無能と呼ばれパーティーを追放された俺だが、「無能とはいったい何のことですか?」俺は、精霊たちの力を使い無双し自分だけのハーレムを作り上げる!

夢見叶

文字の大きさ
29 / 48
第二章 竜人族の少女

第二十九話 盗賊戦1

しおりを挟む
 その夜、竜人族の長の一室。そこでヒストリアと話していた俺。

 里人たちの殆どが寝静まり、一部の者が警備のために起きているだけとなった。そんな中里に一つの光が飛来してきたのだ。

 それに気づいたのは俺と里を警備している竜人族の里人たち。だが、ただ一つの光に対して行動をとろうとしない。

「お兄ちゃんあの光は何ですか?」

 ヒストリアも気づいているようだ。

「何でもないよ。さあ夜も遅い、今日は寝よう」

 俺たちは布団をかぶり目を閉じて眠りにつこうとしたのだが、

「起きろーーーーーー! 里に火が放たれたぞーーー!」

 その時外から大きな声が聞こえてきた。その声に合わせて他の里人たちも目を覚まし始める。

 里の真ん中にある長の家の隣から火が上がっている。冷静に指示を出せている者もいるが混乱で判断できなくなっている者もちらほら見受けられる。

「サーシャのお父様、何が起こっているのですか!」

 俺は家の外に飛び出し里の住人に指示を出す竜人族の長に声を掛ける。

「外からの攻撃だ! 何者かがこの里へ攻撃を仕掛けてきたようだな」

 先ほど見た一つの光、あれが火だったようだ。だがなぜあの光を怪しく思わなかったんだろうか? 俺の中で唯一の疑問である。

「とりあえず皆を安全なところへ、それと戦える者を里の入口へ集めてくれ」

「分かった」

 俺は長に考えを告げてヒストリアと二人で一足先に里の入口へと向かう。その道中に何個かの光が里目がけて飛んでくる。

 俺は、その光に、

「ウォーターボール」

 水の弾を的確に命中させて撃ち落とす。

「お兄ちゃん、あれがこの一件の原因なのです?」

「ああ、たぶん火矢だと思うが、辺りが暗くてよくわからんがな」

 俺の予想は当たっているだろう。それにこんな姑息こそくな手を魔族が使ってくるとは考えにくい。だとすればこの奇襲を仕掛けてきているのは人間であると言える。そしてその相手はほぼ確実にサーシャを攫った男たちだろう。

 そして、俺たちが里の入口へと着いたとき、里の外にこちらを見つめる人が何十人といる。しかも、認識疎外にんしきそがいの結界を無力化して中へと入ってきている。

 それから、他の里人たちも里の入口へと集まってくる。少しきつめに視線を感じるが、そのことは今は置いておくことに。

「アルク、里人は全員無事だ! それと戦闘員も連れてきた。もしこれ以上必要ならもう少し連れてくるが」

「いえ、これで十分です。それよりも、あそこを見てください」

 俺は隣にやってきた竜人族の長に前方を指さしながらその先を見るように促す。

「人間か」

「はい、しかもあれは盗賊団でしょう」

 俺たちがキリス村の冒険者ギルドでトレント討伐の依頼を受けたとき、近くに森に現れる盗賊団の討伐の依頼もあった。その依頼書には盗賊団のリーダーの顔写真もあり、今目の前にいる男の顔と一致する。

「だが、あの程度の連中なら我々で十分対処できます」

 だといいのだがな。

「彼らを甘く見るのはやめた方がいいと思います。彼らのいる場所を見てください」

「・・・・・・!! 結界が効いてないのか!」

「いえ、効いてないのではありません。無効化されているだけです」

 かなり驚いている長だが、俺が考えているのそんなことではない。この里の結界はかなり強力な物だった。普通の人間では無力化など決してできないだろう。つまり、あの中にそれほどの力を持つ者がいる、もしくは裏に誰かがついていて、その者が結界の無力化をしたと考えるのが普通だろう。

「長、気だけは抜かないように皆に指示を出してください。さもないと死者を出すことになるかもしれない」

「わかった」

 まだ攻めてこないと俺もどこかで少しの油断があった。後方にいた戦闘員の一人の胸に矢が突き刺さった。高い防御力を誇る竜人族の皮膚を貫く矢。何らかの魔法が付与されているだろう。

「おい、大丈夫か!」

 俺もそうだが、他の里人たちも矢が刺さった男の元へと近寄っていく。

 少し息がある。

「ヒストリア、手当てをしてやれ」

「分かりました」

 俺とヒストリアは先ほどとは意識を変えた。
 
「全員気を引き締めろ! 戦闘開始だー!」

 長の一声により全員の表情が変わる。そして、剣や槍を構えて前方にいる盗賊たちに襲い掛かっていく。

「俺も行く、後は任せた」

「はい、お兄ちゃん」

 最高の笑顔で答えてくれた。

 先に戦闘に入った竜人族に続き俺も戦闘へと突入していく。後方より放たれる矢。

 だが、

「皆さん全力でやってください」

 ヒストリアの指示で魔法で全てを打ち落としてしまう。

 そして、前衛の戦闘は基本的に能力で優っている竜人族が優勢であった。

「皆、もう少しだ!」

 長の声が戦場に響く。それにより活気づく竜人族の戦闘員たち。

 だがそんなとき、

「作戦通りだ、やれ」

 俺の耳だけにそんな声が届いた。

 ただの悪あがきだと思ったのだが、違った。その声が聞こえた後すぐに戦況が一気に変化した。

 先ほどまで優勢だった竜人族が少しずつ押され始めて。そして一人、また一人とやられていく。

 ただし、俺には何の変化も起きていない。竜人族の者のみが弱体化している様子。

 前衛だけじゃない、後方より援護の魔法が放たれていたのだが、ぴたりと止まってしまった。

「ダメージを負った者は後退しろ! 急げ、犠牲者が出るぞ!」

 全員に届く声を出す。

「うるさい! 人間は黙ってろ」

 俺の言葉に対して反感が返ってきた。

「俺たちが人間に負けるわけないだろう!

 自分たちより能力の劣る人間になど負けないと言う自信。こいつらはどれだけプライドがでかいんだ。

 だが、今はそんなことを言っている場合じゃない。一秒でも早く皆を後退させないと取り返しがつかなくなるかもしれない。

 そのために俺は少し強引かとも思ったが、ダメージを負った竜人族たちを後方へと放り投げていく。

「おいおい、何のつもりだ!」

 盗賊の一人が俺に向かって声をかけてきた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

「お前みたいな卑しい闇属性の魔女など側室でもごめんだ」と言われましたが、私も殿下に嫁ぐ気はありません!

野生のイエネコ
恋愛
闇の精霊の加護を受けている私は、闇属性を差別する国で迫害されていた。いつか私を受け入れてくれる人を探そうと夢に見ていたデビュタントの舞踏会で、闇属性を差別する王太子に罵倒されて心が折れてしまう。  私が国を出奔すると、闇精霊の森という場所に住まう、不思議な男性と出会った。なぜかその男性が私の事情を聞くと、国に与えられた闇精霊の加護が消滅して、国は大混乱に。  そんな中、闇精霊の森での生活は穏やかに進んでいく。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした

新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。 「ヨシュア……てめえはクビだ」 ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。 「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。 危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。 一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。 彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...