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「――ふぅ。やっと静かになりました」
結婚式前夜。
時計の針は深夜零時を回っていた。
王宮は明日の式典に向けた準備の熱気と、前夜祭の喧騒がようやく収まり、深い静寂に包まれていた。
本来ならば、花嫁は「美容のための睡眠」を貪っている時間だ。
あるいは、マリッジブルーに浸って枕を濡らしているかもしれない。
だが、私は違った。
私は枕ではなく、ワインボトルを片手に、慣れ親しんだ場所――皇太子執務室へと足を踏み入れていた。
「……やはり、ここにいましたか」
「ニオ?」
執務室の窓辺。
月明かりの下、グラスを傾けていたクライヴ殿下が、驚いたように振り返った。
「どうしたんだ。明日は早いんだぞ? 美容に悪いとあれほど言っていたのに」
「眠れませんでした」
私は正直に答え、持参したチーズとサラミの盛り合わせをローテーブルに置いた。
「興奮して? それとも緊張か?」
「いえ。明日の『グッズ売上試算表』と『ご祝儀の回収見込み額』を再計算していたら、脳が冴えてしまいまして」
「……君らしいな」
殿下は苦笑し、手元のグラスを軽く掲げた。
「奇遇だな。私も眠れなかった」
「殿下も売上が心配で?」
「違う。……君に会いたかったんだ」
殿下はストレートに言った。
甘い。
相変わらず、この男は砂糖を吐くように愛を囁く。
「……結婚式の前夜に新郎新婦が顔を合わせるのは、縁起が悪いと言われていますよ」
「迷信だ。君はそんな非科学的なこと、信じないだろう?」
「ええ。統計的有意差は見られません」
私はソファに腰を下ろし、持ってきたワインの栓を抜いた。
「それに、これ以上『縁起』が悪くなることなんてありませんよ。一度婚約破棄され、国を追われ、誘拐未遂に遭い、借金を背負わされた女です。これ以上の不運など、隕石が落ちてくるくらいでしょう」
「違いない」
殿下は声を上げて笑い、自分のグラスを差し出した。
「注いでくれ。……最後の晩餐ならぬ、独身最後の晩酌といこう」
「はい。お付き合いします」
トクトクと、赤い液体がグラスに注がれる音が、静かな部屋に響く。
芳醇な香り。
ヴィンテージ物の最高級ワインだ。もちろん、父からの「手切れ金」の一部で購入したものだ。
「乾杯」
「乾杯」
カチン、とグラスが触れ合う。
一口飲むと、適度な渋みと甘みが口の中に広がり、張り詰めていた神経が少しだけ緩んだ。
「……美味いな」
「ええ。金貨の味がします」
「君は本当に……ロマンがない」
殿下は呆れつつも、愛おしそうに目を細めた。
そして、窓の外に広がる王都の夜景を見やった。
「……一年前の私なら、こんな夜は想像もできなかった」
殿下がポツリと漏らす。
「あの頃の私は、ただの仕事機械だった。書類の山に埋もれ、誰のことも信用せず、ただ国のために擦り切れるまで働く……それが正しい王族のあり方だと信じていた」
「効率の悪い働き方でしたね。見ていて胃が痛くなりました」
「ああ。全くだ」
殿下は自嘲気味に笑った。
「だが、君が来た。……最初は、ただの『有能な計算機』だと思ったよ。口が悪く、金に汚く、可愛げのない女だと」
「事実の羅列ですね。訂正箇所が見当たりません」
「だが、君が私の隣で『却下!』と判子を押し、私の代わりに怒り、私の代わりに戦ってくれたあの日々が……いつの間にか、私にとってのかけがえのない日常になっていた」
殿下はグラスを置き、私の手をそっと握った。
「ニオ。君がいなければ、私はきっと孤独なまま、玉座という棺桶に向かって歩いていただろう。……君がいない人生なんて、今はもう考えられない」
殿下の体温が伝わってくる。
酔いのせいか、それとも言葉のせいか。
私の頬が熱くなる。
「……殿下。酔っていますね?」
「素面(しらふ)だ。……君こそ、顔が赤いぞ」
「アルコールの血行促進作用です」
私は誤魔化そうと視線を逸らしたが、殿下は逃がしてくれなかった。
その青い瞳が、真っ直ぐに私を射抜いている。
「君はどうだ、ニオ? ……私との生活は、退屈ではないか?」
「……」
私は少し考えた。
退屈?
まさか。
この数ヶ月、退屈する暇など一秒もなかった。
「……退屈、ですね」
私はわざと、そっけなく言った。
「えっ……」
殿下の顔が凍りつく。
「殿下はすぐに無茶な仕事を引き受けるし、リリナ嬢のようなトラブルメーカーを呼び寄せるし、私の計算を狂わせるようなサプライズばかりする。……おかげで、私の『平穏な老後計画』は滅茶苦茶です」
「そ、そうか……すまない……」
「ですが」
私はグラスを置き、殿下の指に自分の指を絡ませた。
「退屈しない毎日でした。……刺激的で、予想外で、そして……とても効率的に『幸福度』が上がる日々でした」
「ニオ……」
「私も、殿下がいないと物足りません。貴方のボケ……いえ、無防備な言動にツッコミを入れないと、調子が狂うようです」
私が不器用に伝えると、殿下はパァッと顔を輝かせた。
まるで、初めて褒められた子供のように。
「……そうか。物足りないか」
「ええ。中毒性が高いようです」
「なら、一生責任を取らないとな」
殿下は私の肩を引き寄せ、抱きしめた。
ワインの香りと、殿下特有の爽やかな香りが混ざり合う。
「……明日は、忙しくなるぞ」
「覚悟の上です。分刻みのスケジュールですよ」
「誓いのキスの時間は?」
「十秒確保しています。それ以上は延長料金が発生します」
「……世知辛いな。だが、その十秒に全力を込めよう」
殿下は私の額に、優しく口付けた。
「愛している、ニオ」
「……私も、お慕いしております」
「『愛している』とは言わないのか?」
「それは、明日の本番まで取っておきます。在庫管理は厳重ですので」
「ふっ……。最後までじらすな、君は」
私たちは笑い合い、残りのワインを飲み干した。
窓の外が、白み始めている。
新しい朝が来る。
私の独身生活が終わり、そして「皇太子妃」としての、新たな、そしておそらく今以上に騒がしい日々が始まる朝だ。
「……そろそろ戻らないと、メイク担当に怒られます」
「そうだな。目の下のクマを隠すのに時間がかかると言っていたしな」
「殿下。後で減給です」
私は立ち上がり、ドレスの裾を払った。
「では、また数時間後に。……祭壇の前で」
「ああ。待っている」
私は執務室を後にした。
振り返ると、殿下がいつまでも優しい眼差しで見送ってくれていた。
廊下を歩きながら、私は小さくガッツポーズをした。
「……よし。コンディションは良好。メンタルも安定」
心臓の鼓動は、まだ少し早いけれど。
これはきっと、これからの「戦い(結婚式)」への武者震いだろう。
そう自分に言い聞かせ、私は自室へと戻った。
だが。
私たちはまだ知らなかった。
あれほど綿密に計画し、リハーサルまで完璧に行った結婚式で、まさかの「ハプニング」が起きることを。
それも、外部からの敵襲ではない。
身内――それも、あの「お父様」による、最後にして最大のサプライズが待ち受けていることを。
結婚式前夜。
時計の針は深夜零時を回っていた。
王宮は明日の式典に向けた準備の熱気と、前夜祭の喧騒がようやく収まり、深い静寂に包まれていた。
本来ならば、花嫁は「美容のための睡眠」を貪っている時間だ。
あるいは、マリッジブルーに浸って枕を濡らしているかもしれない。
だが、私は違った。
私は枕ではなく、ワインボトルを片手に、慣れ親しんだ場所――皇太子執務室へと足を踏み入れていた。
「……やはり、ここにいましたか」
「ニオ?」
執務室の窓辺。
月明かりの下、グラスを傾けていたクライヴ殿下が、驚いたように振り返った。
「どうしたんだ。明日は早いんだぞ? 美容に悪いとあれほど言っていたのに」
「眠れませんでした」
私は正直に答え、持参したチーズとサラミの盛り合わせをローテーブルに置いた。
「興奮して? それとも緊張か?」
「いえ。明日の『グッズ売上試算表』と『ご祝儀の回収見込み額』を再計算していたら、脳が冴えてしまいまして」
「……君らしいな」
殿下は苦笑し、手元のグラスを軽く掲げた。
「奇遇だな。私も眠れなかった」
「殿下も売上が心配で?」
「違う。……君に会いたかったんだ」
殿下はストレートに言った。
甘い。
相変わらず、この男は砂糖を吐くように愛を囁く。
「……結婚式の前夜に新郎新婦が顔を合わせるのは、縁起が悪いと言われていますよ」
「迷信だ。君はそんな非科学的なこと、信じないだろう?」
「ええ。統計的有意差は見られません」
私はソファに腰を下ろし、持ってきたワインの栓を抜いた。
「それに、これ以上『縁起』が悪くなることなんてありませんよ。一度婚約破棄され、国を追われ、誘拐未遂に遭い、借金を背負わされた女です。これ以上の不運など、隕石が落ちてくるくらいでしょう」
「違いない」
殿下は声を上げて笑い、自分のグラスを差し出した。
「注いでくれ。……最後の晩餐ならぬ、独身最後の晩酌といこう」
「はい。お付き合いします」
トクトクと、赤い液体がグラスに注がれる音が、静かな部屋に響く。
芳醇な香り。
ヴィンテージ物の最高級ワインだ。もちろん、父からの「手切れ金」の一部で購入したものだ。
「乾杯」
「乾杯」
カチン、とグラスが触れ合う。
一口飲むと、適度な渋みと甘みが口の中に広がり、張り詰めていた神経が少しだけ緩んだ。
「……美味いな」
「ええ。金貨の味がします」
「君は本当に……ロマンがない」
殿下は呆れつつも、愛おしそうに目を細めた。
そして、窓の外に広がる王都の夜景を見やった。
「……一年前の私なら、こんな夜は想像もできなかった」
殿下がポツリと漏らす。
「あの頃の私は、ただの仕事機械だった。書類の山に埋もれ、誰のことも信用せず、ただ国のために擦り切れるまで働く……それが正しい王族のあり方だと信じていた」
「効率の悪い働き方でしたね。見ていて胃が痛くなりました」
「ああ。全くだ」
殿下は自嘲気味に笑った。
「だが、君が来た。……最初は、ただの『有能な計算機』だと思ったよ。口が悪く、金に汚く、可愛げのない女だと」
「事実の羅列ですね。訂正箇所が見当たりません」
「だが、君が私の隣で『却下!』と判子を押し、私の代わりに怒り、私の代わりに戦ってくれたあの日々が……いつの間にか、私にとってのかけがえのない日常になっていた」
殿下はグラスを置き、私の手をそっと握った。
「ニオ。君がいなければ、私はきっと孤独なまま、玉座という棺桶に向かって歩いていただろう。……君がいない人生なんて、今はもう考えられない」
殿下の体温が伝わってくる。
酔いのせいか、それとも言葉のせいか。
私の頬が熱くなる。
「……殿下。酔っていますね?」
「素面(しらふ)だ。……君こそ、顔が赤いぞ」
「アルコールの血行促進作用です」
私は誤魔化そうと視線を逸らしたが、殿下は逃がしてくれなかった。
その青い瞳が、真っ直ぐに私を射抜いている。
「君はどうだ、ニオ? ……私との生活は、退屈ではないか?」
「……」
私は少し考えた。
退屈?
まさか。
この数ヶ月、退屈する暇など一秒もなかった。
「……退屈、ですね」
私はわざと、そっけなく言った。
「えっ……」
殿下の顔が凍りつく。
「殿下はすぐに無茶な仕事を引き受けるし、リリナ嬢のようなトラブルメーカーを呼び寄せるし、私の計算を狂わせるようなサプライズばかりする。……おかげで、私の『平穏な老後計画』は滅茶苦茶です」
「そ、そうか……すまない……」
「ですが」
私はグラスを置き、殿下の指に自分の指を絡ませた。
「退屈しない毎日でした。……刺激的で、予想外で、そして……とても効率的に『幸福度』が上がる日々でした」
「ニオ……」
「私も、殿下がいないと物足りません。貴方のボケ……いえ、無防備な言動にツッコミを入れないと、調子が狂うようです」
私が不器用に伝えると、殿下はパァッと顔を輝かせた。
まるで、初めて褒められた子供のように。
「……そうか。物足りないか」
「ええ。中毒性が高いようです」
「なら、一生責任を取らないとな」
殿下は私の肩を引き寄せ、抱きしめた。
ワインの香りと、殿下特有の爽やかな香りが混ざり合う。
「……明日は、忙しくなるぞ」
「覚悟の上です。分刻みのスケジュールですよ」
「誓いのキスの時間は?」
「十秒確保しています。それ以上は延長料金が発生します」
「……世知辛いな。だが、その十秒に全力を込めよう」
殿下は私の額に、優しく口付けた。
「愛している、ニオ」
「……私も、お慕いしております」
「『愛している』とは言わないのか?」
「それは、明日の本番まで取っておきます。在庫管理は厳重ですので」
「ふっ……。最後までじらすな、君は」
私たちは笑い合い、残りのワインを飲み干した。
窓の外が、白み始めている。
新しい朝が来る。
私の独身生活が終わり、そして「皇太子妃」としての、新たな、そしておそらく今以上に騒がしい日々が始まる朝だ。
「……そろそろ戻らないと、メイク担当に怒られます」
「そうだな。目の下のクマを隠すのに時間がかかると言っていたしな」
「殿下。後で減給です」
私は立ち上がり、ドレスの裾を払った。
「では、また数時間後に。……祭壇の前で」
「ああ。待っている」
私は執務室を後にした。
振り返ると、殿下がいつまでも優しい眼差しで見送ってくれていた。
廊下を歩きながら、私は小さくガッツポーズをした。
「……よし。コンディションは良好。メンタルも安定」
心臓の鼓動は、まだ少し早いけれど。
これはきっと、これからの「戦い(結婚式)」への武者震いだろう。
そう自分に言い聞かせ、私は自室へと戻った。
だが。
私たちはまだ知らなかった。
あれほど綿密に計画し、リハーサルまで完璧に行った結婚式で、まさかの「ハプニング」が起きることを。
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