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とりあえず、扉をくぐってみた
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「やっときたわね」
僕の目の前にいるのは美少女だった。
古田さんに勧められたから扉をくぐったわけじゃない。
確かに古田さんの話は面白かった。
それに扉の向こうには爺さんの親戚がいるはずだ。それに興味があった。
どうやら、祖父は向こうの世界、アルテールでは英雄だったようだ。
魔王を倒した勇者、まるでどこぞのファンタジー物みたいだ。
勇者が祖父と言われても僕にはぴんとこない。
大体、僕の育った世界は魔王なんて存在しない。いや、魔法すら存在しない。
(実際、別世界に行けるなんて滅多にないからなぁ)
というか、不可能なのだ。
だけど。
目の前の彼女は一体……。
「私はアイリア、アイドリアの王女よ」
いきなり、お姫様と遭遇ときたもんだ。
「ここはアイドリア国の王宮の庭だもの。別に驚くことはないでしょ」
確かにそうだけど。だったら、見知らぬ男が庭を歩いていて驚かないのか。
「あの扉から出てくるのは向こうの世界の人間だ。とフルフラに聞いていたんだもの」
「フルフラ、」
そういえば、古田さんの本名だっけ。
えっ、ということは……。
「君、えっと、古田さんじゃなくてフルフラと知り合いなのか」
というか、なんだか事が都合よく話が進んでいるような気がする。よく考えてみたらここは別世界だった。
しかも、王宮の庭なら当然、兵士とかが警備しているのではないか。
確かにそういうのがファンタジー物のお約束である。
「兵士が来るわけがないでしょう。ここは聖域、王族しか立ち入ることができないの」
いいのか、それでセキュリティ面で問題が残るではないのか。
「大丈夫、結界がはってあるから」
そういや、アルテールは魔法が使えたんだっけ。
「貴方がシンク伯父様の孫なのね。待ちかねたわよ」
アイリアの目はきらきらと輝いている。こんなにフレンドリーに接してくるとなんだか、気味が悪いんだよな。
もともと、僕は引きこもり体質なのだ。
何しろ、母は死んだ後、父親は愛人を家に引っ張り込んだ。
当然、祖母は怒り、僕を引き取りその結果、父との交流は殆どなくなった。
亡くなったというか、向こうが徹底的にこちらを無視した結果だ。実際、祖母が亡くなったと知らせてくれたのは古田さんだったし。
確かに同じ町に住んでいたので生きていることは知っていたけど。
おまけに祖母の遺産目当てに僕にちょっかいをかけてきたのにはあきれた。
勿論、祖母の遺産に固執したのは父の後妻だったのだが。
つまり、僕には祖母しか身内がいないというわけだ。
あと、他人の詮索も嫌だったので人と付き合うのを避けていた。
「ちょっと、なんて顔をしているのよ。私と貴方は親戚の関係でしょ」
「確かに」
頭で分かっていたけど、今まで親戚とかには縁がなかったからなぁ。
この場合、どういう態度を取ればいいんだ。
とにかく、僕は初めて出会った親戚に戸惑いの感情を隠せなかった。
「貴方がイチロウさんね」
「おお、君がシンク兄上の、」
王様と王妃様、揃っていると流石に緊張する。
アイリアに引っ張られてお城に行った僕。
いきなり、彼女の両親と引き合わされた。
というか、いきなり、国のトップに会うなんてありえないだろ。確かに王宮の庭から来たから会えてもおかしくない。
だけど、王というのは国の政治を行っている人だろ。
隣のおじさんに会うという感じで顔を会わせるとは思わなかった。
「だって、今日は休日よ。どんな仕事でも休みを取らないといけないわ。貴方の世界でもそうでしょう」
確かに。
「フルフラが教えてくれたの。貴方の世界では週休二日制という制度があるんでしょ」
父は王だから月に4日くらいしか休みが取れないんだけど。
「フルフラの言葉には間違いがなかったわけだ。いつか、シンク兄上の血筋の者がやってくると」
「貴方がここに来たということは千秋は亡くなったのね」
爺さんだけでなく婆さんのことも知っているんだ。
「貴方はむこうの世界での身内を全て亡くしてしまったのね」
という王妃の目には同情の色があった。
母さん。
僕には母親の記憶が殆どない。元々、体の弱かった母は僕を産み、さらに弱くなった。
寝込むことが多くなり、僕が5歳の時に亡くなった。
なので、母親の顔はアルバムの写真で覚えた。
おかしいな。なのに、王妃の顔が母親にかぶって見えるなんて。
「だから、なんでアイリアがこっちにきているんだ」
向こうとの行き来はできないという話だったはずだ。古田さんは精霊だからしょっ中、向こうに行っているようだけど。
「私にも魔力があるのよ」
そうだった。
アイリアの母親は天才少女と言われたほどの魔力の持ち主だった。いずれは王宮魔導士の道が約束されていた。
なのに、王子と恋仲になり王妃になった。
「だけど、母上は王妃であり、筆頭王宮魔導士よ」
アイリアは得意げに「王家の人間だからといって民に養ってもらっているわけじゃないわ。きちんと仕事をしているのよ」
父上は外交、母は魔道。
どちらも国にとって大切な仕事だわ。
「それはともかく今のところ、扉の母とフルフラの魔力によって固定しているの。なので、フルフラが招いてくれたらこちらの世界に来ることは可能です」
アイリアはきっぱりと言い切った。
僕の目の前にいるのは美少女だった。
古田さんに勧められたから扉をくぐったわけじゃない。
確かに古田さんの話は面白かった。
それに扉の向こうには爺さんの親戚がいるはずだ。それに興味があった。
どうやら、祖父は向こうの世界、アルテールでは英雄だったようだ。
魔王を倒した勇者、まるでどこぞのファンタジー物みたいだ。
勇者が祖父と言われても僕にはぴんとこない。
大体、僕の育った世界は魔王なんて存在しない。いや、魔法すら存在しない。
(実際、別世界に行けるなんて滅多にないからなぁ)
というか、不可能なのだ。
だけど。
目の前の彼女は一体……。
「私はアイリア、アイドリアの王女よ」
いきなり、お姫様と遭遇ときたもんだ。
「ここはアイドリア国の王宮の庭だもの。別に驚くことはないでしょ」
確かにそうだけど。だったら、見知らぬ男が庭を歩いていて驚かないのか。
「あの扉から出てくるのは向こうの世界の人間だ。とフルフラに聞いていたんだもの」
「フルフラ、」
そういえば、古田さんの本名だっけ。
えっ、ということは……。
「君、えっと、古田さんじゃなくてフルフラと知り合いなのか」
というか、なんだか事が都合よく話が進んでいるような気がする。よく考えてみたらここは別世界だった。
しかも、王宮の庭なら当然、兵士とかが警備しているのではないか。
確かにそういうのがファンタジー物のお約束である。
「兵士が来るわけがないでしょう。ここは聖域、王族しか立ち入ることができないの」
いいのか、それでセキュリティ面で問題が残るではないのか。
「大丈夫、結界がはってあるから」
そういや、アルテールは魔法が使えたんだっけ。
「貴方がシンク伯父様の孫なのね。待ちかねたわよ」
アイリアの目はきらきらと輝いている。こんなにフレンドリーに接してくるとなんだか、気味が悪いんだよな。
もともと、僕は引きこもり体質なのだ。
何しろ、母は死んだ後、父親は愛人を家に引っ張り込んだ。
当然、祖母は怒り、僕を引き取りその結果、父との交流は殆どなくなった。
亡くなったというか、向こうが徹底的にこちらを無視した結果だ。実際、祖母が亡くなったと知らせてくれたのは古田さんだったし。
確かに同じ町に住んでいたので生きていることは知っていたけど。
おまけに祖母の遺産目当てに僕にちょっかいをかけてきたのにはあきれた。
勿論、祖母の遺産に固執したのは父の後妻だったのだが。
つまり、僕には祖母しか身内がいないというわけだ。
あと、他人の詮索も嫌だったので人と付き合うのを避けていた。
「ちょっと、なんて顔をしているのよ。私と貴方は親戚の関係でしょ」
「確かに」
頭で分かっていたけど、今まで親戚とかには縁がなかったからなぁ。
この場合、どういう態度を取ればいいんだ。
とにかく、僕は初めて出会った親戚に戸惑いの感情を隠せなかった。
「貴方がイチロウさんね」
「おお、君がシンク兄上の、」
王様と王妃様、揃っていると流石に緊張する。
アイリアに引っ張られてお城に行った僕。
いきなり、彼女の両親と引き合わされた。
というか、いきなり、国のトップに会うなんてありえないだろ。確かに王宮の庭から来たから会えてもおかしくない。
だけど、王というのは国の政治を行っている人だろ。
隣のおじさんに会うという感じで顔を会わせるとは思わなかった。
「だって、今日は休日よ。どんな仕事でも休みを取らないといけないわ。貴方の世界でもそうでしょう」
確かに。
「フルフラが教えてくれたの。貴方の世界では週休二日制という制度があるんでしょ」
父は王だから月に4日くらいしか休みが取れないんだけど。
「フルフラの言葉には間違いがなかったわけだ。いつか、シンク兄上の血筋の者がやってくると」
「貴方がここに来たということは千秋は亡くなったのね」
爺さんだけでなく婆さんのことも知っているんだ。
「貴方はむこうの世界での身内を全て亡くしてしまったのね」
という王妃の目には同情の色があった。
母さん。
僕には母親の記憶が殆どない。元々、体の弱かった母は僕を産み、さらに弱くなった。
寝込むことが多くなり、僕が5歳の時に亡くなった。
なので、母親の顔はアルバムの写真で覚えた。
おかしいな。なのに、王妃の顔が母親にかぶって見えるなんて。
「だから、なんでアイリアがこっちにきているんだ」
向こうとの行き来はできないという話だったはずだ。古田さんは精霊だからしょっ中、向こうに行っているようだけど。
「私にも魔力があるのよ」
そうだった。
アイリアの母親は天才少女と言われたほどの魔力の持ち主だった。いずれは王宮魔導士の道が約束されていた。
なのに、王子と恋仲になり王妃になった。
「だけど、母上は王妃であり、筆頭王宮魔導士よ」
アイリアは得意げに「王家の人間だからといって民に養ってもらっているわけじゃないわ。きちんと仕事をしているのよ」
父上は外交、母は魔道。
どちらも国にとって大切な仕事だわ。
「それはともかく今のところ、扉の母とフルフラの魔力によって固定しているの。なので、フルフラが招いてくれたらこちらの世界に来ることは可能です」
アイリアはきっぱりと言い切った。
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