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酔っ払いと本音 -飛鳥side-
2.
しおりを挟む「澪、本当に美味しいよ」
「本当ですか? よかったです。私も、いただきます!」
幸せそうに食べる澪を見ていると、こちらまで満たされた気持ちになる。
他に用意してくれたものも、ついおかわりしてしまった。全て平らげて、体も心もすっかり満たされた。
「澪、片付けは俺がやるから、少しゆっくりしてて。他に見たい映画があれば、もう少し一緒に見ようか」
「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて、少し休憩してますね」
もっと澪を甘やかしたいと思うのに、澪にしてもらうばかりだ。何か俺に出来ることはないだろうか? 出来る限り探していこう。
そして、また映画を2人で見始めた。澪はまた俺の膝の上に、ちょこんと座っている。今気づいたのだが、澪のワインを飲むスピードが上がっている気がした。
(澪って、お酒好きなのか? あんまり変な酔い方はしなそうだけど、どうなんだろう)
よく考えると、2人でお酒を飲むのは今日が初めてだ。多少飲みすぎてもここは自宅だし、明日も休みだから問題ない。
映画の途中で、突然くるっと澪がこちらを見上げる。
「澪、どうした? 他の映画に変えるか?」
「んー 飛鳥さんの顔が見たいなと思っただけ」
「もしかして、酔ってる?」
「酔ってないですよー」
こういう時「酔ってない」というやつは、大体酔ってる。大丈夫か?と少し様子を伺う。
すると突然、驚くことを言い始めた。
「飛鳥さん、今日もかっこいいね」
「っ!?」
さっきまで澪が真っ赤になっていたのに、次は俺が赤面してしまう。俺、澪にかっこいいって言われた? なにこれ、嬉しすぎるんだが。
「澪、酔ってるからかっこいいって言ってくれてるの?」
「違うよ、いつも思ってる。私には勿体無いなって。まぁ、偽装の婚約者なんだけど」
「澪……」
そろそろ、俺の本心を伝えても良いのだろうか。
本当は「偽装」という関係では嫌なんだと。
酔ってる澪に言う訳にはいかないが、これは澪も少しは俺に好意があるのではと淡い期待をしてしまう。
「今日ね、色々飛鳥さんに質問したでしょう?」
「あぁ、お見合いみたいな質問な」
「もう、揶揄わないで。でも本当に聞きたいことは、別にあって」
「ん? 何が知りたい?」
「……飛鳥さんは、私のことどう思ってる?
やっぱり、ただの、偽装婚約者なのかな…?」
「澪、それは…酔ってる時じゃなくて、お酒が抜けている時にちゃんと伝えたい。それじゃダメか?」
「ん、そう…」
澪の目が半分閉じてきた。これはそろそろ限界か。
お姫様抱っこして、彼女が使っている客間のベッドに連れて行く。お風呂も入れていないけれど、今日はもう無理そうなので寝かしつけた。
それにしても、あれは澪の本音なのだろうか?
あと、酔うと敬語が抜けてさらに可愛くなるのも、大問題だ。もう他の男がいる飲み会には行かせないようにしないと…。
俺は当初の想定より早く、自分の気持ちをきちんと澪に伝えようと決心した。
***
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