【R18】悪役令嬢フェリーチェの、××回めの転生日記 ~一度きりの関係のはずのサブキャラが、フラグをもってやってくる!~

藤原いつか

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第2章 眠れない騎士アランの憂鬱

10.はじめての人_②

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 “体”が慣れていればあとは勢いでどうにかなるものだと思っていたのに。

 おかしい。“フェリーチェ嬢”は“攻略キャラ”を色仕掛けで寝取って“ヒロイン”との進展を邪魔する、ビッチな悪役令嬢という“設定”ではなかったのか。

 ぜったい、断じて、処女なんかじゃないと、思っていた。
 話が違う。だけどそもそもその記憶すら曖昧なのだ。

「どうする……? 止める? 本当に初めてなら、オレじゃない方が良いと思うよ」

 こんな中途半端な状態で、さっきは止めれないと言っていて、だけどアランの見せる気遣いは優しい。
 逆にここで逃げてもいずれどこかでぶち当たる問題だ。イベントにこの“行為えっち”は必須なのだから。
 アランは自分ではない方が良いとは言っていたけれど、フェリーチェにはそうは思えなかった。

「や、止めなくていい、ですから……っ」
「いやー、嫌がってる子を犯すシュミは、さすがのオレも無いっていうか」
「もう、そういうプレイだと思っていい……! やめてって言っても、止めないで……!」
「え~~……って言われても……まだ指だけでこれだよ? 本当にいける? 最後まで」

 心身ともに処女でも“最後”がどこまでなのかは分かる。
 知識だけはあるのだ。“前世”から引き継いだ知識が。前世も立派な処女だったけど。

「いける! っていうか、いくまで絶対帰らないし、離さないから……!!」

 我ながら浪漫もムードも欠片もない引き留めの言葉。
 とても最中のベッドでの会話とは思えない。一時中断しているけれども。

 恋人でも友人でも知り合いですらもない、ベッドここに来るまでほぼ他人だった自分たち。
 誘ったのは自分から。なのにこの有様。
 恥ずかしくて死にたくなる。死なない為にここに来たのに。

 無謀な脅迫に間を置いた後、自分を見下ろしていたアランが堪らず噴き出した熱い息が、フェリーチェの前髪を揺らした。
 もうここで笑っちゃったら終わりな気がする。こう見えてこっちは真剣なのに。

「ほんと、おかしな子だね」

 心底おもしろそうに、おかしそうに覗き込むのは、僅かに翳る赤い瞳。思っていたよりもすぐ近くにその顔があった。
 触れていた肌は、そういえば離れていない。ずっと繋いでいてくれている。

「そんな熱烈なアプローチ、オレはじめて」


 ――一番最初に彼を選んだのは、彼が“遊び人チャラ男”という設定だったからだ。
 それだけではないけれど、誘ったらきっとカンタンに乗ってくれると思った。一番成功確率の高い相手だと。
 その予想は間違ってはいなかったのだけれど――


「じゃあ、始めからやりなおしね。とびきり優しく、シてあげる。最後までちゃんとつれてってあげるよ」


 たぶん、彼で、良かった。

 何度目かのキスは変わらず優しくて、そうしていつの間にかそれを受け容れることに、まるで抵抗のない自分が居た。


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