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第5話:巨大ハムスターの襲撃!
しおりを挟む「にゃああああ!
でっかいよ!!」
ミュリの尻尾が逆立ち、
猫耳もピンと立っている。
「お、おいおい……
嘘だろ……?」
俺は目を疑った。
目の前には、
全長1メートルほどの
巨大ハムスターがこちらを
睨みつけている。普通の
ハムスターとは違い、
どこか邪悪な雰囲気を
まとっていた。
「こ、こいつが家畜を
襲ってたのか……」
「どうするの、
お兄ちゃん!?」
「いやいや、こっちが
聞きたいんだが……」
まさか異世界に来てまで
巨大ハムスターと対峙する
ことになるとは。俺はただの
元サラリーマンで、戦闘経験
なんてゼロだぞ!?
「レオン、あれ見て!」
ミュリが指さした先には、
何か黒いモヤが立ち
上っていた。
「……あのハムスター、
何かに憑かれてるん
じゃないか?」
「憑かれてる?」
「普通のハムスターが
こんなデカくなるわけない。
たぶん、怪しい商人が市場に
撒いた何かの影響を受けてる
んじゃないか?」
「……つまり、あの商人が
このをハムスター怪物化させた
可能性があるってこと?」
「かもしれないな……
とにかく、なんとかしないと!」
巨大ハムスターはギラリとした
赤い目を光らせ、ギチギチと
不気味な音を立てながらこちらへ
迫ってきた。
ミュリ、猫族の力を見せろ!
「にゃにゃにゃにゃ!!
もう逃げられないよ、
お兄ちゃん!」
「こっちのセリフだ!」
「しょうがない!
ミュリ、行くよ!」
ミュリはパッと四足に切り替え、
俊敏な動きでハムスターの周りを
ぐるぐると回り始めた。
「おお!? すごいスピード!」
「ふふん! チーター走法だよ!」
「チーター走法!?
おまえ、猫じゃなくて
チーターなのか!?」
「猫族だからいろんな技が
あるの!」
ミュリが超高速で走り回る
ことで、巨大ハムスターは
混乱し始めた。
視線がミュリを追いきれず、
フラフラと揺れ始める。
「よし、動きが鈍くなった!
ミュリ、次の技だ!」
「任せて!」
ミュリは一気に高くジャンプ
した。
「ミュリ、ラ○ダーキック!」
「えぇ!? そ、それって……?」
「昭和の男のロマンを見せて
やるんだよ!!」
ミュリのジャンプ力は
身長の5倍。
その驚異的な跳躍力を活かし、
彼女は巨大ハムスターの
頭上から鋭いキックを
繰り出した。
バゴォォン!!
「ぎゃぎゃっ!?」
ハムスターは宙返りしながら
地面に叩きつけられて転がった。
「うおぉぉ!!
ミュリ、決まったか!?」
「ふっ……決まった……
と思う……」
ミュリがふらつきながら
着地する。
「……けど、まだ動いてるよ!?」
「えぇぇ!? しぶとい!」
巨大ハムスターはヨロヨロ
しながらも立ち上がり、
さらに凶暴な目つきで
こちらを睨んだ。
「まずい……こっちの攻撃じゃ
決定打にならない……」
「どうしよう、お兄ちゃん!」
「……そうだ!
ハーブの力を試してみるか!?」
オーガニックの力、炸裂!
俺は持っていたミントの葉を
取り出した。
「これでどうだ!」
俺はハムスターの目の前で
ミントの葉を潰し、
強烈な香りを放った。
「ギャアアアア!!?」
巨大ハムスターが叫びながら、
後ずさる。
「えっ、効いた!?」
「たぶん、こいつは魔法の
影響を受けてるんだろう。
そのせいで普通の生き物より
もハーブの香りに敏感に
なってるんじゃないか?」
「つまり……
ハーブで弱らせられるって
こと?」
「その通り!」
俺はさらにローズマリーと
タイムを混ぜ、粉状にして
巨大ハムスターに振りかけた。
「くらえ、
オーガニックブレンド攻撃!!」
「オーガニックって叫びながら
戦う人、初めて見たよ……」
ミュリが呆れ顔だったが、
効果は抜群だった。
巨大ハムスターは苦しそうに
のたうち回り、やがて
黒いモヤとともに消えて
いった……。
「……勝った?」
「あ、ああ……勝った、のか?」
俺とミュリは顔を見合わせ、
ゆっくりと安堵の息をついた。
事件の真相と今後の課題
「ふぅ……とんでもない目に
遭ったな……」
「お兄ちゃん、すごいね!
ハーブで戦うなんて!」
「いやぁ、まさかこんな形で
オーガニック知識が役に
立つとは思わなかった……」
俺たちが一息ついていると、
町の人々が集まってきた。
「おおっ、ハムスターが消えた!」
「ありがとう、レオンさん!」
「これで家畜も襲われなくなる
かしら……」
次々と感謝の言葉が飛び交う。
すると、そこへ領主が現れた。
「見事だ、レオン殿!」
「いえ、ミュリのおかげですよ」
「いや、君の発想力がなければ
解決しなかった。報酬は
たっぷり用意しよう」
「おお……
ありがとうございます!」
領主は満足げに頷くが、
すぐに真剣な顔になった。
「しかし、
問題はまだ残っている」
「……まだ、何か?」
「あの怪しい商人の行方だ。
やつが何を狙っているのか、
まだわからん」
「……確かに」
今回の事件、
ただの野生動物の暴走では
なかった。背後には必ず
何者かの意図がある。
「これは、もう少し調査が
必要だな……」
俺はそう呟きながら、
新たな戦いの予感に身を
引き締めた。
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