[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第19話:スパイスを求めて大冒険!

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「にゃ~~!! 
ついに冒険の始まりにゃ!!」

朝日が昇る中、ミュリは尻尾を
大きく揺らしながら飛び跳ねて
いた。

「おい、そんなに跳ねると──」

「にゃっ!!」

──転ぶぞ、って言う前に、
案の定すっ転んだ。

「……。」

「い、痛いにゃ……。」

「だから言っただろ……。」

もう慣れた光景だが、
ミュリの天然っぷりには
毎度驚かされる。

「ま、まあいいにゃ! 
今日はスパイスを求めて
冒険の日にゃ! さっそく
出発するにゃ!」

「お前、転んだことを
なかったことにするな。」

ミュリはすぐに立ち上がると、
ピョンピョンと跳ねながら
先を歩いていく。俺は地図を
確認しながら、彼女の後を
追った。



魔物の森、到着!

「ここがスパイスが
採れる森か……。」

目の前に広がるのは、
鬱蒼とした巨大な森。
木々は空を覆うほど
高く生い茂り、昼間なのに
ひんやりとした空気が
漂っている。

「うにゃ~~……
なんかちょっと
怖いにゃ……。」

さっきまで元気だった
ミュリの耳が、
ぺたんと折れた。

「お前、そういう時だけ
急に大人しくなるよな……。」

「こ、怖くなんかないにゃ!」

強がるように尻尾をブンブン
振るが、耳は正直だ。

「よし、慎重に進むぞ。
交易商人が言ってた魔物が
出るらしいしな。」

俺たちは森の奥へと足を
踏み入れた。



遭遇! 魔物の奇襲!?

「にゃっ!! 
何かいるにゃ!!」

ミュリが急にピタッと止まり、
耳をピンと立てた。

「どこだ?」

俺も周囲を警戒する。
すると──

ガサガサ……!

「うにゃああああ!? 
な、なにか来るにゃ!!」

「落ち着け!」

木の茂みから飛び出して
きたのは……

「……鹿?」

一瞬、普通の動物かと
思ったが、その目は真っ赤に
光っている。さらに、
口元からは鋭い牙が……。

「魔物化した鹿か……!」

「にゃ、にゃああああ!?」

「おい、慌てるな!」

俺がそう言うが、ミュリは
すでに尻尾を膨らませ、
完全に戦闘モードに入って
いた。

「にゃああああ!! 
猫パンチにゃ!!」

「おい、待て!!」

バシッ!

……が、相手は微動だに
しない。

「……効いてないにゃ。」

「だから、突っ込む前に考えろと……!」

魔物鹿がこちらに向かって
突進してくる。

「まずい! 避け──」

バシッ!

「にゃっ!?」

……と思ったら、ミュリが
バランスを崩してコケた。

「お前、毎回転ぶな!」

しかし──

転んだミュリの体勢が
偶然にも「猫キック」の形
になり、突進してきた
鹿の顔面に
クリーンヒット!!

「ぎゃぅっ!!?」

魔物鹿はそのまま吹っ飛び、
ピクピクと痙攣して倒れた。

「……え?」

「……にゃ?」

俺とミュリは顔を
見合わせた。

「……倒した?」

「……にゃ!?」

「お前、狙ったのか?」

「う、うにゃ……
たぶん偶然にゃ……。」

「偶然で勝つな!!」

俺は思わず叫んだ。

「でも、勝ったことには
変わりないにゃ!」

「まあ……
確かにそうだけど……。」

さすがにこれは計算外だった。



スパイスの木、発見!

「と、とりあえず進もう……。」

魔物鹿を倒した俺たちは、
さらに森の奥へ進んだ。

「レオン、これじゃないか
にゃ?」

ミュリが指差したのは、
大きな木の根元に生えている
小さな赤い実。

「……これが、スパイスの実か。」

交易商人の説明によると、
この実を乾燥させて粉にすると、
例のスパイスになるらしい。

「すごいにゃ! 
たくさん採るにゃ!」

ミュリが手を伸ばそうとした
瞬間──

ガサガサガサッ!!

「にゃあ!? ま、また何か
いるにゃ!?」

俺たちはすぐに武器を構え、
警戒する。

すると、茂みの奥から
現れたのは──

「……リス?」

可愛らしい小さなリスが、
スパイスの実を頬張っていた。

「にゃ……?」

「……魔物じゃないのか?」

ミュリがそっと近づくと、
リスは彼女の手のひらに
ポンっと実を置いた。

「……くれるのかにゃ?」

リスはピョンピョン跳ねて、
そのまま去っていった。

「なんか、拍子抜けだな……。」

「でも、無事にスパイスを
手に入れたにゃ!」

「そうだな……
よし、これを持って帰るぞ!」

こうして俺たちはスパイスの実
をたくさん収穫し、
森を後にした。



帰還! 交易商人の反応は!?

「おお……本当に持ち帰った
のですか!?」

市場に戻り、交易商人に
スパイスの実を見せると、
彼は驚愕の表情を浮かべた。

「ええ、まあ……
苦労しましたけどね。」

「にゃふふ~。
私たち、すごいにゃ!」

ミュリが得意げに尻尾を
ふりふりする。

「これで、安定して仕入れが
できますね!」

「ぜひ契約を続けて
くださいね。」

「もちろんです!」

こうして、俺たちはスパイスの
取引ルートを確保することに
成功した。

「にゃふ~~! 
スパイス専門店の商売も
安泰にゃ!」

「お前は途中で
コケただけだろ……。」

「でも、そのおかげで
勝ったにゃ!」

「……まあ、
結果オーライか……。」

こうして、俺たちの
スパイス大作戦は幕を
閉じたのだった。
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