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「お客様、大変お似合いですよ」
確か、昨日もこんなこと言ってもらわなかったか。
強引に話をまとめた茉由子さんを筆頭に、
チーフ、千晃くん、るうちゃんと一緒に足を踏み入れたブランドショップで、軽いデジャブを覚える。
最近、買い物し過ぎかもしれない。
いや。でも。あれは緊急事態だった。
結局。
靴は、千晃くんに買ってもらってしまった。
もう、一生大事に履こうと思う。
しかしながら、
色とりどりのドレスが軽やかに並び、フリルやレースやシルエットが華やかにささやきかける空間は、やっぱり心が躍る。
「ねぇねぇ、これ可愛くない? 今度あおいの結婚式があるから、新しいの買っちゃおうかな。ね、るう?」
「るう、おひめさまになる~」
茉由子さんが楽しそうに物色している。
もはや、自分の服を見たかっただけではないかという気もしないでもない。
なんせ、モデル体型美人の茉由子様は、何を召されてもお似合いになる。
るうちゃんはまた、問答無用で可愛い。
…いいな。
ドレスって体型がバッチリわかるじゃん。
自分の締まりがないのに貧相な身体は、誰の目にも映っていないことを祈る。
試着を繰り返す女性陣を遠巻きに見ながら、
「男が服を贈る意味ってさあ、…なあ、常盤?」
チーフが千晃くんに、なんか下世話なことを言いかけた。
「うーん。じゃ、俺が買おうかな。エスコート役だし、俺の服も併せて」
千晃くんが爽やかに切り返すと、
「は? なんでだよ、俺が買う」
チーフがちょっとむきになった。
「でも、高野さん、ただの同居人だし」
「お前だって、ただの同居人だろ」
「でも、俺、エスコートするし」
「いや、俺、上司だし」
良く聞こえないけど。
男性陣も結構楽しそうに見える。
フェミニンで優美なデザイン。
多彩な素材や刺しゅう。
レースをあしらったディテール。
麗しいドレスに身を包まれると、自然と嬉しくなって、
徐々にテンションが上がってきたところ。
「え~、やだぁ、偶然。びっくりですぅ」
ものすごく聞き覚えのある声が耳に入った。
昨日、気まずく別れた香恋ちゃんが、
「あ。これ、弟です~」
「ええっ、香恋ちゃん⁉」
どうみても、10歳以上は年上に見える男性を伴って、
ショップに入ってくる。
や否や。
チーフと千晃くんを見つけて、可愛らしさ満載の笑顔ですり寄っていた。
彼氏さん、シュート先輩、ドンマイです。
なんて呑気なことを思っている間もなく。
「ふぅ~ん。なんかドレスがかわいそう」
香恋ちゃんが私に気づいて、値踏みするような目を向けた。
分かっているだけにいたたまれない。
「…香恋の方が絶対似合う」
香恋ちゃんは私のドレス姿を鼻で笑うと、
「せいぜいドレスが無駄にならないよう祈ることですね」
なにやら不吉な台詞を吐いて、男性陣のもとに戻っていった。
確か、昨日もこんなこと言ってもらわなかったか。
強引に話をまとめた茉由子さんを筆頭に、
チーフ、千晃くん、るうちゃんと一緒に足を踏み入れたブランドショップで、軽いデジャブを覚える。
最近、買い物し過ぎかもしれない。
いや。でも。あれは緊急事態だった。
結局。
靴は、千晃くんに買ってもらってしまった。
もう、一生大事に履こうと思う。
しかしながら、
色とりどりのドレスが軽やかに並び、フリルやレースやシルエットが華やかにささやきかける空間は、やっぱり心が躍る。
「ねぇねぇ、これ可愛くない? 今度あおいの結婚式があるから、新しいの買っちゃおうかな。ね、るう?」
「るう、おひめさまになる~」
茉由子さんが楽しそうに物色している。
もはや、自分の服を見たかっただけではないかという気もしないでもない。
なんせ、モデル体型美人の茉由子様は、何を召されてもお似合いになる。
るうちゃんはまた、問答無用で可愛い。
…いいな。
ドレスって体型がバッチリわかるじゃん。
自分の締まりがないのに貧相な身体は、誰の目にも映っていないことを祈る。
試着を繰り返す女性陣を遠巻きに見ながら、
「男が服を贈る意味ってさあ、…なあ、常盤?」
チーフが千晃くんに、なんか下世話なことを言いかけた。
「うーん。じゃ、俺が買おうかな。エスコート役だし、俺の服も併せて」
千晃くんが爽やかに切り返すと、
「は? なんでだよ、俺が買う」
チーフがちょっとむきになった。
「でも、高野さん、ただの同居人だし」
「お前だって、ただの同居人だろ」
「でも、俺、エスコートするし」
「いや、俺、上司だし」
良く聞こえないけど。
男性陣も結構楽しそうに見える。
フェミニンで優美なデザイン。
多彩な素材や刺しゅう。
レースをあしらったディテール。
麗しいドレスに身を包まれると、自然と嬉しくなって、
徐々にテンションが上がってきたところ。
「え~、やだぁ、偶然。びっくりですぅ」
ものすごく聞き覚えのある声が耳に入った。
昨日、気まずく別れた香恋ちゃんが、
「あ。これ、弟です~」
「ええっ、香恋ちゃん⁉」
どうみても、10歳以上は年上に見える男性を伴って、
ショップに入ってくる。
や否や。
チーフと千晃くんを見つけて、可愛らしさ満載の笑顔ですり寄っていた。
彼氏さん、シュート先輩、ドンマイです。
なんて呑気なことを思っている間もなく。
「ふぅ~ん。なんかドレスがかわいそう」
香恋ちゃんが私に気づいて、値踏みするような目を向けた。
分かっているだけにいたたまれない。
「…香恋の方が絶対似合う」
香恋ちゃんは私のドレス姿を鼻で笑うと、
「せいぜいドレスが無駄にならないよう祈ることですね」
なにやら不吉な台詞を吐いて、男性陣のもとに戻っていった。
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