[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

文字の大きさ
27 / 51

第27話:決戦の時! 王都を救え!

しおりを挟む
「にゃ~~! 
早く王宮に戻るにゃ!!」

ミュリが全速力で
走りながら叫ぶ。

「だから、そんなに騒ぐ
なって! 目立つだろ!」

「にゃ!? 
でも、大変にゃ!! 
こんなのほっといたら、
王都のみんなが大変なことに
なるにゃ!」

確かに、俺たちは今とんでも
ない事実を掴んでいる。
バルドールの新商品
『奇跡の万能スパイス』は、
スパイスなんかじゃなくて、
興奮作用のある薬物だった。
あのまま放っておけば、
王都の食文化は壊滅する。

「はぁ、はぁ……! 
もう少しだ、ミュリ!」

「にゃふ~~!! 
もう足が限界にゃ!!」

「いや、お前さっきまで
ピンピンしてたよな!?」

「レオンが無茶させるから
にゃ~~!!」

いやいや、お前の方が先に
「行くにゃ!!」って
突っ走ったんだろうが。

「とにかく、もうすぐ
王宮だから、気を抜くなよ!」

「にゃ~~! うにゃ~~!!」

……なんで走りながら奇声を
上げるんだ、コイツは。



王宮での報告

「レオン、戻ったか!」

王宮に到着すると、国王陛下
と王宮料理長ガストロが
待ち構えていた。

「陛下、大変です!
 これを見てください!」

俺はバルドールの店から
持ち帰った料理を見せる。

「これは……。」

ガストロが慎重に
料理の匂いを嗅ぐ。

「ふむ、確かに妙な甘さが
あるな……。この香り、
普通のスパイスには
ありえない。」

「俺も試しに一口食べて
みましたが、舌が痺れる
ような感覚がありました。
これは、ただのスパイス
じゃありません。」

「……やはりそうか。」

国王陛下が深刻な
表情で頷く。

「バルドールは、
このスパイスを使って、
市場を支配しようとして
いるのですね?」

「そうです。しかも、
このスパイスを食べた
客は皆、異様な興奮状態に
なり、さらに食べたくなる
と言っていました。
明らかに中毒性のある成分
が含まれています。」

「な、なんて恐ろしい……!」

「にゃ~~!! 
絶対に許さないにゃ!!」

ミュリが尻尾を逆立てて
怒りをあらわにする。

「レオンよ、このスパイスの
正体を完全に明らかに
しなければならぬ。
ガストロ、すぐに成分を
分析できるか?」

「承知しました、陛下。」

ガストロが料理を持ち去り、
分析を始める。

「レオン、君の働きで王都が
救われるかもしれない。
しかし、バルドールが
このまま黙っているとは
思えん。」

「……ええ。おそらく、
次の一手を打ってくる
でしょう。」

その時、兵士が駆け込
んできた。

「陛下! 緊急報告です!!」

「何事だ!?」

「バルドールが王都全域で
『奇跡の万能スパイス』を
使った料理の無料配布を
始めました!!」

「なにっ!?」

「にゃ~~!? 
そんなの食べたらみんな
変になっちゃうにゃ!!」

「……やっぱり、
強行策に出たか。」

バルドールはすでに勝負を
仕掛けてきていた。



バルドールの策略を
阻止せよ!

「王都中に料理を配布だと!? 
それを食べたら、
みんな中毒になっちまう……!」

「陛下、すぐに止めるべきです!」

「しかし、証拠がまだ……!」

「にゃにゃ!? こんなの見れば
分かるにゃ!! こんな怪しい
もの、止めるしかないにゃ!!」

ミュリが怒り心頭で飛び跳ねる。

「レオン、君の言う通りだ。
今すぐ阻止しなければ!」

国王陛下がすぐに兵士たちを
動かし、王都へ向かわせる。

「ミュリ、俺たちも行くぞ!」

「にゃ~~!! 
ミュリの猫パンチで全部
ぶっ壊すにゃ!!」

「おい、壊すのは料理だけ
にしろよ!? 店まで壊したら
俺たちが捕まるぞ!!」

「にゃ!? そ、そんなの
分かってるにゃ!」

……いや、今の間は完全に
分かってない奴の反応
だったな。



王都の戦い!

王都に戻ると、すでに
バルドールの店の周りには
長蛇の列ができていた。

「こ、これは……!」

「無料!? すごい! 
なんて太っ腹なんだ!」

「おい、すごく美味しいぞ! 
クセになる!」

「もっとくれ!」

ヤバい……すでに何人かは
食べてしまっている。

「止めるにゃ!! 
その料理は危ないにゃ!!」

ミュリが勢いよく叫ぶ。

「え? なんで?」

「この料理には変な薬が
入ってるんだにゃ!! 
食べたらおかしくなる
にゃ!!」

「う、嘘だろ……?」

その時、王宮の兵士たちが
やってきた。

「国王陛下の命により、
この料理の配布を
中止する!」

「何事だ!?」

バルドールの手下たちが
ざわつく。

「何か問題でも?」

そして、店の奥から悠然と
バルドールが姿を現した。

「ふふ、レオン様。
お久しぶりですね。」

「バルドール……!」

「どうやら、私の事業が
気に入らなかったよう
ですね?」

「ふざけるな! 
お前の料理には危険な薬物が
入ってるんだ!」

「証拠でも?」

「あるさ! 王宮料理長が今、
成分を分析している!」

「……ほう?」

バルドールは余裕の表情を
崩さない。

「ですが、分析結果が出る
頃には、このスパイスは
王都中に広まり、誰もが
手放せなくなっていますよ?」

「にゃ~~!! 
それでもやめるにゃ!!」

ミュリが怒りの猫キックを
繰り出す。

「ぐぬっ……!?」

バルドールの顔が引きつる。

「証拠がなくても、食べた人が
異様な興奮状態になってる
のを見れば分かるにゃ!!」

「貴様……!!」

その時、王宮料理長ガストロが
駆け込んできた。

「陛下! スパイスの分析が
終わりました!」

「……結果は?」

「これは、違法な興奮剤が
混ざった危険な薬物です!」

「やはり……!」

「バルドール、お前の悪行は
ここまでだ!」

「ぐ……っ!」

こうして、バルドールの
計画は阻止され、王都の平和は
守られたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

異世界に無一文投下!?鑑定士ナギの至福拠点作り

花垣 雷
ファンタジー
「何もないなら、創ればいい。等価交換(ルール)は俺が書き換える!」 一文無しで異世界へ放り出された日本人・ナギ。 彼が持つ唯一の武器は、万物を解析し組み替える【鑑定】と【等価交換】のスキルだった。 ナギは行き倒れ寸前で出会った、最強の女騎士エリスと出会う。現代知識とチート能力を駆使して愛する家族と仲間たちのために「至福の居場所」を築き上げる、異世界拠点ファンタジーストーリー!

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

処理中です...