[完結]おっさん、異世界でスローライフはじめます 〜猫耳少女とふしぎな毎日〜

桃源 華

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第38話:獣人の村と新たなスパイス

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獣人の村から、また興味深い話
が舞い込んできた。

「レオンさん、
村で新しいスパイスが
見つかったらしいんです!」

獣人の若者のひとり、
ラガが興奮気味に報告
してきた。

「ほう、新しいスパイス?」

「はい! すごく香りが強くて、
ほんの少し舐めただけで
身体がポカポカするんです!」

「……それ、まさか刺激物って
ことはないよな?」

(万が一、強烈すぎて食べられ
ないものだったら困るぞ。)

「いえ、村のみんなも料理に
使ってみたみたいなんですけど、
すごくおいしくなるって!」

(ふむ、それは興味深いな。)

俺は早速、そのスパイスを
試してみることにした。



未知のスパイス、登場!

「にゃ~! 
これが噂のスパイスにゃ?」

目の前には、見たこともない
赤茶色の粉末が入った袋が
ある。

香りを嗅いでみると、
スモーキーな香りの中に甘さ
とスパイシーさが混ざって
いる。

「なんだか、燻製の香りが
するな。」

「ちょっと舐めてみるにゃ!」

「おいミュリ、
いきなり舐めるな――」

「にゃああああああああ!!?」

「ほら、言わんこっちゃない!」

ミュリは舌を出してバタバタ
ともがいている。

「こ、これは……
ピリピリするにゃ! でも、
後から甘い味が広がるにゃ!」

「なるほど……
刺激の後に甘みか。
面白いな。」

これは料理に活かせるかも
しれない。俺はさっそく
試作に取り掛かることに
した。



スパイスを使った
新料理の誕生

「このスパイス、肉料理に
合いそうだな……。」

俺は羊肉をスパイスに
漬け込み、じっくりと
焼き上げることにした。

「おお……香りがすごいな。」

「にゃふ~♪ 
これは絶対おいしいにゃ!」

焼き上がった肉は、スパイス
の香りがしっかり染み込み、
噛むとピリッとした刺激と
甘みが口の中に広がる。

「これは……!」

自分で作っておきながら、
思わず声が出た。

「にゃ!? レオンが驚くほど
美味しいにゃ!?」

「そういうことだ。
これはうちの新メニューに
できるぞ。」

ミュリも羊肉を頬張り、
幸せそうに尻尾を揺らして
いる。

「にゃふふ~♪ これなら、
お客さんも喜ぶにゃ!」

「問題は、このスパイスを
安定して仕入れられるか
どうかだな……。」

(どんなにおいしくても、
供給が安定しないと
メニューにはできない。)

そう考えていると、
店の入り口で誰かが
俺を呼んだ。

「レオンさん、ちょっと
大変なことになってます!」



商人たちの思惑

話を聞くと、どうやら
このスパイスに目をつけた
商人たちが動き出している
らしい。

「獣人の村のスパイスを
買い占めようとしてる
商人がいるって……。」

「にゃ!? 
それはダメにゃ!」

「俺たちが獣人の村と
直接取引をする前に、
独占されると
まずいな……。」

商人たちは獣人たちが
まだ市場のことをよく
知らないのをいいことに、
不当に安い価格で買い取ろう
としているらしい。

「にゃにゃっ! 
そんなの卑怯にゃ!」

「まあ、商売の世界では
よくあることだが……。」

(しかし、俺はこのスパイス
を適正な価格で取引したい。
獣人たちの利益にならない
取引を許すわけにはいかない。)

「ミュリ、準備するぞ。
俺たちも村へ行く!」

「にゃっ!? 交渉にゃ!? 
それとも戦いにゃ!?」

「交渉だ!」

(いや、戦いにはならない
はずだよな……?)

俺はミュリとともに、
獣人の村へと向かうことを
決意した。



次回予告!

「にゃふふ~♪ 
レオンの交渉術、
見せてもらうにゃ!」

「お前はちゃんと
大人しくしてろよ……?」

こうして、新たなスパイスを
巡る攻防が始まるのだった。
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