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第7話:黒フードの正体!
しおりを挟む「ったく、逃げられ
ちまったか……」
俺は肩を落としながら、
市場の外れでため息を
ついた。
黒フードの男は、俺たちに
気づくやいなや、怪しげな
薬品を使って黒い霧を発生させ、
その隙に逃走。姿を見失って
しまった。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
ミュリが心配そうにこちらを
見上げる。尻尾はぺたんと
垂れて、耳もシュンとしている。
「ああ、大丈夫だ。
ただ、逃げられたのが
悔しいだけだ」
「……せっかく手がかりを
見つけたのにね」
「まぁな。でも、黒フードの
やつが『町に混乱が広がれば
儲かる』って言ってたのは
収穫だ」
「うん! じゃあ、
領主さんに報告に行こう!」
「そうだな。証拠はないが、
話をすれば何か動いて
くれるかもしれん」
俺たちは足早に領主の
屋敷へ向かった。
領主との会談!
事態は深刻に……
「うむ、やはりそうか……」
領主の部屋で、俺たちは
これまでの経緯を説明して
いた。
・市場に現れた黒フードの
男が、魔法の触媒や薬品を
密かに取引していること
・巨大ハムスター騒動も、
おそらく彼らが意図的に
引き起こした可能性が高い
こと
・「町に混乱が広がれば
儲かる」と発言していたこと
領主は渋い顔をしながら、
机の上に手を組んだ。
「最近、町で突然野菜が
腐ったり、家畜が消えたり
する奇怪な現象が相次いで
おる。まさか、それも……?」
「可能性は高いですね」
「うむ……」
領主はしばらく考え込んだ後、
執事を呼び、何かを指示した。
「レオン殿、ミュリ殿。
そなたたちには、もう少し
この件を調査してもらいたい」
「調査?」
「うむ。市場でこの黒フードの
男の動向を探るのだ。
正体を暴けば、町の混乱も
収まるはず」
「なるほど……」
「もちろん、正式に依頼として
報酬も用意しよう」
「やります!」
俺が答えるより早く、
ミュリが手を挙げた。
「お、おい……」
「だって、
放っておけないもん!
それに、お兄ちゃんだって
気になってるでしょ?」
「まぁ、確かにな」
オーガニックオタクの
俺としては、野菜が腐るのは
見過ごせないし、何より
町の人たちが困っている。
「よし、やるか!」
「うん!」
こうして、俺たちは再び
市場へ向かった。
市場での再調査!
新たな目撃情報!
市場へ戻ると、
昼間の賑わいが
少し落ち着いていた。
「さて、手がかりを探すか」
「まずは、黒フードの男が
どこで取引していたかを
詳しく聞いた方がいいん
じゃない?」
「そうだな」
俺たちは市場の商人たちに
話を聞いて回ることにした。
「ねえねえ、おじさん!」
ミュリが元気よく果物商の
親父に声をかける。
「ああ、ミュリちゃんか。
どうしたんだい?」
「最近、市場で黒いフードを
かぶった男を見かけ
なかった?」
「黒いフード……?
ああ、確かに変な奴が
市場をうろついていたな」
「本当!?」
「ただな……そいつ、
妙に市場のゴミ捨て場の
周りを気にしてたんだよ」
「ゴミ捨て場?」
「そうさ。時々、何かを
持ち込んでたみたいだが、
何をしてるのかは分からん」
「……それは怪しいな」
「なあ、レオン。
行ってみようよ!」
「そうだな。ありがとう、
おじさん!」
「気をつけなよ」
俺たちは市場の奥にある
ゴミ捨て場へと向かった。
市場のゴミ捨て場で
見つけたもの!
市場の外れ、
ひっそりとしたゴミ捨て場に
到着すると、周囲には
食べ残しや野菜くずが
散乱していた。
「……ここで何をしてたんだ?」
俺は慎重にゴミをかき分け
ながら調べ始めた。
「お兄ちゃん、これ……!」
ミュリが指さしたのは、
小さなガラス瓶だった。
「……これは?」
拾い上げると、中には
黒い粉末が入っていた。
「これ……もしかして毒?」
「いや、毒というより……
これは腐敗促進剤かも
しれない」
「ふ、ふはいそくしんざい?」
「簡単に言うと、野菜や食料を
一気に腐らせる薬品だ」
「そんなもの、何に使うの?」
「おそらく、市場の野菜を
ダメにして食料不足を煽る
つもりなんだろう」
「ひどい……!」
「これが証拠になる。
領主に報告しよう」
俺は瓶を慎重に持ち、
再び領主のもとへ向かった。
領主に証拠を提出!
事態は急展開!
「……腐敗促進剤、とな?」
領主は俺たちの持ち込んだ
瓶をじっと見つめていた。
「この薬品が
市場の食料腐敗の原因だと
考えられます」
「許せん……
町を混乱させるために、
そんな卑劣な手を使うとは」
「これで黒フードの男を
捕まえられますか?」
「いや、まだ決定的ではない。
しかし、この薬品が使われて
いた場所を特定できれば……」
その時だった。
「領主様、大変です!!」
執事が慌てた様子で
駆け込んできた。
「どうした?」
「町の倉庫が
燃えています!!」
「な、なんだと!?」
「黒フードの男の仕業か!?」
「分かりませんが、
すぐに現場へ!」
「レオン、ミュリ、
そなたたちも来てくれ!」
「分かりました!」
俺たちは急いで倉庫へ
向かった。
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