探偵尾賀叉反『騒乱の街』

安田 景壹

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『騒乱の街』10

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   建物を抜け出すと冷たい夜気が頬に吹きつけた。叉反は走った。建物はいつ崩壊するかわからない。心が麻痺したのか、それ以上の事が考えられない。
 建物がかなり遠くなった時、突然、何かが豪快に砕けるような凄まじい音がした。振り返れば、倉庫の管理会社だったビルがまさに崩れ落ちたところだった。さっきまで撃ち合いをしていた場所は、一瞬で瓦礫の山になった。銃撃によって死体となった者達も、もしかしたらまだ生きていたかもしれない者達も、瓦礫の下敷きになっていた。
 いや、生きていたかもしれないなどと、言う資格はない。自分は撃った。生死を確かめず置き去りにした。建物はいつ崩れてもおかしくなかった。立ち上がれなくなるほどの銃撃を受けて、助かる道理はない。
「ひとまず、生き延びたな」


 〝亡霊〟がぽつりと言った。銃を出せ、と言うので空弾倉と一緒にP9Rを渡した。ハイ・パワー・マーク3は、銃撃戦の最中に捨てた。マーク3の元の持ち主が瓦礫の中であろうと、そもそも〝亡霊〟が彼を撃ち殺していようとどうでもいい事だ。それ以上は考えないようにした。ポケットの中をまさぐるとフィリップ・モリスがライターと一緒に入っていた。以前このスーツを使った時に買った物だ。機械的に一本を取り出して銜え、火をつけた。〝亡霊〟があれこれ指示を飛ばしているのを背に、少しその輪から離れて海のほうへ行った。
 暗い海は少し荒れているようだった。風は冷たく、周りには波の他何も見えない。破隠達が乗った船も、見当たらない。銜え煙草のまま、叉反は紫煙を吐き出す。灰が、ぼろぼろと風に巻かれていく。
 短くなった煙草を、携帯灰皿に押し付ける。音が鳴るまでしっかりと蓋をして灰皿を仕舞う。
 海は、相変わらず荒れている。激しい波音。飛び散る飛沫。磯の匂い。


 内情がどんなに変化しても、この国らしい景色に変わりはなかった。叉反は海辺育ちではないが、それでもこうして見る港の風景はこの国だけの物だ。どんなに無骨で、造りとしては他国と大差なかったとしても、この風景は固有の物だ。
 だが、あの内乱以来、この国には銃が出回るようになった。海外との闇ルートがいくつも造られ、今もまだ断たれてはいない。非合法ではあるが、相応の金さえ払えば民間人でさえ容易く銃を握れる国になった。場合によっては、ヤクザよりも一般人のほうが、より精度の良い銃を持っている可能性だってあるのだ。
 そうなってからは、国の銃に対する捉え方も変わった。専門家を何人も招き、銃に対する法律を変え、抵抗力を作った。長期間に渡って訓練を受けた者、国家が管理する組織に所属する者、条件付きだが、かつて所属していた者など、審査をくぐり抜け資格を手に入れた者は銃を公的に持つ事が可能になった。
 叉反の師も、資格を持つ一人だった。怜悧で、正確で、そして容赦がなかった。殺意を持って自分の前に立つ人間は迷う事なく撃った。そういう人だった。


 ――銃で人を殺さない方法は一つしかない。撃たない事だ。そして、もし撃つ事が避けられないのであれば、可能な限り急所を外す事だ。正中線を避け、内臓を避け、肩や足を狙って行動を封じる――
 理想論、いや質の悪い妄想だ。そう言われても仕方がない。だが、師匠はその腕を上げろ、と言った。銃を持ちながら人を殺したくないのならば、そうするしかない、と。
 結局、俺は人を殺した。間接的だったか直接的だったか、今となってはもうわからない。確かめる事を怖がったからだ。だが、どうであれ死の一因を作った。その事実からは、決して逃げられない。
 煙草を取り出した。銜えて火を着けようとした。風のせいで、ライターの火はなかなか着かない。何度か擦って、ようやく煙草に赤い火が灯る。
 後方で足音がした。誰が来たのか、見当はついた。
「一本くれないか」


 〝亡霊〟だった。暗がりだが、顔はわかった。フィリップ・モリスを引き出すと、自前のオイルライターで火を着けた。
 二人で黙って煙草を吸った。フィリップ・モリスの甘い匂いが漂っていた。
「人が死ぬところを見たのは初めてか」
 しばらくして、〝亡霊〟が言った。紫煙が風に流されて消える。
「……いいや」
 叉反は答えた。
「人を殺したのが、初めてだ」
 返答はなかった。〝亡霊〟は頷きもしなかった。煙草の灰を叩いて落とした。
「この先、お前はナユタまで深田を送り届けなくちゃならない。一人でだ」
 構わない。別に驚きはない。彼らがいつまでも手を貸してくれるはずがないからだ。
「ついさっき連絡があった。昼間捕えられたゴクマの一人、あれが病院から脱走したそうだ」
「……レインコートのフュージョナー?」
「そうだ。名前は嵐場らんば道影みちかげ。まあ、これはリングネームだがな。元、裏格闘技界のチャンプだよ。回帰症がひどくなって引退、行方を眩ませたあとはゴクマの用心棒として雇われていたらしい。具体的にどういう活動に関わったのかは不明だが」
「どこからの情報だ」
「俺はこれでも友人が多い」
 あくまで情報源を話すつもりはないようだ。


「情報通りなら、嵐場はかなり忠誠心が強いようだ。回帰症で錯乱しているとはいえ、おそらく与えられた命令を果たしにやってくる。計画書を奪いにな」
「こちらの場所は知りようがないはずだ」
「勿論だ。だがゴクマの目はどこで光っているかわからない。昆虫野郎は諦めたような口ぶりだったが、信用は出来ない。お前には最後まで深田を守り切る力が必要になる」
 煙草を捨て〝亡霊〟が手に持っていた物を掲げて見せた。FEGモデルP9R。
「薬室も含めて、弾は入っている。弾倉も三つ用意した」
「襲撃者は、殺せと?」
「必要とあらばそうするしかない。お前も深田も、生き延びなくちゃならない」
「他人の命を犠牲にしてもか」
「そうだ。お前だってわかっているだろう、この国が未だに戦場だって事は」
 戦場。確かにそうかもしれない。誰もが銃を隠し持ち、己の主義や使命や、自衛のために引き金を引く時代だ。内乱が終わっても、新たな街が出来ても、変わってしまったものはそう簡単には戻らない。


 業。
 ふとそんな言葉を思い出した。武器を持つ者が常に覚悟しなければならない、自らが背負い得る十字架。
 ついに、背負ってしまった。
 紫煙を吐き出し、灰皿に煙草を入れて蓋をする。いずれ火は消える。
「俺は探偵だ」
 ようやく、叉反は言った。体は重く、鉛が伸し掛かるかのようだ。
 だが意志を決める事は出来る。
「依頼を受けた以上は、生き延びる。依頼を果たすために」
 P9Rを〝亡霊〟の手から取る。差し出された弾倉三つをマガジンポーチに仕舞う。
 暗闇で波が弾けている。
「行こうか」
 〝亡霊〟が言った。
「最後の一仕事だ」


 だいぶ夜も更けただろうが、今の時刻を確認していなかった。だが、別に気にする事でもない。ここから向かう先は決まっている。
 〝亡霊〟に教えられた道を、叉反は歩いて進んだ。一人だった。他の者は皆それぞれ散開していた。〝亡霊〟も姿を消した。自分の役割は終わったと言って。
 ――深田を頼む。
 最後に奴が言った言葉がそれだ。死者のレッテルを貼られた男からの依頼だった。
 暗い林の中を叉反は進む。港からはだいぶ離れたはずだ。もうすぐ指定された地点に着く。
 辺りは虫の声がするばかりだ。一応足音を立てないように慎重に歩いているが、人の気配はない。
 と、遠方に黒い箱型の影が見えた。セダンタイプ。人の姿も見える。
「探偵。こっちだ」


 声が聞こえた。確か、三班にいた者だ。叉反は影に近付いた。
 月明かりで、ようやく顔が見える。
「深田さんは?」
「ここだ」
 答えたのは三班の男ではなかった。
 後部座席の窓が開いた。深田慎二が、顔を覗かせていた。
「意識が戻ったんですか」
「まだ立とうとするとふらつくよ。でも、この人らに貰った薬が効いて、さっきよりかなり良くなった」
「薬?」
 叉反の問いに、三班の男が何かを取り出した。針のない注射器、のような物。
「これだ。フュージョナーの体細胞を活性化させる薬品だ。安全テストも行われていて、海外の特殊部隊などで使用されている」


「そんな物を何故お前達が?」
「その問いは無駄だ。答えられない」
 腕を出せ、と三班の男が言った。
「お前にも打っておく必要がある」
「嫌だと言ったら?」
「打たない。だが、今の状態で無事ナユタまでたどり着けるか、自分の胸に聞いてみるといい」
 こちらのコンディションの問題だと、三班の男は言っていた。
気力は満ちている。体が悲鳴を上げても、最悪精神力で何とか乗り切れるかもしれない。だが、根拠に欠けるのも確かだ。体は、確実に消耗している。
「副作用はないんだろうな?」
 特殊部隊で使用している、という言葉を信じる。それに、彼らが裏切るのなら、もっと早くにやっているだろう。


「ない。薬品は注射から二十四時間後、排泄物と共に体外に出る。後遺症もない」
 叉反は頷いた。袖をまくって、腕を出した。
 ペンライトで腕が照らされる。血管に注射器が宛がわれ、小さな音を立てて薬液が体内に入る。異物感はあったが、痛みはない。
「これでいい。短時間でお前の体は回復する。ほぼ万全のコンディションを取り戻せるだろう」
 言って、三班の男は注射器を仕舞った。
「この先を道なりに行けば道路に出る。標識に従ってナユタまで戻れ。夜明けには着くはずだ」



 しばらく一般道を走った後、高速に乗る。薬が効いてきたようで、体が軽く、頭がすっきりと澄み切っている。この分なら、不測の事態にも対応出来そうだ。
 深夜のせいか、高速にそれほど車両は多くない。ある程度のところまで行ったら、また一般道に降りる。そこからは、そのままナユタを目指す。
 深田は後部座席で横になっていた。薬は効いているのだろうが、それまで受けた執拗な責め苦の痛手は、そうそう取れるものではない。休む時間が必要だった。
 横になってはいるが、深田は眠っているわけではないらしい。ルームミラーに姿が映っている。黙ったまま、ずっと天井を見つめている。
「眠ったほうがいい」
 前方を見ながら叉反は言った。深田はややあって答えた。


「眠れねえんだ」
 ぽつりと、そう言った。水面に小石を投げたような、小さな声だった。
「何だか、色々とろくでもない目に合せちまったな。こんな恰好だが、本当にすまねえと思っている」
 天井を見つめたまま、深田は言った。
「いえ。俺のほうは仕事ですから」
「いや、あんた達が助けに来てくれなきゃ、俺は今頃この世にはいなかった。礼は、必ずきちんとした形でさせてもらう」
 深田の声は強い意志に満ちていた。
 何も言えず、叉反はただ頷いた。深田の家族、妻の美恵子と娘の凜は未だ行方不明だ。警察は捜査を進めているはずだが、その後の進展状況はわかっていない。
 二人が行方不明である事は、深田には伝えていなかった。伝えて、どうなるものでもない。余計な負担をかけるだけだ。


「……思い出すよ」
 不意に、深田が言った。依頼人の事を考えていて、一瞬叉反は反応が遅れた。
「何をです」
「昔、俺がまだ刀山会にいた頃、こんな感じに怪我をして西島さんに連れて帰ってもらった事がある」
 深田はその時の事を話した。とある組織との抗争で、鉄砲玉だった深田とその兄貴分の西島が駆り出された。相手方の事務所に乗り込んだ二人は大暴れした末、ぼろぼろになりながらも事務所を脱出、相手の車を奪って東京まで帰った。
「俺ぁドスで足刺されちまって。西島さん、手当てなんか出来ねえから適当に包帯ぐるぐる巻きにして。痛え痛えって叫んでたら怒鳴り付けられた。『うるせえ! てめえだけが痛えんじゃねえ!』って」
 くっくと、深田は笑った。


「その後も、『大体なんで俺が運転してるんだ』、『普通は下っ端が運転するだろうが』ってぶつぶつぼやいてた。足怪我してるから無理ですって言ったら、『てめえトカゲだろう。ちょん切ったらまた生えてくるだろうが』ってさ。ひでえよなあ。普通フュージョナーに言わねえよなあ、そんな事」
 言いながら、深田はどこか楽しそうだった。
 いや、事実楽しかったのだろう。決して褒められたものではないにせよ、兄貴分との冒険が。
「ヤクザだったけどな、俺にとっちゃ悪い人じゃなかった。ガキの俺に礼儀を教えてくれた。ああいう人だから、到底カタギにゃなれなかっただろうけど、それでも屑みたいな真似だけはしない人だった」
 そこで深田は沈黙した。
 胸の内をどう言い表すべきか、言葉を探しているようだった。
「探偵さん。西島さんがヤクの商売に手を出した理由は知っているのか?」
「……調査の際に得た情報では、西島は自らの地位向上を強く望んでいたそうです。このまま有礼の派閥に追いやられるのを待つなら、ゴクマと組んで関東一帯を平定しよう、と」
「……博打か。あの人らしい」


 深田が息を吐いた。
「でもクスリはいけねえ。他の組と戦争なんざ、タチが悪い。そうまでして手を汚して、
何になる? あの人にとって上に行くってのは、そういう意味だったのか?」
「そうする事が、生き甲斐だったのかもしれません。おそらく、俺より深田さんのほうがわかるはずです」
 ついさっき、叉反は生きるために人を撃った。
 西島は、きっと違う。ほんの数分しか顔を合わさなかったあの男は、きっと生きるためではなく、生きた上で行う何かのために殺そうとしていたのだ。自分の目的を阻む者達を。だからきっと、生きるために誰かを殺すという事では迷わない。考えるまでもなく、殺すだろう。
「――いい兄貴だった」
 ぽつりと、深田が言った。
「でも碌な人間じゃなかった。骨の髄までヤクザだったんだ」
 それっきり、深田は黙り込んだ。
 車は夜更けの高速道路を進んでいく。
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