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そこから僕の生活は一変して、僕は団長さん専属の何でも屋さんになった。
副団長さんに言われて、何でも屋さん?と疑問に思ったが、本当に何でも屋さんだった。
「団長さん、おはようございます。起きてくださいー!」
朝は団長さんの目覚ましになる。ベッドでスヤスヤと眠る団長さんをゆさゆさと揺り起こす。
いつもある程度ゆさゆさすると腕のなかに閉じ込められてしまうから、本当は起きているのかもしれない。
「んむうッ…!ちょ、やあッ」
おはようのキスは絶対らしい。団長さんの熱い舌が僕の舌を絡めとって、時折甘噛みされる。
僕の申し訳程度に生えている父譲りの小さな牙も丁寧に舐められ、垂れた涎を啜られ。
服の上から身体を優しく擦られて、びくんびくんと身体が跳ねてしまうとそっと離れられる。
僕が何でも屋さんなのに、着替えは団長さんが手ずからしてくれる。
朝食は団長さんの膝の上で食べる。
団長さんは大きいから、その片方の太ももに座らせて貰って、開いた口にパンを千切り入れられ、ふぅふぅと猫舌な僕のためにスープを冷ましながらスプーンで給仕され、何故かミルクは口移しで与えられる。
「やぁ、も、いらない。」
「しっかり食べないと大きくなれないぞ。」
「んちゅ、や、溢れちゃう…」
朝食の時間はしっかり一時間は取られている。
朝食後は団長さんの執務の手伝い。
積み上がっている書類の山を整理して、優先順位の高いものから捌いていく。
視線を感じて振り向くと団長さんに見つめられている事が多くてドキドキとしちゃうけど、僕はこの時間が一番ホッとする。仕事をするって楽しい。
昼食は団長さんはお呼ばれする事も多くて、そんな時は騎士団の食堂へくま先生と向かう。
「最近団長との関係はどうですか?進展ありました?」
「何でも屋さんは大変です…すぐちゅってされるし…」
「あぁ…最近は団長がツムギ君といる時だけ、にやけすぎてて気持ち悪い、うざい、羨ましい、ずるい、と苦情がでてますね。本当に、番をみつけたら束縛したがるし、面倒くさい男で…大丈夫ですか?」
「えと、最近なんですけど…」
僕は思いきってくま先生に最近の悩みを相談してみることにした。
「どうしました?」
「団長さんとちゅってしてると、ドキドキして、バクバクして、おちんちんがムズムズするんです…」
バタリ、ガタリ、と食堂の椅子が倒れる音が響く。
「あー、そうですか…えっと、それは…」
「それで、ムズムズしてぐちゅぐちゅして、何か出るんです。」
「ちょっと黙りましょうか。」
「え?」
「いや、失礼しました。もう、団長にそのまま聞いてみたら良いと思います。同意なら良いんですよね?」
「え?はい。同意なら。」
何だか生暖かい目で見られて食堂を後にする。
午後は団長さんと訓練をする。
「ふぅーーー!」
今日は林檎を凍らせてみるように言われてカチコチに凍らせる。
そしてその林檎を50メートル程離れた的に向かって投げつけた。
バキリと木で出来た的が折れて飛び散る。
「うーん、やっぱり僕はだめだめなハーフだね。沢山吹かなきゃ凍らせられないし、この程度しか投げられないし、壊せない…」
母なら手にしただけで凍らせられるし、父なら倍以上離れたところから小石を投げて的を粉々に出来るだろう。
それでも団長さんは頭を撫でて誉めてくれる。
「あいつらあたりまで投げれるか?」
遠くから此方を伺っていた団員さんたち。顔を青くして小走りでいなくなってしまった。
副団長さんに言われて、何でも屋さん?と疑問に思ったが、本当に何でも屋さんだった。
「団長さん、おはようございます。起きてくださいー!」
朝は団長さんの目覚ましになる。ベッドでスヤスヤと眠る団長さんをゆさゆさと揺り起こす。
いつもある程度ゆさゆさすると腕のなかに閉じ込められてしまうから、本当は起きているのかもしれない。
「んむうッ…!ちょ、やあッ」
おはようのキスは絶対らしい。団長さんの熱い舌が僕の舌を絡めとって、時折甘噛みされる。
僕の申し訳程度に生えている父譲りの小さな牙も丁寧に舐められ、垂れた涎を啜られ。
服の上から身体を優しく擦られて、びくんびくんと身体が跳ねてしまうとそっと離れられる。
僕が何でも屋さんなのに、着替えは団長さんが手ずからしてくれる。
朝食は団長さんの膝の上で食べる。
団長さんは大きいから、その片方の太ももに座らせて貰って、開いた口にパンを千切り入れられ、ふぅふぅと猫舌な僕のためにスープを冷ましながらスプーンで給仕され、何故かミルクは口移しで与えられる。
「やぁ、も、いらない。」
「しっかり食べないと大きくなれないぞ。」
「んちゅ、や、溢れちゃう…」
朝食の時間はしっかり一時間は取られている。
朝食後は団長さんの執務の手伝い。
積み上がっている書類の山を整理して、優先順位の高いものから捌いていく。
視線を感じて振り向くと団長さんに見つめられている事が多くてドキドキとしちゃうけど、僕はこの時間が一番ホッとする。仕事をするって楽しい。
昼食は団長さんはお呼ばれする事も多くて、そんな時は騎士団の食堂へくま先生と向かう。
「最近団長との関係はどうですか?進展ありました?」
「何でも屋さんは大変です…すぐちゅってされるし…」
「あぁ…最近は団長がツムギ君といる時だけ、にやけすぎてて気持ち悪い、うざい、羨ましい、ずるい、と苦情がでてますね。本当に、番をみつけたら束縛したがるし、面倒くさい男で…大丈夫ですか?」
「えと、最近なんですけど…」
僕は思いきってくま先生に最近の悩みを相談してみることにした。
「どうしました?」
「団長さんとちゅってしてると、ドキドキして、バクバクして、おちんちんがムズムズするんです…」
バタリ、ガタリ、と食堂の椅子が倒れる音が響く。
「あー、そうですか…えっと、それは…」
「それで、ムズムズしてぐちゅぐちゅして、何か出るんです。」
「ちょっと黙りましょうか。」
「え?」
「いや、失礼しました。もう、団長にそのまま聞いてみたら良いと思います。同意なら良いんですよね?」
「え?はい。同意なら。」
何だか生暖かい目で見られて食堂を後にする。
午後は団長さんと訓練をする。
「ふぅーーー!」
今日は林檎を凍らせてみるように言われてカチコチに凍らせる。
そしてその林檎を50メートル程離れた的に向かって投げつけた。
バキリと木で出来た的が折れて飛び散る。
「うーん、やっぱり僕はだめだめなハーフだね。沢山吹かなきゃ凍らせられないし、この程度しか投げられないし、壊せない…」
母なら手にしただけで凍らせられるし、父なら倍以上離れたところから小石を投げて的を粉々に出来るだろう。
それでも団長さんは頭を撫でて誉めてくれる。
「あいつらあたりまで投げれるか?」
遠くから此方を伺っていた団員さんたち。顔を青くして小走りでいなくなってしまった。
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