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第21話:王宮の陰謀!?
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「にゃふふ~♪
王宮にスパイスを納品する
ことになったにゃ!」
ミュリが尻尾をフリフリ
しながら、ご機嫌でスパイスの
袋を抱えている。猫耳もキラキラ
と輝き、完全に舞い上がって
いる様子だ。
「お前、本当に
嬉しそうだな……。」
「にゃ! だってスパイスが
正式に王宮で使われるん
にゃよ!? すごいことにゃ!」
まあ、確かにそれはすごい
ことだ。異世界転生してから
ここまで来るとは、俺も
思っていなかった。
マーケティングの経験を
活かして商売を軌道に乗せ、
王宮料理長・ガストロにも
認められた。順調すぎる
くらい順調だ。
しかし──。
「……なんか、嫌な予感が
するんだよな。」
「にゃ? どうしたにゃ?」
「こういう時こそ、
足を引っ張ろうとする奴が
出てくるもんだ。」
「にゃふ!? ……
そんな悪い奴、
出てくるにゃ?」
「商売の世界ってのは、
甘くないんだよ。」
そう、俺の前世での経験から
しても、成功した途端に
妬まれるのは世の常だった。
会社でも、ちょっとした成果を
出した途端、上司が手柄を
横取りしようとしたり、
同僚が裏で足を引っ張って
きたりしたもんだ。
「にゃ~……そう言われると、
ちょっと怖いにゃ……。」
「まあ、警戒しておくに
越したことはない。」
そんな会話をしていると、
店の扉が勢いよく開かれた。
「レオン様、大変です!」
飛び込んできたのは、
スパイス商人のゴルツ
だった。
「どうした?」
「王宮で、スパイスの納品に
異議が出ています!」
「……ほらな。」
俺は肩をすくめる。
やっぱり来たか……。
「誰が異議を?」
「貴族派閥の料理長・
バルドール様です!」
「にゃ!? 誰にゃ!?」
「王宮には、ガストロ様の
ような料理長の他に、
貴族派閥の料理人がいる
のです。その筆頭が
バルドール様。彼は昔ながら
の料理を重視し、スパイスを
使う料理に否定的で……。」
「……あー、なるほど。」
つまり、新しい料理が
認められると、既存の料理人
の立場が危うくなるって
わけか。どこの世界でも、
改革を嫌がる保守派は
いるもんだ。
「バルドール様は、
『スパイスは異国のもの。
王宮の料理にはふさわしく
ない』と主張されています。」
「にゃっ!? そんなの
ただの言いがかりにゃ!」
「そうだけど、貴族派閥が
バックにいるなら、無視する
わけにもいかないな……。」
王宮の料理長といっても、
一枚岩ではないってことか。
こういう派閥争いに
巻き込まれるのは、
正直面倒くさい。
「レオン様、
どうされますか?」
ゴルツが心配そうに
俺を見つめる。
「……よし、バルドールと
話をつけに行くか。」
「にゃ! 直接対決にゃ!」
「話し合いだよ、話し合い!」
とはいえ、相手がまともに
話を聞くかは
疑問だけどな……。
⸻
王宮にて、
貴族派閥の料理長バルドール
と対面
王宮の厨房に入ると、
待ち構えていたのは、
ふくよかな体型の中年男。
ヒゲを撫でながら、俺を
見下すようにしている。
「貴様が
噂のスパイス商人か。」
「レオンです。
お初にお目にかかります。」
「ふん、田舎者のくせに
王宮にスパイスを持ち込もう
とは、笑止千万。」
……うわ、
典型的な嫌味キャラだな。
「バルドール様、
スパイスを使った料理は、
すでに王様が気に入られ
ました。」
「王の気まぐれなど、
一時のこと。真に王宮に
ふさわしい料理とは、
伝統に基づくものだ。」
「にゃ!? そんな頭の固いこと
言ってたら、新しい料理なんて
生まれないにゃ!」
「黙れ、猫娘!」
バルドールがミュリを
睨みつける。
「にゃっ……!」
ミュリの尻尾がしゅんと
垂れ下がる。
「おいおい、おっさん、
言い方がきついな。」
「私は正論を述べている
だけだ。」
「じゃあ、こうしよう。
料理で勝負しないか?」
「……なんだと?」
「スパイス料理と伝統料理、
どちらが王宮にふさわ
しいか。料理で決めよう。」
「にゃ! 料理対決にゃ!」
バルドールはしばらく
考え込んだ後、不敵に笑った。
「面白い。受けてやろう。」
こうして、またもや
王宮での料理対決が決まった
のだった──。
王宮にスパイスを納品する
ことになったにゃ!」
ミュリが尻尾をフリフリ
しながら、ご機嫌でスパイスの
袋を抱えている。猫耳もキラキラ
と輝き、完全に舞い上がって
いる様子だ。
「お前、本当に
嬉しそうだな……。」
「にゃ! だってスパイスが
正式に王宮で使われるん
にゃよ!? すごいことにゃ!」
まあ、確かにそれはすごい
ことだ。異世界転生してから
ここまで来るとは、俺も
思っていなかった。
マーケティングの経験を
活かして商売を軌道に乗せ、
王宮料理長・ガストロにも
認められた。順調すぎる
くらい順調だ。
しかし──。
「……なんか、嫌な予感が
するんだよな。」
「にゃ? どうしたにゃ?」
「こういう時こそ、
足を引っ張ろうとする奴が
出てくるもんだ。」
「にゃふ!? ……
そんな悪い奴、
出てくるにゃ?」
「商売の世界ってのは、
甘くないんだよ。」
そう、俺の前世での経験から
しても、成功した途端に
妬まれるのは世の常だった。
会社でも、ちょっとした成果を
出した途端、上司が手柄を
横取りしようとしたり、
同僚が裏で足を引っ張って
きたりしたもんだ。
「にゃ~……そう言われると、
ちょっと怖いにゃ……。」
「まあ、警戒しておくに
越したことはない。」
そんな会話をしていると、
店の扉が勢いよく開かれた。
「レオン様、大変です!」
飛び込んできたのは、
スパイス商人のゴルツ
だった。
「どうした?」
「王宮で、スパイスの納品に
異議が出ています!」
「……ほらな。」
俺は肩をすくめる。
やっぱり来たか……。
「誰が異議を?」
「貴族派閥の料理長・
バルドール様です!」
「にゃ!? 誰にゃ!?」
「王宮には、ガストロ様の
ような料理長の他に、
貴族派閥の料理人がいる
のです。その筆頭が
バルドール様。彼は昔ながら
の料理を重視し、スパイスを
使う料理に否定的で……。」
「……あー、なるほど。」
つまり、新しい料理が
認められると、既存の料理人
の立場が危うくなるって
わけか。どこの世界でも、
改革を嫌がる保守派は
いるもんだ。
「バルドール様は、
『スパイスは異国のもの。
王宮の料理にはふさわしく
ない』と主張されています。」
「にゃっ!? そんなの
ただの言いがかりにゃ!」
「そうだけど、貴族派閥が
バックにいるなら、無視する
わけにもいかないな……。」
王宮の料理長といっても、
一枚岩ではないってことか。
こういう派閥争いに
巻き込まれるのは、
正直面倒くさい。
「レオン様、
どうされますか?」
ゴルツが心配そうに
俺を見つめる。
「……よし、バルドールと
話をつけに行くか。」
「にゃ! 直接対決にゃ!」
「話し合いだよ、話し合い!」
とはいえ、相手がまともに
話を聞くかは
疑問だけどな……。
⸻
王宮にて、
貴族派閥の料理長バルドール
と対面
王宮の厨房に入ると、
待ち構えていたのは、
ふくよかな体型の中年男。
ヒゲを撫でながら、俺を
見下すようにしている。
「貴様が
噂のスパイス商人か。」
「レオンです。
お初にお目にかかります。」
「ふん、田舎者のくせに
王宮にスパイスを持ち込もう
とは、笑止千万。」
……うわ、
典型的な嫌味キャラだな。
「バルドール様、
スパイスを使った料理は、
すでに王様が気に入られ
ました。」
「王の気まぐれなど、
一時のこと。真に王宮に
ふさわしい料理とは、
伝統に基づくものだ。」
「にゃ!? そんな頭の固いこと
言ってたら、新しい料理なんて
生まれないにゃ!」
「黙れ、猫娘!」
バルドールがミュリを
睨みつける。
「にゃっ……!」
ミュリの尻尾がしゅんと
垂れ下がる。
「おいおい、おっさん、
言い方がきついな。」
「私は正論を述べている
だけだ。」
「じゃあ、こうしよう。
料理で勝負しないか?」
「……なんだと?」
「スパイス料理と伝統料理、
どちらが王宮にふさわ
しいか。料理で決めよう。」
「にゃ! 料理対決にゃ!」
バルドールはしばらく
考え込んだ後、不敵に笑った。
「面白い。受けてやろう。」
こうして、またもや
王宮での料理対決が決まった
のだった──。
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