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妹が帰ってきました
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「何よ、その顔は」
パーティの後、アイリアはイチローにくっついて向こうの世界に行った。
風の精霊であるフルフラの話だと庭のあずまやにある扉をくぐるだけらしい。
「アルファード、貴方は扉をくぐってはダメよ」
母上から止められた。
理由は魔力の差だという。扉をくぐることができるのはかなりの魔力を持つ者だけ。
イチローも本人は気づいていないが、かなり魔力を持っているようだ。
「扉の向こうの世界はどうだった、アイリア」
「世界といってもイチローの家に行っただけよ。イチローの家は山の中なの。ふもとの町には行かなかったわ」
「それでも、アドリアにはないモノが沢山あったんだろ」
「うん、」
妹の目がいきいきとしている。
「凄いのよ。テレビとかいう薄い板みたいなのにいろんな映像が浮かぶのよ」
「魔法の鏡みたいな奴か」
あっちの世界には魔法がなかったんじゃ。
「魔法じゃないわよ。テレビは電気というモノで動いていて、デンパというものを受けて映像を映し出しているんだって」
「ふうん、」
アイリアは丁寧に説明してくれたが、実際見ていないのよよく分からない。
「兄上も一緒に行けたらよかったのにね」
俺とアイリアは仲のいい兄妹だと思う。
他国だと、兄弟といってもこんなにフレンドリーに接触しないらしい。しかも、アイリアはドアもノックもせずに勝手に部屋に入ってきた。
それぞれ、侍女や侍従がついているが、彼らもアイリアの行動をとがめない。
「姉上、やっぱりこなかったわね」
アイリアはアルファードが落ち込んでいる理由を知っていた。
「やはり、公に出てくるのは躊躇っていらっしゃるのだろう」
「だって、私的のパーティだったのよ」
イチローもあんまり大げさなことも嫌がったし。
「姉上も来たらよかったのに」
「お前もそう思うか」
二人にはアリスという姉がいる。アルファードにとって二つ年上である。
只今、絶賛引きこもり中。
一応、引きこもりにも理由がある。
アリスはアイリアと違い、幼い時から王族の一員として公けの場にいた。なので、高校卒業後、隣国の王子との縁談がもちあがった。
しかし、婚約は結んだものの、式を挙げる前に王子が死去したのだ。
その後も沢山の国から縁談が持ち込まれた。
何しろ、アイドリアはかつて、魔王を滅ぼした勇者の母国。発言力は強い上、魔導が進んでいる国。
なので、血縁を結びたいという国は沢山存在する。実はアイリアもそういった国のターゲット対象になっているのだが。
アイリア自身、そのことは知らない。
そこでアリスは再び、婚約者を得ることができた。
しかし、某大国の有力貴族の子息はアリスに婚姻を申し込んでおきながら別な女性と結婚していた。
要するに二股をかけられていたということだ。確かに相手の国は別に結婚した相手を側室にすると言ってきたが。
一夫多妻や多夫一妻の国は多くてもアイドリアはあくまでも一夫一妻制の国。
王でさえ妻は一人なのだ。
確かに王まで一夫一妻制だと後継者問題が気になるところだ。
実際、アイドリアでは跡継ぎだった王子が出奔している。しかも、国を出ていったのではなく、別な世界への出奔だからかなりタチが悪い。
しかし、一夫一妻制なのにはそれなりに訳があり、後継者問題もその気になればなんとかなるという風潮があった。
一夫一妻制の国で育ったアリスにとって多重婚は受け入れることはできなかった。
それに婚約者の妻からかなり酷い言葉でののしられたのだ。
確かにアリスが嫁いできたら相手は正妻から側室へ格下げなのだ。必死に阻止するのは無理はない。
だが、そのことで彼女は酷く傷ついてしまった。
アリスがうけた心の傷は深く、彼女はそのまま離宮に引きこもってしまった。
「大体、父上が悪いんだ。もっと、相手の身上調査をおこなわないから、」
当時のことを思うと今でも怒りに震える。
しかも、その貴族は愛妾のしでかしたことを無視して、父が婚約を断ったのを恨んだ。
恨んだ結果、ならず者を雇ってアリスを攫おうとした。
結婚してしまえば、問題は簡単に解決すると思ったらしい。
しかし、アイドリアは魔道の国。しかも、王妃自身、魔導師なのだ。
なので、彼の思惑ははずれ、当の本人は爵位はく奪の上、領地資産没収さらに国外追放となった。某大国も誘拐までしでかした貴族を弁護することができなかったらしい。
「あれから、アリス姉上の縁談の申し込みはぱったりなくなったのよね」
「姉上もお前のような境遇だったらよかったのにな」
アイリアには各国の縁談の申し込みは全くない。
アイドリアの第二王女の存在は各国にも知られているのだが。
彼女の情報はなるたけ他国に流れないようにしている。
「アイリアは特別なのよ」
母であるミリアは「あの子には魔力がある。流石に他国に嫁がせるわけにはいかないわ。アリスのこともあったしね」
アイドリアが他の国と違うのは魔導の存在だ。
八十年くらい前、この地は魔王に蹂躙され、廃墟となった。しかし、アイドリアの王子、シンクが魔王と立ち向かい魔王をうち滅ぼした。
シンクには魔王に打ち勝つ魔導の力があったのだ。
パーティの後、アイリアはイチローにくっついて向こうの世界に行った。
風の精霊であるフルフラの話だと庭のあずまやにある扉をくぐるだけらしい。
「アルファード、貴方は扉をくぐってはダメよ」
母上から止められた。
理由は魔力の差だという。扉をくぐることができるのはかなりの魔力を持つ者だけ。
イチローも本人は気づいていないが、かなり魔力を持っているようだ。
「扉の向こうの世界はどうだった、アイリア」
「世界といってもイチローの家に行っただけよ。イチローの家は山の中なの。ふもとの町には行かなかったわ」
「それでも、アドリアにはないモノが沢山あったんだろ」
「うん、」
妹の目がいきいきとしている。
「凄いのよ。テレビとかいう薄い板みたいなのにいろんな映像が浮かぶのよ」
「魔法の鏡みたいな奴か」
あっちの世界には魔法がなかったんじゃ。
「魔法じゃないわよ。テレビは電気というモノで動いていて、デンパというものを受けて映像を映し出しているんだって」
「ふうん、」
アイリアは丁寧に説明してくれたが、実際見ていないのよよく分からない。
「兄上も一緒に行けたらよかったのにね」
俺とアイリアは仲のいい兄妹だと思う。
他国だと、兄弟といってもこんなにフレンドリーに接触しないらしい。しかも、アイリアはドアもノックもせずに勝手に部屋に入ってきた。
それぞれ、侍女や侍従がついているが、彼らもアイリアの行動をとがめない。
「姉上、やっぱりこなかったわね」
アイリアはアルファードが落ち込んでいる理由を知っていた。
「やはり、公に出てくるのは躊躇っていらっしゃるのだろう」
「だって、私的のパーティだったのよ」
イチローもあんまり大げさなことも嫌がったし。
「姉上も来たらよかったのに」
「お前もそう思うか」
二人にはアリスという姉がいる。アルファードにとって二つ年上である。
只今、絶賛引きこもり中。
一応、引きこもりにも理由がある。
アリスはアイリアと違い、幼い時から王族の一員として公けの場にいた。なので、高校卒業後、隣国の王子との縁談がもちあがった。
しかし、婚約は結んだものの、式を挙げる前に王子が死去したのだ。
その後も沢山の国から縁談が持ち込まれた。
何しろ、アイドリアはかつて、魔王を滅ぼした勇者の母国。発言力は強い上、魔導が進んでいる国。
なので、血縁を結びたいという国は沢山存在する。実はアイリアもそういった国のターゲット対象になっているのだが。
アイリア自身、そのことは知らない。
そこでアリスは再び、婚約者を得ることができた。
しかし、某大国の有力貴族の子息はアリスに婚姻を申し込んでおきながら別な女性と結婚していた。
要するに二股をかけられていたということだ。確かに相手の国は別に結婚した相手を側室にすると言ってきたが。
一夫多妻や多夫一妻の国は多くてもアイドリアはあくまでも一夫一妻制の国。
王でさえ妻は一人なのだ。
確かに王まで一夫一妻制だと後継者問題が気になるところだ。
実際、アイドリアでは跡継ぎだった王子が出奔している。しかも、国を出ていったのではなく、別な世界への出奔だからかなりタチが悪い。
しかし、一夫一妻制なのにはそれなりに訳があり、後継者問題もその気になればなんとかなるという風潮があった。
一夫一妻制の国で育ったアリスにとって多重婚は受け入れることはできなかった。
それに婚約者の妻からかなり酷い言葉でののしられたのだ。
確かにアリスが嫁いできたら相手は正妻から側室へ格下げなのだ。必死に阻止するのは無理はない。
だが、そのことで彼女は酷く傷ついてしまった。
アリスがうけた心の傷は深く、彼女はそのまま離宮に引きこもってしまった。
「大体、父上が悪いんだ。もっと、相手の身上調査をおこなわないから、」
当時のことを思うと今でも怒りに震える。
しかも、その貴族は愛妾のしでかしたことを無視して、父が婚約を断ったのを恨んだ。
恨んだ結果、ならず者を雇ってアリスを攫おうとした。
結婚してしまえば、問題は簡単に解決すると思ったらしい。
しかし、アイドリアは魔道の国。しかも、王妃自身、魔導師なのだ。
なので、彼の思惑ははずれ、当の本人は爵位はく奪の上、領地資産没収さらに国外追放となった。某大国も誘拐までしでかした貴族を弁護することができなかったらしい。
「あれから、アリス姉上の縁談の申し込みはぱったりなくなったのよね」
「姉上もお前のような境遇だったらよかったのにな」
アイリアには各国の縁談の申し込みは全くない。
アイドリアの第二王女の存在は各国にも知られているのだが。
彼女の情報はなるたけ他国に流れないようにしている。
「アイリアは特別なのよ」
母であるミリアは「あの子には魔力がある。流石に他国に嫁がせるわけにはいかないわ。アリスのこともあったしね」
アイドリアが他の国と違うのは魔導の存在だ。
八十年くらい前、この地は魔王に蹂躙され、廃墟となった。しかし、アイドリアの王子、シンクが魔王と立ち向かい魔王をうち滅ぼした。
シンクには魔王に打ち勝つ魔導の力があったのだ。
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