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婚約破棄しました
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数刻後、登城の呼び出しを受け、私は自伯爵家華紋の入った純白のマントを羽織る
鈴蘭の刺繍が可愛らしい。が、鈴蘭には毒が有るのをご存知かしら?
王へ謁見の間に入ればアタマガとマルガリータ、その両親が勢揃い。
王の横に王妃殿下では無くエルシャが立っていた。
「タカラ!許してくれ!!ちょっと名を借りただけだったんだ!」
「ごめんなさい、私も悪かったわ」
未だ制服姿の2人が急に目前まで来て謝罪する
「まぁ、王の御前で何と無様な!カミュー王、申し訳有りません。タカラ伯爵家が『当主』マリーナが挨拶申し上げます」
片腕を胸に片手でマントの横を持ち頭を下げた。
「うん、本当に困ったものだ」
王の言葉に竦み上がる大人たち。私の足元には涙で顔面を濡らす2人
いや、何故マルガリータ嬢まで?と首を傾げたらエルシャが階段を優雅に降りて来た。
「婚約破棄の書類は確かに受け取り処理をしたので2人は完全に他人になった。また、タカラ伯爵家への慰謝料及び、マルガリータ嬢へ貢ぐ為に宝飾とドレスをタカラ伯爵宛にツケて居た件も各店のオーナーよりマリーナの名を騙る令嬢が居り、許可していた事。実際タカラ伯爵家へ赴きマリーナでは無かった事への証言は取れている」
もう既にオーナーへ確認作業は終わったらしく、私は仕事の早さに頷くしか出来なかった
その為に一旦、支払ったのだ。我が家からしたら大した金額で無かったが、アタマガの家なら大騒ぎになり、婚約破棄にならない様に私なら言い含めるレベルだった
それがまさか自宅が財政難と知らなかったとは言え、自分の息子から婚約破棄をするなんて青天の霹靂だったはずだ
「だって欲しかったんだものー。2人とも同級生でしょ?許して頂戴、ちょっと名前を借りただけよ」
マルガリータ嬢は余り悪いと思って無いらしく親しげにエルシャへ近づく瞬間、衛兵に捕らえられ目を丸くした
「止めて。痛いわ、離して!!酷い」
「無礼者!!」
王家の至玉、エルシャ姫様に何と言う口の聞き方!と憤る衛兵と、目を丸くする男爵夫妻が姫と友人では、と呟く
「わたくし、学友に身分は問いませんでしたけれど、この方と友人になった覚えは無くてよ。勝手に馴れ馴れしく話掛けて来る令嬢だとしか認識していませんわ」
「確かに朝、エルシャ姫様が登校するとおはよーと抱きつき、その度に苦言を頂戴する繰り返しでしたね。クラスも違うのに良くいらっしゃると思ってました」
「マリーナが都度、追い払ってもくれたがあんなに止める様に言っても名前呼びも止めなかったな」
話を聞き男爵夫妻が青醒めていく。恐らく友達だから大丈夫とでも言って有ったのだろう
彼女に女友達の姿を見た事は無いが、名前呼びで都合良く解釈されては溜まらない
「貴女の媚は殿方にしか通用しません、貴女は無礼過ぎました。私が追い払うのが不満でアタマガを奪って満足していたのも知ってますよ」
女友達は居ないが、彼女と親しげを装って情報を引き出す令嬢は居るのだ。
そしてその情報を元に彼女達は私達に媚を売る
「そんな!助けてアタマガ!!」
叫ぶ令嬢と共に男爵夫妻も衛兵に連れられ退出した
鈴蘭の刺繍が可愛らしい。が、鈴蘭には毒が有るのをご存知かしら?
王へ謁見の間に入ればアタマガとマルガリータ、その両親が勢揃い。
王の横に王妃殿下では無くエルシャが立っていた。
「タカラ!許してくれ!!ちょっと名を借りただけだったんだ!」
「ごめんなさい、私も悪かったわ」
未だ制服姿の2人が急に目前まで来て謝罪する
「まぁ、王の御前で何と無様な!カミュー王、申し訳有りません。タカラ伯爵家が『当主』マリーナが挨拶申し上げます」
片腕を胸に片手でマントの横を持ち頭を下げた。
「うん、本当に困ったものだ」
王の言葉に竦み上がる大人たち。私の足元には涙で顔面を濡らす2人
いや、何故マルガリータ嬢まで?と首を傾げたらエルシャが階段を優雅に降りて来た。
「婚約破棄の書類は確かに受け取り処理をしたので2人は完全に他人になった。また、タカラ伯爵家への慰謝料及び、マルガリータ嬢へ貢ぐ為に宝飾とドレスをタカラ伯爵宛にツケて居た件も各店のオーナーよりマリーナの名を騙る令嬢が居り、許可していた事。実際タカラ伯爵家へ赴きマリーナでは無かった事への証言は取れている」
もう既にオーナーへ確認作業は終わったらしく、私は仕事の早さに頷くしか出来なかった
その為に一旦、支払ったのだ。我が家からしたら大した金額で無かったが、アタマガの家なら大騒ぎになり、婚約破棄にならない様に私なら言い含めるレベルだった
それがまさか自宅が財政難と知らなかったとは言え、自分の息子から婚約破棄をするなんて青天の霹靂だったはずだ
「だって欲しかったんだものー。2人とも同級生でしょ?許して頂戴、ちょっと名前を借りただけよ」
マルガリータ嬢は余り悪いと思って無いらしく親しげにエルシャへ近づく瞬間、衛兵に捕らえられ目を丸くした
「止めて。痛いわ、離して!!酷い」
「無礼者!!」
王家の至玉、エルシャ姫様に何と言う口の聞き方!と憤る衛兵と、目を丸くする男爵夫妻が姫と友人では、と呟く
「わたくし、学友に身分は問いませんでしたけれど、この方と友人になった覚えは無くてよ。勝手に馴れ馴れしく話掛けて来る令嬢だとしか認識していませんわ」
「確かに朝、エルシャ姫様が登校するとおはよーと抱きつき、その度に苦言を頂戴する繰り返しでしたね。クラスも違うのに良くいらっしゃると思ってました」
「マリーナが都度、追い払ってもくれたがあんなに止める様に言っても名前呼びも止めなかったな」
話を聞き男爵夫妻が青醒めていく。恐らく友達だから大丈夫とでも言って有ったのだろう
彼女に女友達の姿を見た事は無いが、名前呼びで都合良く解釈されては溜まらない
「貴女の媚は殿方にしか通用しません、貴女は無礼過ぎました。私が追い払うのが不満でアタマガを奪って満足していたのも知ってますよ」
女友達は居ないが、彼女と親しげを装って情報を引き出す令嬢は居るのだ。
そしてその情報を元に彼女達は私達に媚を売る
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