白き狼の寵愛【完結】

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Ⅲ.ユラの章【蜜月】

05.

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食べられるなら、ハクがいい。

ハクの長い舌を自分の中に深く受け入れながら、ユラは目を閉じた。

ハクになら、どんなにひどく食べられてもいい。

ハクの舌に舌を絡め取られ、口の中を隅々までなぞられ、吸われて、突き入れられる。柔らかくて少しざらざらしているハク舌はほのかに甘い。ハクの味がする。

もっと。

ハクを味わいたくて、ハクを感じたくて、ユラは精一杯舌を伸ばした。

ぴんと尖った舌先が程よく固く、撫で合うたびに刺激が生まれて身体中にじわじわ浸透していく。二つの舌が口の中で心地よく溶け合って、親密な慰めを連れてくる。ハクと繋がっている安心は何物にも変え難い。

「ふ、…あ、……んふ、…」

もっと深く。もっと奥まで。
離れられないくらい溶け合って、一つになりたい。

ハクに噛まれて、砕かれて、飲み込まれる。
ハクに取り込まれて、ハクの一部になれるなら。
そうやってずっと一緒にいられるのなら。

それはとても幸せなことだろう。

「…泣くな」

ハクは鋭い爪のある手で、ユラを傷つけないよう器用に涙をぬぐう。

「どうして欲しいか言え」

ハクの金色の目がすぐそばで、心の底まで見透かすようにユラだけを映している。

「た、…食べて、欲しい」

しゃくり上げながらユラが懇願すると、ハクは一瞬固まって、それから甘く笑った。

「…喜んで」

向かい合わせに座ったまま、彼のものを根元まで受け入れて、下から深く突き上げられる。律動に合わせて揺れる身体を両腕でしっかり支えられ、腕も足も密接に繋がれたまま、長い舌と牙に胸を喰まれる。

「あ、…っ、…は、…っ、…あ、…――――――っ」

食べて欲しいと言ったのに、ハクの鋭い歯も牙も決してユラを傷つけない。

ひたすらに柔らかい曲線を辿り、張りつめた先端を摘まみ、甘く噛みしめて、頭が真っ白に溶けていく蜂蜜色の喜びに狂わせるだけで。自分が弾けて溢れてとめどなく零れ落ちていくのをどうしようもなく、ユラはただ喘ぐばかりで。

「ハク、…あ、…っ、ハ、…ク、…――――――っ」

怖いくらいの快楽を注ぎ込まれて、すがるようにハクを呼ぶことしか出来ない。

「ユラ、…っ」

それでも。
ハクと交わって、ぐっちゃぐちゃの混沌に混ざり合って、どこまでもハクと繋がって、自分とハクの境界が分からなくなって、ハクの一部みたいに揺れて痺れて収縮を繰り返していると、丸ごとハクのものになったような気がする。

「ユラ、…―――――」

こんな風にハクに食べられて、ハクのものにしてもらえるなら。痺れるように低く甘い声で名前を呼んでもらえるなら。

恐れることは何もない。

気持ちを確かめられずとも。
相容れない関係であろうと。

これ以上の幸せはない。
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