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親父の女がやってきたその後
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どさどさ。
奈津子が持ってきたものを見て僕はため息をついた。
それはお見合いの写真の束であった。
マンションに女の子を連れ込むのだから、よほど女性に飢えたているんだろうと思ったらしい。
別に僕は女好きではないし、父と母のこともあるので女性に対してストイックスな方だ。
女好きなのはあんたの息子だよ。
と、怒鳴りつけたかったがぐっとこらえた。向こうの思惑には乗りたくなかったからだ。
それに話だけ聞いて、彼女にはお引き取り願った。目の前にある見合い写真は彼女の置き土産だ。
あの女曰く、マンションでの出来事は相当、あちこちに広まったらしい。
ただし、僕の留守の間、弟が好き勝手なことをやっていたのはマンションの管理人や近所でも有名だった。
だけど、奈津子には我慢できなかったらしい。
とりあえず、見合いをして身を固めるべきだと主張した。
これは親父の厳命なんだそう。
そこで彼女が候補になる女性の見合い写真を持ってきたというわけだ。
あからさまの上から目線にむっとしたが、とりあえず受け取ってそのまま、彼女にはお引き取り願った。
わざわざ、タクシーを呼んで彼女を追い返した。
「どうしようかな、これ」
当然、僕は見合いする気は全くない。
それにあの女の世話になるのはもっと嫌だ。親父については存在自体、空気のようなモノだ。
大体、親父は昔から僕のことは無関心だった。
弟の方にもあまり関心がないようだ。
一応、榊病院の跡継ぎ程度には考えているだろうが。だけど、医師として無能だったらさっさと見捨てるような気がする。
「あちらに送り返しましょうか」
古田さんがにっこり笑って言ったけど、なんだか面倒だ。
「いいよ。別に見合いする気はないし。それに向こうの世話にならなくても結婚相手は自分で決めるさ」
「そうですね。坊ちゃまはアイリア王女と一緒になることが決まっていますし」
はぁっ。
古田さん、今、なんて言ったんですか。
「僕とアイリアが、」
「そういえば、まだ言っていませんでしたね。奥様は坊ちゃまとアイリア様の結婚を望んでいられました」
聞いていないよ。
というか、おばあちゃんはアイリアのことを知っていたのか。
「当然ですよ。坊ちゃまが小学生の頃、あちらに行った時に一緒に遊んでいられたではありませんか」
「えっ、」
「すみません。坊ちゃま、あの時のことは忘れていたんですね」
古田さんの話だと僕は子供の頃、扉をくぐったんだそうだ。
そんなこと、僕は全然覚えていない。確かに初めて入った祖父の書斎には既視感を覚えていたのだが。
「あの日、坊ちゃまは扉からこちらの世界に戻ってきた途端、倒れられたんです」
古田さんは驚いてアイドリアに戻った。
その時、アイリア王女と僕のことを知ったわけだ。
「覚えていないけど、僕はアイリアと初対面じゃなかったというのか」
「そうですよ」
いや、古田さん、なんであっさりと頷くんだよ。そもそも、なんで僕はそのことを覚えていないんだ。
「それは秘密です」
どうやら、古田さんは何か知っているらしい。
「その時、奥様にアイリア様のことを話したら坊ちゃまと一緒になったらいいのにとおっしゃられて、」
「あのなぁ、」
「何なのよ、あの子は」
奈津子はいらついていた。
原因は夫の連れ子である。
彼女は町でも一番大きい病院、榊病院の院長夫人になる。
彼女は夫、大作とは東京でホステスをしていた時に出会った。知り合いに腕のいい医師と紹介してもらった上、大きな病院の経営者と聞いて彼女から近づいた。
勿論、大作は愛人になっても彼女にとってはお得な存在だった。
しかも、結婚したばかりだという。
俄然、彼女のやる気が出てきた。
彼が東京に出てくるたびに関係を結んで、子供も生んだ。都合よく、妊娠したので大作も怪しんでいたが、DNA検査で彼の子と証明した。
数年後、彼の妻が亡くなり、奈津子が妻の座に収まった。
当然、病院の跡継ぎは自分の子だと思っていたが彼にはすでに子供がいた。
だけど、姑が前妻の子を引き取ったので自分は我が子だけ育てることに力を注いだ。
姑に前妻の子の養育費を渡す必要があったけど、むこうが請求しなかったので今まで払ってこなかった。
そして、姑が亡くなった。
姑は資産家でもあったので遺産を期待していたが、遺産は全て彼の前妻の子が相続した。
勿論、不服を唱えたがここで新しい事実が発覚した。
夫は榊家の入り婿だった。なので、姑の遺産を相続する権利はない。
なんだか、損をした気分だ。
奈津子が持ってきたものを見て僕はため息をついた。
それはお見合いの写真の束であった。
マンションに女の子を連れ込むのだから、よほど女性に飢えたているんだろうと思ったらしい。
別に僕は女好きではないし、父と母のこともあるので女性に対してストイックスな方だ。
女好きなのはあんたの息子だよ。
と、怒鳴りつけたかったがぐっとこらえた。向こうの思惑には乗りたくなかったからだ。
それに話だけ聞いて、彼女にはお引き取り願った。目の前にある見合い写真は彼女の置き土産だ。
あの女曰く、マンションでの出来事は相当、あちこちに広まったらしい。
ただし、僕の留守の間、弟が好き勝手なことをやっていたのはマンションの管理人や近所でも有名だった。
だけど、奈津子には我慢できなかったらしい。
とりあえず、見合いをして身を固めるべきだと主張した。
これは親父の厳命なんだそう。
そこで彼女が候補になる女性の見合い写真を持ってきたというわけだ。
あからさまの上から目線にむっとしたが、とりあえず受け取ってそのまま、彼女にはお引き取り願った。
わざわざ、タクシーを呼んで彼女を追い返した。
「どうしようかな、これ」
当然、僕は見合いする気は全くない。
それにあの女の世話になるのはもっと嫌だ。親父については存在自体、空気のようなモノだ。
大体、親父は昔から僕のことは無関心だった。
弟の方にもあまり関心がないようだ。
一応、榊病院の跡継ぎ程度には考えているだろうが。だけど、医師として無能だったらさっさと見捨てるような気がする。
「あちらに送り返しましょうか」
古田さんがにっこり笑って言ったけど、なんだか面倒だ。
「いいよ。別に見合いする気はないし。それに向こうの世話にならなくても結婚相手は自分で決めるさ」
「そうですね。坊ちゃまはアイリア王女と一緒になることが決まっていますし」
はぁっ。
古田さん、今、なんて言ったんですか。
「僕とアイリアが、」
「そういえば、まだ言っていませんでしたね。奥様は坊ちゃまとアイリア様の結婚を望んでいられました」
聞いていないよ。
というか、おばあちゃんはアイリアのことを知っていたのか。
「当然ですよ。坊ちゃまが小学生の頃、あちらに行った時に一緒に遊んでいられたではありませんか」
「えっ、」
「すみません。坊ちゃま、あの時のことは忘れていたんですね」
古田さんの話だと僕は子供の頃、扉をくぐったんだそうだ。
そんなこと、僕は全然覚えていない。確かに初めて入った祖父の書斎には既視感を覚えていたのだが。
「あの日、坊ちゃまは扉からこちらの世界に戻ってきた途端、倒れられたんです」
古田さんは驚いてアイドリアに戻った。
その時、アイリア王女と僕のことを知ったわけだ。
「覚えていないけど、僕はアイリアと初対面じゃなかったというのか」
「そうですよ」
いや、古田さん、なんであっさりと頷くんだよ。そもそも、なんで僕はそのことを覚えていないんだ。
「それは秘密です」
どうやら、古田さんは何か知っているらしい。
「その時、奥様にアイリア様のことを話したら坊ちゃまと一緒になったらいいのにとおっしゃられて、」
「あのなぁ、」
「何なのよ、あの子は」
奈津子はいらついていた。
原因は夫の連れ子である。
彼女は町でも一番大きい病院、榊病院の院長夫人になる。
彼女は夫、大作とは東京でホステスをしていた時に出会った。知り合いに腕のいい医師と紹介してもらった上、大きな病院の経営者と聞いて彼女から近づいた。
勿論、大作は愛人になっても彼女にとってはお得な存在だった。
しかも、結婚したばかりだという。
俄然、彼女のやる気が出てきた。
彼が東京に出てくるたびに関係を結んで、子供も生んだ。都合よく、妊娠したので大作も怪しんでいたが、DNA検査で彼の子と証明した。
数年後、彼の妻が亡くなり、奈津子が妻の座に収まった。
当然、病院の跡継ぎは自分の子だと思っていたが彼にはすでに子供がいた。
だけど、姑が前妻の子を引き取ったので自分は我が子だけ育てることに力を注いだ。
姑に前妻の子の養育費を渡す必要があったけど、むこうが請求しなかったので今まで払ってこなかった。
そして、姑が亡くなった。
姑は資産家でもあったので遺産を期待していたが、遺産は全て彼の前妻の子が相続した。
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