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「ほほう……。これが噂の『マッスル・パラダイス』か」
ある晴れた日の午後。
店の入り口に、一人の初老の紳士が立っていた。
仕立ての良い服に、上品な髭。
変装のつもりなのだろうが、隠しきれない高貴なオーラ(と背後の護衛の気配)がダダ漏れである。
「いらっしゃいませー! 空いている席へどうぞー!」
私は元気よく声をかけた。
紳士は興味津々といった様子で店内を見回す。
ガロンさんが上腕二頭筋を強調しながら水を注ぎ、窓際ではリリィ様が5段重ねのハンバーガーを解体せずに齧り付いている。
そして奥のVIP席では、騎士団長レオナルド様がパフェを愛でている。
「……なるほど。ここは王国の縮図(カオス)だな」
紳士は愉快そうに髭を撫で、カウンター席に座った。
「店主、おすすめを頼む」
「かしこまりました。本日は『王様のブランチ・ステーキ』がおすすめです」
「王様……か。ふむ、ではそれを」
紳士――国王陛下(変装中)は、ニヤリと笑った。
◇
数十分後。
陛下はステーキを完食し、満足げにナプキンで口を拭った。
「うまい。……王宮の料理は見た目は美しいが、冷めていることが多い。熱々の肉がこれほど力になるとはな」
「ありがとうございます。料理も筋肉も、鮮度が命ですから」
「気に入った! ウィルヘルミナよ、約束通りこの店を『王室御用達』に認定しよう!」
陛下は高らかに宣言した。
「えっ、本当に?」
店内がどよめいた。
「うむ。余の健康管理のためにも、これからは王宮にもデリバリーを頼むぞ。……特に、あの紫色のドリンク(脳みそシャキッとスムージー)は、文官たちにも飲ませたい」
「承知いたしました。大量生産ラインを確保します」
私はガッツポーズをした。
やった。
ついに王室のお墨付きを得た。
これで店のブランド力は盤石。向かうところ敵なしだ。
「……だが、陛下」
パフェを食べ終えたレオナルド様が、スプーンを咥えたまま近づいてきた。
「そろそろ『彼』が到着する頃では?」
「おお、そうであった」
陛下の表情が、悪戯っ子のように輝く。
「ウィルヘルミナよ。実は今日、もう一人客を呼んでおる」
「もう一人?」
「うむ。騎士団での『再教育』を終え、生まれ変わった男だ。……見てやってくれ」
その時だった。
バンッ!!!
店の扉が、勢いよく開け放たれた。
「フハハハハハハッ!!!」
高らかな笑い声と共に、逆光の中に一人の男が立っていた。
「……誰?」
私は目を細めた。
金髪。
そこそこのイケメン。
しかし、以前のひょろりとした貧相な体型とは、明らかにシルエットが違った。
ピチピチの白シャツ越しに分かる、うっすらと割れた腹筋。
少しだけ太くなった二の腕。
そして何より、立ち方が「あざといポージング(S字立ち)」になっている。
「久しいな、ウィルヘルミナ! そして我が愛しのリリィよ!」
男はバッとマント(なぜか着ている)を翻し、店内に踏み込んだ。
「セ、セドリック殿下!?」
リリィ様がハンバーガーを喉に詰まらせそうになった。
そう。
そこにいたのは、地獄の新人寮生活から生還した、元婚約者セドリック王子だった。
「ふふふ……驚いたか? 私のこの、進化したボディに!」
王子は私の目の前まで来ると、いきなりシャツのボタンを全開にした。
バッ!
「見よ! この腹直筋の陰影を! まだシックスパックとはいかないが、フォーパックくらいにはなっているだろう!」
「……はぁ」
私はまじまじと観察した。
確かに、以前の洗濯板のような胸板に比べれば、少しは肉がついている。
うっすらとだが、筋肉のラインが見える。
「いかがだウィルヘルミナ! これなら貴様の眼鏡に叶うだろう!」
王子はドヤ顔でバイセップス(力こぶ)のポーズをとった。
「……殿下」
私は冷静にコメントした。
「全体的にまだ細いですが、カット(切れ)は悪くありません。特に、広背筋下部の発達が見られますね。……相当、泥這いずりをさせられましたね?」
「ッ!?」
王子はビクリとした。
「な、なぜ分かる! あの地獄の『泥沼匍匐前進・完全版』を、私が泣きながら完走したことを!」
「筋肉は履歴書ですから」
「くっ……! やはり貴様には敵わん!」
王子は悔しそうに、しかしどこか嬉しそうに笑った。
以前のような、陰湿な粘着質さは消えている。
代わりに、妙な「暑苦しさ」が加わっていた。
「リリィ! 君はどうだ! 僕のこの上腕三頭筋、君のマシュマロのような頬に似合うと思わないか!」
王子はリリィ様に詰め寄った。
「え、えっと……」
リリィ様は困惑しつつ、ガロンさんの丸太のような腕と、王子の腕を見比べた。
「……アスパラガスと、ごぼうの違いくらいには成長しましたね」
「ご、ごぼう!?」
王子はショックを受けたようだが、すぐに立ち直った。
「フッ……いいだろう! 今はまだごぼうでも、いずれは大根、いや丸太になってみせる! レオナルド団長の『鬼のしごき』に耐えた私に、不可能はないッ!」
王子は無駄にキラキラした瞳で、レオナルド様を見た。
「団長! いや師匠! 本日のプロテインは何味ですかッ!?」
「……ココア味だ」
レオナルド様は呆れつつも、満足げに頷いた。
「悪くない仕上がりだ、セドリック。……以前のような腐った根性は、筋肉と共に燃焼されたようだな」
「はいッ! 今の私は、国政よりもベンチプレスを愛しています!」
「それはそれで困るのだが……」
陛下が頭を抱えた。
「まあよい。以前のようにポエムを詠み散らかして周囲を不快にさせるよりは、筋肉を語っている方がまだマシであろう」
「父上! 見てください、私の大腿四頭筋を!」
「店の中だ、ズボンは脱ぐな!」
店内は爆笑に包まれた。
かつて私を婚約破棄し、店を潰そうとした男。
それが今や、私の店の「信者(マッスル・フォロワー)」として帰ってきたのだ。
「ウィルヘルミナ!」
王子は改めて私に向き直った。
「私はもう、君に復縁を迫ったりはしない。……君の隣に立つには、私の筋肉量はあまりにも足りないことを悟ったからだ」
「賢明なご判断です」
「だが! いつか必ず、レオナルド団長を超える『ナイスバルク』を手に入れて、君を振り向かせてみせる! それまで、この店に通うことを許可してくれ!」
「……お客様としてなら、歓迎します」
「やったァァァッ! では早速、『マッスル・プレート』大盛りだ! タンパク質をくれェェェ!」
王子はカウンターに滑り込み、リリィ様の隣に座った。
「リリィ、そのハンバーガーの肉、一口くれないか? 今の僕には栄養が必要なんだ」
「ダメです! 自分のを頼んでください! ……でも、ポテトなら一本あげます」
「おお、天使か! 君はやはり僕の女神だ!」
二人はなんだかんだで仲良くやっているようだ。
(やれやれ……)
私はため息をつきつつ、王子のオーダーを厨房に通した。
「オーダー! 『出戻り王子のマッスル・プレート』一丁!」
「あいよッ!」
ガロンさんの威勢のいい声が響く。
こうして、『マッスル・パラダイス』は、国王公認、そして「筋肉馬鹿になった王子」公認の店となった。
かつての敵たちが、次々と筋肉の軍門に下っていく。
私の野望――「筋肉に囲まれた楽園作り」は、ほぼ達成されたと言っていいだろう。
「……ミーナ」
忙しく立ち回る私の袖を、誰かが引っ張った。
振り返ると、レオナルド様が少し拗ねたような顔で立っていた。
「……なんだか、セドリックのやつ、楽しそうだな」
「あら、嫉妬ですか?」
「……少しな」
レオナルド様は私の耳元で囁いた。
「あいつの筋肉より、俺の筋肉の方が……好きだろう?」
「ッ……!」
不意打ちだ。
この天然タラシめ。
私は真っ赤になりながら、彼の太い腕をこっそりつねった。
「愚問です。……貴方の筋肉は、殿下とは『格(レベル)』が違いますわ」
「ならいい」
レオナルド様は満足そうに笑い、私の頭をポンポンと撫でた。
平和だ。
最高に騒がしくて、最高に筋肉質な平和。
しかし、物語にはまだ「結び」が必要だ。
私とレオナルド様。
そして、この店の未来。
そろそろ、最後の仕上げ(プロポーズ)の予感がしていた。
ある晴れた日の午後。
店の入り口に、一人の初老の紳士が立っていた。
仕立ての良い服に、上品な髭。
変装のつもりなのだろうが、隠しきれない高貴なオーラ(と背後の護衛の気配)がダダ漏れである。
「いらっしゃいませー! 空いている席へどうぞー!」
私は元気よく声をかけた。
紳士は興味津々といった様子で店内を見回す。
ガロンさんが上腕二頭筋を強調しながら水を注ぎ、窓際ではリリィ様が5段重ねのハンバーガーを解体せずに齧り付いている。
そして奥のVIP席では、騎士団長レオナルド様がパフェを愛でている。
「……なるほど。ここは王国の縮図(カオス)だな」
紳士は愉快そうに髭を撫で、カウンター席に座った。
「店主、おすすめを頼む」
「かしこまりました。本日は『王様のブランチ・ステーキ』がおすすめです」
「王様……か。ふむ、ではそれを」
紳士――国王陛下(変装中)は、ニヤリと笑った。
◇
数十分後。
陛下はステーキを完食し、満足げにナプキンで口を拭った。
「うまい。……王宮の料理は見た目は美しいが、冷めていることが多い。熱々の肉がこれほど力になるとはな」
「ありがとうございます。料理も筋肉も、鮮度が命ですから」
「気に入った! ウィルヘルミナよ、約束通りこの店を『王室御用達』に認定しよう!」
陛下は高らかに宣言した。
「えっ、本当に?」
店内がどよめいた。
「うむ。余の健康管理のためにも、これからは王宮にもデリバリーを頼むぞ。……特に、あの紫色のドリンク(脳みそシャキッとスムージー)は、文官たちにも飲ませたい」
「承知いたしました。大量生産ラインを確保します」
私はガッツポーズをした。
やった。
ついに王室のお墨付きを得た。
これで店のブランド力は盤石。向かうところ敵なしだ。
「……だが、陛下」
パフェを食べ終えたレオナルド様が、スプーンを咥えたまま近づいてきた。
「そろそろ『彼』が到着する頃では?」
「おお、そうであった」
陛下の表情が、悪戯っ子のように輝く。
「ウィルヘルミナよ。実は今日、もう一人客を呼んでおる」
「もう一人?」
「うむ。騎士団での『再教育』を終え、生まれ変わった男だ。……見てやってくれ」
その時だった。
バンッ!!!
店の扉が、勢いよく開け放たれた。
「フハハハハハハッ!!!」
高らかな笑い声と共に、逆光の中に一人の男が立っていた。
「……誰?」
私は目を細めた。
金髪。
そこそこのイケメン。
しかし、以前のひょろりとした貧相な体型とは、明らかにシルエットが違った。
ピチピチの白シャツ越しに分かる、うっすらと割れた腹筋。
少しだけ太くなった二の腕。
そして何より、立ち方が「あざといポージング(S字立ち)」になっている。
「久しいな、ウィルヘルミナ! そして我が愛しのリリィよ!」
男はバッとマント(なぜか着ている)を翻し、店内に踏み込んだ。
「セ、セドリック殿下!?」
リリィ様がハンバーガーを喉に詰まらせそうになった。
そう。
そこにいたのは、地獄の新人寮生活から生還した、元婚約者セドリック王子だった。
「ふふふ……驚いたか? 私のこの、進化したボディに!」
王子は私の目の前まで来ると、いきなりシャツのボタンを全開にした。
バッ!
「見よ! この腹直筋の陰影を! まだシックスパックとはいかないが、フォーパックくらいにはなっているだろう!」
「……はぁ」
私はまじまじと観察した。
確かに、以前の洗濯板のような胸板に比べれば、少しは肉がついている。
うっすらとだが、筋肉のラインが見える。
「いかがだウィルヘルミナ! これなら貴様の眼鏡に叶うだろう!」
王子はドヤ顔でバイセップス(力こぶ)のポーズをとった。
「……殿下」
私は冷静にコメントした。
「全体的にまだ細いですが、カット(切れ)は悪くありません。特に、広背筋下部の発達が見られますね。……相当、泥這いずりをさせられましたね?」
「ッ!?」
王子はビクリとした。
「な、なぜ分かる! あの地獄の『泥沼匍匐前進・完全版』を、私が泣きながら完走したことを!」
「筋肉は履歴書ですから」
「くっ……! やはり貴様には敵わん!」
王子は悔しそうに、しかしどこか嬉しそうに笑った。
以前のような、陰湿な粘着質さは消えている。
代わりに、妙な「暑苦しさ」が加わっていた。
「リリィ! 君はどうだ! 僕のこの上腕三頭筋、君のマシュマロのような頬に似合うと思わないか!」
王子はリリィ様に詰め寄った。
「え、えっと……」
リリィ様は困惑しつつ、ガロンさんの丸太のような腕と、王子の腕を見比べた。
「……アスパラガスと、ごぼうの違いくらいには成長しましたね」
「ご、ごぼう!?」
王子はショックを受けたようだが、すぐに立ち直った。
「フッ……いいだろう! 今はまだごぼうでも、いずれは大根、いや丸太になってみせる! レオナルド団長の『鬼のしごき』に耐えた私に、不可能はないッ!」
王子は無駄にキラキラした瞳で、レオナルド様を見た。
「団長! いや師匠! 本日のプロテインは何味ですかッ!?」
「……ココア味だ」
レオナルド様は呆れつつも、満足げに頷いた。
「悪くない仕上がりだ、セドリック。……以前のような腐った根性は、筋肉と共に燃焼されたようだな」
「はいッ! 今の私は、国政よりもベンチプレスを愛しています!」
「それはそれで困るのだが……」
陛下が頭を抱えた。
「まあよい。以前のようにポエムを詠み散らかして周囲を不快にさせるよりは、筋肉を語っている方がまだマシであろう」
「父上! 見てください、私の大腿四頭筋を!」
「店の中だ、ズボンは脱ぐな!」
店内は爆笑に包まれた。
かつて私を婚約破棄し、店を潰そうとした男。
それが今や、私の店の「信者(マッスル・フォロワー)」として帰ってきたのだ。
「ウィルヘルミナ!」
王子は改めて私に向き直った。
「私はもう、君に復縁を迫ったりはしない。……君の隣に立つには、私の筋肉量はあまりにも足りないことを悟ったからだ」
「賢明なご判断です」
「だが! いつか必ず、レオナルド団長を超える『ナイスバルク』を手に入れて、君を振り向かせてみせる! それまで、この店に通うことを許可してくれ!」
「……お客様としてなら、歓迎します」
「やったァァァッ! では早速、『マッスル・プレート』大盛りだ! タンパク質をくれェェェ!」
王子はカウンターに滑り込み、リリィ様の隣に座った。
「リリィ、そのハンバーガーの肉、一口くれないか? 今の僕には栄養が必要なんだ」
「ダメです! 自分のを頼んでください! ……でも、ポテトなら一本あげます」
「おお、天使か! 君はやはり僕の女神だ!」
二人はなんだかんだで仲良くやっているようだ。
(やれやれ……)
私はため息をつきつつ、王子のオーダーを厨房に通した。
「オーダー! 『出戻り王子のマッスル・プレート』一丁!」
「あいよッ!」
ガロンさんの威勢のいい声が響く。
こうして、『マッスル・パラダイス』は、国王公認、そして「筋肉馬鹿になった王子」公認の店となった。
かつての敵たちが、次々と筋肉の軍門に下っていく。
私の野望――「筋肉に囲まれた楽園作り」は、ほぼ達成されたと言っていいだろう。
「……ミーナ」
忙しく立ち回る私の袖を、誰かが引っ張った。
振り返ると、レオナルド様が少し拗ねたような顔で立っていた。
「……なんだか、セドリックのやつ、楽しそうだな」
「あら、嫉妬ですか?」
「……少しな」
レオナルド様は私の耳元で囁いた。
「あいつの筋肉より、俺の筋肉の方が……好きだろう?」
「ッ……!」
不意打ちだ。
この天然タラシめ。
私は真っ赤になりながら、彼の太い腕をこっそりつねった。
「愚問です。……貴方の筋肉は、殿下とは『格(レベル)』が違いますわ」
「ならいい」
レオナルド様は満足そうに笑い、私の頭をポンポンと撫でた。
平和だ。
最高に騒がしくて、最高に筋肉質な平和。
しかし、物語にはまだ「結び」が必要だ。
私とレオナルド様。
そして、この店の未来。
そろそろ、最後の仕上げ(プロポーズ)の予感がしていた。
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