[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第4話:領主の依頼!

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市場の事件から数日後。
俺とミュリは、ゴルツの店で
ひと休みしていた。

「レオン、お茶どうぞ」

「お、ありがとうな」

ミュリが湯気の立つカップを
差し出してくれる。
ハーブの香りがふわりと
広がり、俺のオーガニック魂
が歓喜する。

「はぁ~、
やっぱりハーブティーは
最高だな」

「お兄ちゃん、
ほんとに好きだねぇ」

「ああ、ハーブは奥深いぞ。
消化を助けるもの、
リラックス効果があるもの、
あと……」

「ん?」

「……魔除けの効果が
あるものもな」

「えっ、そんなのあるの?」

「もちろんだ。昔の世界でも、
ハーブは厄除けに使われて
たんだぜ」

この話が、まさかこの後の
出来事の伏線になるとは……。

その時だった。

「失礼する!」

店の扉がバンッと開かれ、
威厳ある声が響く。

突然の来訪者、そして調査依頼

店に入ってきたのは、
立派な装束を身にまとった
中年の男性。背後には二人の
護衛らしき男が控えている。

「おおっ、これは領主様! 
ようこそおいでください
ました!」

ゴルツが慌てて飛び上がり、
恭しく頭を下げる。

領主!?

俺はミュリと顔を見合わせた。
まさか、こんな高貴な人が
わざわざ市場のスパイス商人の
店に来るなんて。

「貴殿がレオン殿だな?」

「は、はい!」

領主はじっと俺を見つめ、
真剣な声で言った。

「実は町の市場で、
奇怪な現象が相次いで
いるのだ」

「奇怪な現象……?」

「そうだ。突然に野菜が腐る、
家畜が消える。
これが続いておる」

「えぇ……それはまた、
えらくオカルトじみた話
ですね」

「市場の者たちも不安がって
おる。このままでは商売も
ままならぬ。そこで、貴殿に
調査を依頼したい」

「俺に!?」

驚いてミュリの方を見ると、
彼女も「にゃ?」と目を
丸くしていた。

「貴殿は先日の市場の事件で
見事な働きを見せたそうだ。
私は貴殿が只者ではないと
聞いている」

いや、俺はただの
元サラリーマンなんだが……。

「すでに調査を進めておるが、
魔法によるものかどうかも
不明だ。そなたの視点で、
何かわかることがあればと
思ってな」

「なるほど……」

つまり、領主は
「専門家の意見」じゃなく
「異世界転生者の発想」に
期待してるってことか。

「わかった。やれるだけ
やってみます」

「恩に着る!」

市場の調査開始!

翌日、俺とミュリは市場に
向かった。

「突然野菜が腐るって、
どういうことなんだろ?」

「俺も気になってる。
腐敗は普通、細菌やカビが
原因だけど……急にってのが
引っかかるな」

俺は腐った野菜のサンプルを
見せてもらった。

「うわっ……」

完全にドロドロに溶けてる。
まるで数週間放置したかの
ような状態だ。

「こんなに早く腐るなんて……
何かおかしいよね」

「ああ、普通の自然現象じゃ
説明がつかない」

すると、八百屋の主人が
ぼそっと言った。

「最近、見慣れない商人が
出入りしてたんだがな……」

「見慣れない商人?」

「ああ、黒いローブを着て、
顔を隠してた。そいつが
立ち去った後に野菜が
腐り出したんだ」

怪しいにもほどがある。

「その男、今も市場に出入り
してます?」

「いや、ここ数日は
見かけねぇな……」

「ふむ……」

俺は考え込んだ。
魔法の可能性もあるが、
もしかしたら別の原因が
あるかもしれない。

家畜消失の謎

次に、家畜が消えるという
場所へ向かった。

「ここだよ、お兄ちゃん」

ミュリが指さしたのは
市場の外れにある
小さな畜舎。

「夜になると、柵を閉めてる
のに、朝にはいなくなって
るんです!」

鶏小屋の主人が頭を抱えて
いた。

「鍵を壊した形跡は?」

「ないんです! 
まるで消えたみたいに……」

「……なるほど」

俺は鶏小屋をじっくり見た。
そして、ふと柵の隅に何かの
毛が落ちているのに気づく。

「ミュリ、これ……」

「んー? 何の毛だろ?」

「獣人の毛……か?」

「違うよ。これ、
たぶん……
ハムスターの毛じゃない?」

「ハムスター……?」

俺はピンときた。

「ミュリ、
ジャンプできるか?」

「できるよ!」

「よし、屋根の上から
この畜舎の裏を見てくれ」

ミュリがぴょん! 
と飛び上がり、しばらくして
から叫んだ。

「お兄ちゃん! こっちに
大きな穴があるよ!」

「やっぱり……」

穴の大きさは、大きめの
ハムスターか、それ以上の
小動物が通れるサイズ。

「たぶん、家畜を襲ってる
のは巨大ハムスターだ!」

「えぇ!? 
そんなのいるの!?」

「この異世界なら、
いてもおかしくない……」

犯人は巨大ハムスター!?

「野菜が腐る件と、
家畜が消える件……
もしかすると、関係してる
かもしれないな」

「どういうこと?」

「例えば……怪しい商人が
市場に毒を撒いたとする。
毒は一見するとただの魔法の
せいに見えるが、本当は……」

「うわっ!? お兄ちゃん! 
なにか来るよ!」

ミュリが警戒し、
耳をピクピクさせる。

「!!」

突然、畜舎の裏から
**ガサガサ……**と音がした。

「こ、これは……!!」

そこに現れたのは──

全長1メートルはあろうか
という巨大なハムスター
だった!!

「おいおい、冗談だろ……?」

「にゃああああ! 
でっかいよ!!」

「こいつが家畜を
襲ってたのか……!」

俺とミュリの市場調査は、
思わぬ戦闘に突入すること
になった。
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