モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき

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何時も伯爵様は我が家で一泊されて帰路に着く。逆に呼ばれる事も有るがマリア義母様を迎えてからはシャーロットだけが父と赴いていたが、伯爵夫人から年頃になって来たので泊まりは止めましょう、と連絡が有り毎年、1回新年の挨拶をする程度まで会わなくなって行った


夫人からシャーロットでは無く、私なら何時来ても構わないと言って下さったらしいのであちらの家で何かやらかしたのは想像に難くない

シャーロットは行け無くなって分かりやすく剝れていた。豪華な食事に沢山の使用人、まるで物語のお姫様気分で楽しかったのだろう  

私は高位貴族の邸宅へ赴くなんて逆に何時も気が抜け無くて大変だったからシャーロットが行くようになって却って良かったのに、と心の隅で呟いて3年経った時だ

その頃にはマリア義母様に最低限、女主人の仕事を任せたかったが、文字や数字が分からない上、本人にやる気が無く私がやる代わりに口出しを控えさせた。

良くも悪くも私を放置していた父にも赤字の家計簿を見せて任せるように言ったら何やら喚いていたけれど、伯爵夫人様の後ろ盾も有って黙認、一応跡継ぎは私と公言していたもの。

今更、口出すななんて言ってお祖父様から私充ての貯蓄を返せと言われたら困るのでしょう

伯爵夫人ジョアンナ様がジョージ様から私の部屋の様子を聞いて、何かと気に掛けて下さっていたのは助かった 

父が伯爵様と学友だったようにジョアンナ様も母と友人だったから余計に親身になってくれたのだろう

うちは気候は安定しているが辺鄙で山に隔離された土地だからか外からの観光客は余り望めない。
代わりにパーティーやお茶会は早々、縁が無くても他貴族から弾かれる事も無い所だ

だから、学校で学ぶのも自宅学習で終える予定で跡継ぎとしても勉強していた

が、ある日突然伯爵が来て、ジョージ様が跡継ぎになって婿入りは出来ないと断られた

「じゃあシャーロットがお嫁さんになりたいわ」

「いや、シャーロット嬢には申し訳無いがジョージには既に婚約者が居るのだ。長男サジナールの元婚約者が」

「えーシャーロットのが若くて可愛いのに」

伯爵様に失礼な物言いよ?可愛さの比較は相手の令嬢を知らないので何とも言えないわよ?と内心突っ込み捲りだ

「じゃあマイセン様と結婚するー」

「シャーロット嬢とマイセンでは平民になるのを知ってるかい?」

「シャーロットがこのうち継げば良いのー」

怖いもの知らずの爆弾発言に父、義母ともに驚きと歓喜の声を上げた

「それは…」

戸惑う伯爵が私を見遣る

私はにっこりと微笑み返した

「無理ね」

「義姉様の意地悪!シャーロットが欲しいのよ…父様お願い?」

涙目で父を見ると父も姉なら譲ってやれと声高に怒鳴るが私は微苦笑で息を付いた

「貴族の継承は血筋で決まるのが当然でしょう?ドレスや宝飾品では無いのですよ?アルマルーザ家の血が流れて居るのは私だけです」

キッパリと言い切ると父は知っていたのかと顔を逸らした

使用人たちは不思議顔で父そっくりなシャーロットなら良いのでは?と義母専属のメイド頭が口を出して来たので目を細めた

やっと15だ。大人では無いが少なくともこの家の発言権は持ち合わせている

産まれただけでない。女主人として館を管理していた実績が私には在る

「例えシャーロットが父の実子でも関係無いのよ。この家は私の母の家なのだから」

驚きに言葉を失う使用人たちを横目に父に振り返ると父は顔面蒼白になり口を金魚のようにパクパクと繰り返していた

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