、我々は卿を滅しに来たわけではない」
「何…?」
「むしろ、勧誘しに来たのだよ。これだけ制限された畜生が住まう箱庭の中で、歪曲で小姓な”人間”が家畜に褒美を与え、偽りの繁栄を与えさせて楽しむ娯楽の箱庭の世界の中で、君ともう一人のあの人間モドキは抗い、旧世界の遺物を使いこなし、復元させ、箱庭の理を破壊し、”人間”を倒した…実に素晴らしい進化を果たした…いや、本当に見事だ…至高に信ずるよ」
ウロボロスと名乗った悪魔はそういいながら拍手をし、コントロール室に保管してある人造人間のサンプル達に手を触れていた。
「しかし…今の君の現状は、”人間”として進化を止めつつある…彼らを本当の人間に変え、真なる理想の世界を作ろうとしていたのではないかね?あの人間が居たなら、君はそうしたのであろう…?」
「だから、何が言いたいの…!」
余りの苛立ちにミリアリスは抑えていた感情をむき出しにし、悪魔に向かって辛辣に当たった。
その姿を悪魔はニヤリと笑い、言葉を続けた。
「ならばこそ、その停滞した君の現状を我々が打破しようではないか…?既に、この箱庭は作り換わろうとしている。遥か上の階層にいるある男…トキサダと呼ばれる男がこの階層世界を構築し直し、新しい神と名乗る”人間”が再配置される…そうなれば、古き文明は駆逐され、また無意味な箱庭が世界の理へと戻るのだよ…?この意味は分かるかね?」
悪魔の言葉に、ミリアリスは少し考え…溜め息を放った後に悪魔に向けて言い返した。
「良い訳がないでしょう。私とベルが再現し、あの人間モドキを駆逐したのに…また同じ世界に戻るなんて…」
「そうだとも、そうだとも…君のその願望、憤り、ああ…至高で賜らない…」
「長い件はいい。用件だけ言いなさい」
「せっかちは宜しくは無いのだがね…?」
「合理的と言いなさい。で、結局の所…勧誘とは何?」
ミリアリスの言葉に、もう一人の悪魔が反応して続けた。
「何、簡単な事だ。卿には我々と同じ大罪の悪魔を演じてほしいのだよ」
「…へぇ。私を神話の悪魔に」
「かの有名な”怠惰”の悪魔は、元は勤勉な発明家であったのだけど、神以上の力を付けた事で悪魔に蹴落とされ、罰として怠惰にさせられ人々の堕落を導く者とされた…しかし、この役柄の人間がこの世界には中々現れなかったのでな…」
「しかし、我々は見つけたのだ。君と、もう一人の人間…君が愛したベルと呼ばれた人間がまさに理想の人間であった」
「ただ、我々ですら手に余るあの虚無の異形軍勢を押し返すと共に消え去ったのは痛い損出であったが…」
「そう…残された君ならば、この役を演じられるだろう…無論、タダで演じて貰う必要は無い」
そう言いながら、ウロボロスと呼ばれた悪魔はサンプルの人造人間達に向かって手を上げ、光を当てた瞬間にカプセル内の人造人間達が活性化し、人間に近い形で形成されていった。
「我々の知りえる技術や力…ありとあらゆる物を君に与えるとしよう」
「それこそが、卿への新たな進化へと発展するだろう」
二つの悪魔からの言葉に、ミリアリスは静かに目を閉じ、そして答えた。
「…分かった。貴方達の言う悪魔を演じましょう。どうせ、他の選択肢はないでしょうから」
「これはこれは…結構な早い結論だ…」
「勘違いしては困る。これは、あの人と私の願いを実現させる為だ」
「無論、それで構わないよ。これから、我々はこの箱庭で実験を繰り返し、あの”人間”や我々と同じ上位存在…その先である”虚無”とトキサダを倒せるための進化が必要だ…故に、君には実験のついでに記録をし続ける枷を与えよう…」
「…その代わり、分かってるでしょうね?」
「無論、約束は守ろう…それが卿との約束だ」
二つの悪魔による契約の下、ミリアリスはタダの機械人形から怠惰の悪魔…ベルフェゴールを名乗り演じる事へとなった…
あの契約の後…私はベルフェゴールと名乗り、彼等の言う怠惰の悪魔を演じ続ける人形となった…
彼等の約束通り、私は未知の技術を受け取り、地下で生き続けていた亜種族のデータを下に色々な生物を復元させ、新たな神と名乗る”人間”の下で作られた人間モドキに混じる形で人造人間を世界に撒いた…
遥か地下に潜り、別の文明進化をした新魔族達をあの悪魔達の仲介の下で和解して協力し、遥か遠くの島国に渡って精霊使いとなった獣皇と名乗る獣人達も和解し、あの時代の魔王と勇者による愚かな喜劇を旧世界の文明兵器と遥か未来の文明兵器を使い、戦いの記録をデータとして残し、新たな進化への道筋を作っていった…
鉄血と呼ばれた新魔族達には兵器の技術を与え、同時に悪魔達がその兵器の技術を作り出した別世界の”人間”達を呼び寄せ、戦いにさせたりもした…
その時に、新たな神は滅び、世界が混迷化して真なる敵である”虚無”を呼び寄せ、同じ様に戦闘実験を行わせた…
無論、結果は虚無への惨敗に終わり、8割以上の世界の被害を与え、終わりを迎えるだけであった…
しかし、ウロボロスの悪魔は時間を回帰させ、元の世界を復元する力があった…
私達、機械人形以外は…鉄血と呼ばれた新魔族達は転生により記憶が保持され、獣皇の獣人族は同じ魂の輪廻による転生術によって同じく記憶が保持され、何も知らない復元された旧魔族や人間、ドワーフやエルフなどは同じ神と名乗る”人間”によって使役される構図を作られ、再び闘争の実験へと繰り返された…
何度も時元の回帰を繰り返す内、ついに神が自滅を開始した…
ウロボロスの回帰により、記憶がないながらも同じ既知感に見舞われ、何度も滅びさる事への恐怖による発狂がおき、世界を壊そうとした。
それを待ったかのように、悪魔達を含めた私と新たな悪魔となった者達と共に狂った”人間”を始末し、今度は”壊れない”新しい”女の人間”を女神として祀る様に仕向け、新たな実験へと行った…
人間達からすれば100年毎の闘争の歴史になるが、実際は一つの大罪の勇者が出る毎に10回ごと回帰を行われていた…
既にこの箱庭が実験場となって数千年以上の時が過ぎ去り、私の居た時代はもう遥か彼方の過去になってしまった…
今では北の山脈の中に埋もれてる施設はナノマシンによって老朽化は避けられていたが…既にあの当時の残っている者は機械に残された記録しか残っていなかった…
私の人間だった体は当の昔に朽ち果て、保存していた人間モドキなどの死体も朽ち果て、あの時代にあった文明道具は朽ち果ててしまった…
私のメンタルチップ内の魂からも、ベルの顔が思い出せないほどまで風化が始まっていた…
不老不死に近い機械人形とはいえ、長い時を生き続けると禄でもないものだと実感した…
既に、私の技術は完成し、完全な人造人間も作り出せるようになった…
全員、女性型でしか完成できなかったが…機能としては完璧で、”人間”らしく生きていける程にまで進化した…
これらの人造人間達は、この箱庭の世界ではなく…遥か遠い異界の地…地球と呼ばれる世界へと送られる事になるだろう…
元を辿れば、この世界はその地球の人間による空想の世界で出来ており、仮想の世界の中で”夢”として行動してるそうだ…
…私達は、そんな人間達の”夢”の世界…舞台劇の役者として生まれてきたのか?
既に、夢を見なくなった私からすれば、冗談ではないと感じたかったが…私の作り上げた人造人間はどうなるのだろうか…?
その実験を立証する為に、私は彼等とは別に独自でその地球への次元の穴を開けて人造人間達を転送し、試していった…
結果は何時になるか分からないが、私はその掛けを願っていた…
そして、送る予定だった最後の子を転送しようとした時、施設のコントロール室から映る光景を目の当たりにした…
あの人…ベルが人間モドキの男性に転生し、色欲に支配された勇者と対峙する光景を…!
転生したベル…カイ・キクルスは勇者の当て馬として勇者に婚約者と義妹を奪われ、復讐者として色欲の勇者の前に現れ、勇者の糧となって消える運命だった…
その上、その勇者はあの悪魔の進化へ糧となり、虚無を生み出す装置になる運命だった…
私は…そんな勇者の糧になる運命をかつて愛した人と同じ人にさせたくない…
そう願った時、私はあの悪魔達に実験申請を行なった。
”私と同じ姿をした人造人間を、当て馬の人間を進化させたい。必ず貴方達の希望通りになりますでしょう…”と。
あの悪魔達は潔く了承し、私の複製体に仕上げた人造人間の赤ん坊をとある男爵家の妻の体内に埋め込んだ。
既に懐妊中だった女の体の手術など容易く、複製体を埋め込むのは何ら苦労はなかった…
気付いても、女の遺伝を引き継いで生まれるために気付かれずに成長し、彼の元へと向かうだろう…
こうして、私は自分の複製体を回帰の輪の中に入れ、新たな実験を始めた…
ついでならば、ベルと私の今までの記録を魔力の水晶体と称した球体モニターに移して、あの子を裏切った女達に渡しても良い…
結局の所、進化した機械人形で悪魔となった私でも所詮は人間と変わらないと実感してる…
だけど、もしも…もしも新たな未来と未知の結末に導けるならば…私はそれでいいと願ってる…
全てはあの子達と…進化できる人間達の未来の為に…
私は再び大罪の悪魔として動き、いずれ滅びを迎えよう…
この記録を見た者達…願わくば良き未来の為に…
旧世界の人形師で、最古の戦略人形で、始祖の機械人形…ミリアリス・ベルフェゴールが伝える…
最後のメッセージを記録したミリアリスは、球体型のモニターを幾つも複製し、各地に転送させて地中に埋め込ませた。
その内の一個を、裏切りの聖女の予定であるとある子爵家の土地に転送させた。
無論、魔導士の一家としても有名な貴族であるため、早々に気付いて回収するだろう…
但し、記録された映像は裏切りの聖女が覚醒するまで再生できない仕様にして…
転送を終えたミリアリスは、施設の電力を最小限にまで抑えて薄暗い洞窟状態にし、劣化した人工皮膚を再生させる為に少しの眠りに就いた…
次に目覚める時は、世界が戦乱の世になっているの事を…今までとは違う未来に進んでいる事を願って…
機械人形は電気で動く機械羊の夢を見るのか…?
あの悪魔達の問いかけにミリアリスは未だに答えられずにいるが…
夢が見れるとならば、それは人間として進化したと言えるかもしれない…
再び同じ問いに問われた場合、ミリアリスはそう答えたいと願っていた…
崩壊現象によって地上は荒れ果て、大地の90%が砂漠化してから長い年月を過ぎていた…
その砂漠の世界に、無機物で出来た飛行物が回転翼で羽ばたいて上空から大地を観察していた…
その飛行物が捉えた映像を地下深くに眠る施設に送られ、記録がなされていた…
「…放射濃度は低下。”人類”の生存可能限界値まで下がった事は喜ばしいというのか…」
無機質な声を出す一人の機械人形…ミリアリスはそう呟きながら、作業用の機械人形達に機械で命じながら記録と観察を続けていた…
あの大爆発から数百年…ミリアリスは残った地下施設を拡張させながら巨大な遺跡化にする一方で、自己修復が可能なナノマシン技術も復活させ、自身の機械人形となった身体を修復させ、生体機能であった脳をメンタル化に成功することで出来た人工脳チップを完成させ、完全な機械人形へと姿を変えた…
ただ、全身が金属のむき出しだとメンタルチップと同化した心に傷痕を残すので、合成加工された人工皮膚などで人間らしく再現させ、元の少女の姿へと完璧に戻していた…
(魂を全機械化した身体に移してもなお、人間と同じ感覚で機能化できる…この方法があれば、ベルのメンタルを残せたはず…)
ミリアリスはそう思いながら、自分達機械人形とは別のタイプである有機物で出来た人形…人造人間の入った培養液で満たされたカプセル容器に目を向けた…
ベルとの共同で作り上げた最後の傑作品である機械人形の手で作られた人造の彼等…あるい彼女等は培養液の内で育ち、起動を確認し、空気のある外で生きていけるかの実験を繰り返されていた。
機械人形とは違い、有機物の生体に近い人造人間の人形達は培養液の外に出た瞬間に老化が始まり、製造して一ヶ月も間もなく生体組織が崩壊して死を迎えてしまった…
原因として考えられるのは、人造人間を製造するに当たって必要な細胞組織の確保であった…
冷凍保存されていた人間の組織…かつて、人間であったミリアリスの死体などから健全な細胞を抽出し、それらを人工培養させて増殖させて人の形にまで形成し、足りない部分は機械部品で補っていた…
しかし、既に死して壊死しかけている細胞では正常な増殖は行われず、況しては遺伝子的に欠落した状態で復元した所で完全に再現は出来なかったのである…
完全に研究が行き詰ったミリアリスは、この計画を凍結させ、メンタル化して作られた人工脳を持った機械人形を新たな人類へと送ろうかと考えていた…
(どうせ、ベルはこの世にいない…貴方のいない世界なんて、どうなってもいい…)
既に心が壊れかけているミリアリスは自暴自棄になっており、理想の世界などどうでもいいと感じ、全てを効率的かつ合理的な世界に変えてしまおうと考えていた…
その考えにシフトしてから数十年後…
予定よりも早く施設を地上に浮上させ、新たに作られた機械人形を大地に解き放とうとした年に、ミリアリスの施設内部に侵入者が現れた…
「ふむ…一人の意思のある人形として、ここまで忠実に再現するとは…いやはや、見事である…」
襤褸外套を着た長身の男が施設のコントロール室に突然現れた事にミリアリスは驚き、封印していた戦略人形達を起動させ迎撃しようとした。
しかし、その男は手を天に翳すとミリアリスを除いた全人形が停止し、施設の大部分を停止させてしまった。
「なっ…貴方は…何者!」
「何者か…何者と名乗ればいいのか…さて…」
男はそう呟きながら、コントロール室の制御盤に触れ、ミリアリスの知らない機能を展開し始めた…
モニターに映る光景は、今まで見た事の無いものばかりで、これより遥か未来…いや、遥か”過去”の世界などが映し出されていた…
「遥か昔…黙示録の四騎士とも呼ばれ…七つの大罪の悪魔とも言われ…原罪の悪魔とも言われていた…まぁ、そのどれもが私にとってはどうでもいいものであるが…」
「黙示録の四騎士に大罪の悪魔…まさか、古き神とでも言うわけでは?」
「それも違うかな?なんせ、長く生き過ぎてるのでな…元の名を忘れてしまったよ。あえて言うなら…ウロボロスと名乗ろうか?」
ウロボロスと名乗った男が口角を上げて笑顔を作った時、ミリアリスの背後には黄金の後光を放つ男がゆっくりと歩んできた。
「そう煽る必要は無いだろう?死の騎士よ。それとも、傲慢のルシフェルとでも呼ぼうか?」
「そういう貴様こそ威圧を放つ必要があるのかね?我が友、戦争の騎士よ。いや、憤怒のサタンよ」
互いに笑い合う悪魔の姿に、ミリアリスはあの時の…”虚無”の軍勢が現れた時以上の恐怖を覚え、身動きが取れずにいた。
(ついに…私を罰せられる時が来たのね…)
遥か大昔に出てくる神話級の化け物達を前に、ミリアリスは抗うのを諦め、大人しくしていた。
そんなミリアリスの姿を見た二つの悪魔は何を察したかのように威圧を止め、ミリアリスに目線を向けた。
「卿は何かを勘違いをしているであろうが、我々は卿を滅しに来たわけではない」
「何…?」
「むしろ、勧誘しに来たのだよ。これだけ制限された畜生が住まう箱庭の中で、歪曲で小姓な”人間”が家畜に褒美を与え、偽りの繁栄を与えさせて楽しむ娯楽の箱庭の世界の中で、君ともう一人のあの人間モドキは抗い、旧世界の遺物を使いこなし、復元させ、箱庭の理を破壊し、”人間”を倒した…実に素晴らしい進化を果たした…いや、本当に見事だ…至高に信ずるよ」
ウロボロスと名乗った悪魔はそういいながら拍手をし、コントロール室に保管してある人造人間のサンプル達に手を触れていた。
「しかし…今の君の現状は、”人間”として進化を止めつつある…彼らを本当の人間に変え、真なる理想の世界を作ろうとしていたのではないかね?あの人間が居たなら、君はそうしたのであろう…?」
「だから、何が言いたいの…!」
余りの苛立ちにミリアリスは抑えていた感情をむき出しにし、悪魔に向かって辛辣に当たった。
その姿を悪魔はニヤリと笑い、言葉を続けた。
「ならばこそ、その停滞した君の現状を我々が打破しようではないか…?既に、この箱庭は作り換わろうとしている。遥か上の階層にいるある男…トキサダと呼ばれる男がこの階層世界を構築し直し、新しい神と名乗る”人間”が再配置される…そうなれば、古き文明は駆逐され、また無意味な箱庭が世界の理へと戻るのだよ…?この意味は分かるかね?」
悪魔の言葉に、ミリアリスは少し考え…溜め息を放った後に悪魔に向けて言い返した。
「良い訳がないでしょう。私とベルが再現し、あの人間モドキを駆逐したのに…また同じ世界に戻るなんて…」
「そうだとも、そうだとも…君のその願望、憤り、ああ…至高で賜らない…」
「長い件はいい。用件だけ言いなさい」
「せっかちは宜しくは無いのだがね…?」
「合理的と言いなさい。で、結局の所…勧誘とは何?」
ミリアリスの言葉に、もう一人の悪魔が反応して続けた。
「何、簡単な事だ。卿には我々と同じ大罪の悪魔を演じてほしいのだよ」
「…へぇ。私を神話の悪魔に」
「かの有名な”怠惰”の悪魔は、元は勤勉な発明家であったのだけど、神以上の力を付けた事で悪魔に蹴落とされ、罰として怠惰にさせられ人々の堕落を導く者とされた…しかし、この役柄の人間がこの世界には中々現れなかったのでな…」
「しかし、我々は見つけたのだ。君と、もう一人の人間…君が愛したベルと呼ばれた人間がまさに理想の人間であった」
「ただ、我々ですら手に余るあの虚無の異形軍勢を押し返すと共に消え去ったのは痛い損出であったが…」
「そう…残された君ならば、この役を演じられるだろう…無論、タダで演じて貰う必要は無い」
そう言いながら、ウロボロスと呼ばれた悪魔はサンプルの人造人間達に向かって手を上げ、光を当てた瞬間にカプセル内の人造人間達が活性化し、人間に近い形で形成されていった。
「我々の知りえる技術や力…ありとあらゆる物を君に与えるとしよう」
「それこそが、卿への新たな進化へと発展するだろう」
二つの悪魔からの言葉に、ミリアリスは静かに目を閉じ、そして答えた。
「…分かった。貴方達の言う悪魔を演じましょう。どうせ、他の選択肢はないでしょうから」
「これはこれは…結構な早い結論だ…」
「勘違いしては困る。これは、あの人と私の願いを実現させる為だ」
「無論、それで構わないよ。これから、我々はこの箱庭で実験を繰り返し、あの”人間”や我々と同じ上位存在…その先である”虚無”とトキサダを倒せるための進化が必要だ…故に、君には実験のついでに記録をし続ける枷を与えよう…」
「…その代わり、分かってるでしょうね?」
「無論、約束は守ろう…それが卿との約束だ」
二つの悪魔による契約の下、ミリアリスはタダの機械人形から怠惰の悪魔…ベルフェゴールを名乗り演じる事へとなった…
あの契約の後…私はベルフェゴールと名乗り、彼等の言う怠惰の悪魔を演じ続ける人形となった…
彼等の約束通り、私は未知の技術を受け取り、地下で生き続けていた亜種族のデータを下に色々な生物を復元させ、新たな神と名乗る”人間”の下で作られた人間モドキに混じる形で人造人間を世界に撒いた…
遥か地下に潜り、別の文明進化をした新魔族達をあの悪魔達の仲介の下で和解して協力し、遥か遠くの島国に渡って精霊使いとなった獣皇と名乗る獣人達も和解し、あの時代の魔王と勇者による愚かな喜劇を旧世界の文明兵器と遥か未来の文明兵器を使い、戦いの記録をデータとして残し、新たな進化への道筋を作っていった…
鉄血と呼ばれた新魔族達には兵器の技術を与え、同時に悪魔達がその兵器の技術を作り出した別世界の”人間”達を呼び寄せ、戦いにさせたりもした…
その時に、新たな神は滅び、世界が混迷化して真なる敵である”虚無”を呼び寄せ、同じ様に戦闘実験を行わせた…
無論、結果は虚無への惨敗に終わり、8割以上の世界の被害を与え、終わりを迎えるだけであった…
しかし、ウロボロスの悪魔は時間を回帰させ、元の世界を復元する力があった…
私達、機械人形以外は…鉄血と呼ばれた新魔族達は転生により記憶が保持され、獣皇の獣人族は同じ魂の輪廻による転生術によって同じく記憶が保持され、何も知らない復元された旧魔族や人間、ドワーフやエルフなどは同じ神と名乗る”人間”によって使役される構図を作られ、再び闘争の実験へと繰り返された…
何度も時元の回帰を繰り返す内、ついに神が自滅を開始した…
ウロボロスの回帰により、記憶がないながらも同じ既知感に見舞われ、何度も滅びさる事への恐怖による発狂がおき、世界を壊そうとした。
それを待ったかのように、悪魔達を含めた私と新たな悪魔となった者達と共に狂った”人間”を始末し、今度は”壊れない”新しい”女の人間”を女神として祀る様に仕向け、新たな実験へと行った…
人間達からすれば100年毎の闘争の歴史になるが、実際は一つの大罪の勇者が出る毎に10回ごと回帰を行われていた…
既にこの箱庭が実験場となって数千年以上の時が過ぎ去り、私の居た時代はもう遥か彼方の過去になってしまった…
今では北の山脈の中に埋もれてる施設はナノマシンによって老朽化は避けられていたが…既にあの当時の残っている者は機械に残された記録しか残っていなかった…
私の人間だった体は当の昔に朽ち果て、保存していた人間モドキなどの死体も朽ち果て、あの時代にあった文明道具は朽ち果ててしまった…
私のメンタルチップ内の魂からも、ベルの顔が思い出せないほどまで風化が始まっていた…
不老不死に近い機械人形とはいえ、長い時を生き続けると禄でもないものだと実感した…
既に、私の技術は完成し、完全な人造人間も作り出せるようになった…
全員、女性型でしか完成できなかったが…機能としては完璧で、”人間”らしく生きていける程にまで進化した…
これらの人造人間達は、この箱庭の世界ではなく…遥か遠い異界の地…地球と呼ばれる世界へと送られる事になるだろう…
元を辿れば、この世界はその地球の人間による空想の世界で出来ており、仮想の世界の中で”夢”として行動してるそうだ…
…私達は、そんな人間達の”夢”の世界…舞台劇の役者として生まれてきたのか?
既に、夢を見なくなった私からすれば、冗談ではないと感じたかったが…私の作り上げた人造人間はどうなるのだろうか…?
その実験を立証する為に、私は彼等とは別に独自でその地球への次元の穴を開けて人造人間達を転送し、試していった…
結果は何時になるか分からないが、私はその掛けを願っていた…
そして、送る予定だった最後の子を転送しようとした時、施設のコントロール室から映る光景を目の当たりにした…
あの人…ベルが人間モドキの男性に転生し、色欲に支配された勇者と対峙する光景を…!
転生したベル…カイ・キクルスは勇者の当て馬として勇者に婚約者と義妹を奪われ、復讐者として色欲の勇者の前に現れ、勇者の糧となって消える運命だった…
その上、その勇者はあの悪魔の進化へ糧となり、虚無を生み出す装置になる運命だった…
私は…そんな勇者の糧になる運命をかつて愛した人と同じ人にさせたくない…
そう願った時、私はあの悪魔達に実験申請を行なった。
”私と同じ姿をした人造人間を、当て馬の人間を進化させたい。必ず貴方達の希望通りになりますでしょう…”と。
あの悪魔達は潔く了承し、私の複製体に仕上げた人造人間の赤ん坊をとある男爵家の妻の体内に埋め込んだ。
既に懐妊中だった女の体の手術など容易く、複製体を埋め込むのは何ら苦労はなかった…
気付いても、女の遺伝を引き継いで生まれるために気付かれずに成長し、彼の元へと向かうだろう…
こうして、私は自分の複製体を回帰の輪の中に入れ、新たな実験を始めた…
ついでならば、ベルと私の今までの記録を魔力の水晶体と称した球体モニターに移して、あの子を裏切った女達に渡しても良い…
結局の所、進化した機械人形で悪魔となった私でも所詮は人間と変わらないと実感してる…
だけど、もしも…もしも新たな未来と未知の結末に導けるならば…私はそれでいいと願ってる…
全てはあの子達と…進化できる人間達の未来の為に…
私は再び大罪の悪魔として動き、いずれ滅びを迎えよう…
この記録を見た者達…願わくば良き未来の為に…
旧世界の人形師で、最古の戦略人形で、始祖の機械人形…ミリアリス・ベルフェゴールが伝える…
最後のメッセージを記録したミリアリスは、球体型のモニターを幾つも複製し、各地に転送させて地中に埋め込ませた。
その内の一個を、裏切りの聖女の予定であるとある子爵家の土地に転送させた。
無論、魔導士の一家としても有名な貴族であるため、早々に気付いて回収するだろう…
但し、記録された映像は裏切りの聖女が覚醒するまで再生できない仕様にして…
転送を終えたミリアリスは、施設の電力を最小限にまで抑えて薄暗い洞窟状態にし、劣化した人工皮膚を再生させる為に少しの眠りに就いた…
次に目覚める時は、世界が戦乱の世になっているの事を…今までとは違う未来に進んでいる事を願って…
機械人形は電気で動く機械羊の夢を見るのか…?
あの悪魔達の問いかけにミリアリスは未だに答えられずにいるが…
夢が見れるとならば、それは人間として進化したと言えるかもしれない…
再び同じ問いに問われた場合、ミリアリスはそう答えたいと願っていた…
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無能なので辞めさせていただきます!
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ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
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カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
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《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
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ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
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スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
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勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
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突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
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HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
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元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
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気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
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