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婚約者は変態
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「この、貧乳!」
その暴言は、まるで札束で頭を殴られたかのような衝撃。気にしている人からしたら、一生のトラウマになるようなものだ。
こいつクソだな。
暴言を吐いたクソ雄を私は睨みつける。
それにしても、酷い。酷すぎる暴言。心が頭が痛い。私は貧乳じゃない。ちょっとだけ胸がささやかなだけだ。
ささやかな胸。久しぶりに聞いたワードだ。
その瞬間。何か不思議な記憶が頭の中に入っていくような感覚がした。
競り上がってくる吐物のように、ぐるぐると頭の中を渦巻いていく。
ちょっと、吐物で妄想したら気持ち悪くなって来た。
私は日本という、国で生まれて、彼氏が欲しくて欲しくて欲しくて気がついたら腐女子になっていた。
そして、恋愛に無縁な私は乙女ゲームが大好きだ。
吐き気とともに甦って来たざっくりとした記憶がこれだった。
それにしても、この男、どこかで見覚えがある。
あ。思い出した。
「ドキドキきゅんきゅんドピュドピュでんじゃらすプリンセス」の、攻略対象の何しても好感度爆上げの尻軽男ロズエルじゃん!
ヒロインはデイジーという名前で、実は国王の落胤で、ひっそりと男爵家で育てられている設定だったはず。
ロズエルの詳細な設定はどんなだっただろう?記憶の木魚を叩きまくる。
ポクポクポクチーン。
「愛しのデイジーなら何をしてもいい」しか言わないある意味ヤバイ奴じゃん!発言だけ取るなら変態だ。
つまり、アナルにコンドーム突っ込んで、石膏を流し込んでもオッケーって事じゃないか。そうだよな?
なんていう危険思考なクソ野郎じゃないか。
それにしても、コイツが暴言吐いてるって事は、私は悪役令嬢って事?
てか。なんで、こんな暴言吐いてるの?
私、たぶん、記憶のある限り変な事をしたおぼえなんてない。したとしても、怒られる筋合いなんてない。
なぜ、怒られているのかちゃんと考えよう。
確か、デイジーがコイツの膝の上で座っているのを、王立学園の中庭で発見して、後からこっそりとデイジーに注意した。
婚約者でもないのに、膝の上に座るなんて痴女プレイだ。
それで、帰ろうとしたら、ロズエルに屋敷に寄るように言われて、謝られると思って向かったら。この、暴言だ。何様だコイツ?
変態アナル石膏野郎のくせに。
え、酷くないか?
目の前で暴言を吐き続けている。少年から青年に変わる途中の、それ、特有の魅力を持つロズエルをマジマジと見つめる。
闇夜を溶かしたような黒色の髪の毛。翡翠のような垂れがちの緑色の瞳。くっきりとした目鼻立ち。それなのにどこか中性的で、優しげだ。
うん、筋肉さえあれば美形だ。こんなもやし、突っ込むのも突っ込まれるのも無理だ。
私は頭痛が痛いと言って湿布をおでこに貼るような、頼りになりそうな男が好きだんだ。ダーリンが筋肉ダルマの猛者が欲しい。
こんな、体当たりしたら吹っ飛びそうな男なんて嫌だ。
それに、語彙も少なそうだ。
眦を吊り上げて「貧乳!」と罵倒する語彙力がないのか、語気を荒くする程度で私に詰め寄る。
「おい、貧乳!婚約者だからって、私の愛するデイジーに嫌がらせをするな」
私は、この変態アナル石膏野郎の婚約者のようだ。こいつ、自分の立場も忘れたのか。
浮気したのそっちじゃん。
私はデイジーに何かしていない。いや、婚約者いるからちょっと近づき過ぎじゃね?離れたら?って言った程度だぞ。それが、嫌がらせなら、お前の暴言は殺人だ。
この殺人鬼!
「貧乳!」
「この貧乳!」
繰り返される貧乳の暴言。いい加減飽きないのか?
変態アナル石膏野郎には貧乳以外の暴言ってないの?淫乱とか脳内ポルノ女優とかさ。
「お前よりもデイジーの方がずっと胸が大きい。この貧乳」
また、貧乳。言いやがったな。おい、ちょっとまて。私のどこが貧乳だ!
背中の肉を寄せればうっすらと谷間の影ができるぞ!
それって谷間だろ。私は貧乳じゃない!
「誰が貧乳だって!?」
私は怒りに身を任せて、目の前の男の胸ぐらを勢いよく掴んだ。
ロズエルは、私の暴挙に驚いたのか口を鯉のようにパクパクと動かす。よわっちい。情けない。
「えっ、えぇ!?エリカ。お前、自分の立場をわかっているのか?伯爵家のお前が、侯爵家の俺にこんな事してもいいと思っているのか?」
やはり、男は語彙力がないのか、下っ端のしょぼい粗チンの男が言うような言葉で、私を恫喝する。
それにしても、こいつ。恫喝もしょぼいな。間違いなく粗チンだ。そうに決まってる。
粗チンの男は自分を大きく見せたいが為に、偉そうな事を言ってくるんだ。
ちんこをまんこに入れながら四股が踏めないならそれは粗チンだ。
この、変態アナル石膏粗チン野郎!
「俺に喧嘩を売って無事だと思っているのか?」
しらねぇよそんなの。喧嘩ふっかけて来たのはそっちだろうが!
「うるせぇぞ。黙れ。私のどこが貧乳なんだよ!多少小さくても、この二つの頂は桜ピンクのトパーズのような輝きだぞ!稀少なんだぞ!」
私は言葉の勢いのままに、制服の上着を脱ぎ捨て、下着ごと上にずらして、二つの秘宝を見せびらかす。
「ちゃんと見ろ!至高の秘宝だ!感度も抜群だぞ!」
ぷっくりとした、桜色のトパーズは空気が冷たいのか、少しだけツンと立ち上がり硬度を増していた。
「よく見ろ!可愛い。ぷっくりとした乳首だろ!お前の言うデイジーの乳首なんか象の鼻くそのようなもんだ!きっと男に吸われ続けて真っ黒だろうがよ!」
私は見ろ!と叫びならロズエルの眼前に二つの秘宝を突き出す。
ロズエルの頬に秘宝がちょんと当たるが、私は気にせず、胸を押し付けた。
「え、ちょっ、やめ」
男は私の行動が予想外だったのか、何故か顔を真っ赤にさせて、鼻から大量の血を吹き出した。
バシャバシャ。
まるで、AV男優のザーメンのようにその血は、私の顔にかる。胸は避けてくれたのでよかった。
ザーメンまみれならぬ。血塗れ。最低最悪だ。
「テメェ!何すんだよ!この変態アナル石膏粗チン血塗れザーメン野郎!」
私は顔を汚されて怒り出す女優のように、ロズエルを押し倒して、股間を勢いよく踏みつけた。
「フグっ」
ロズエルは股間を押さえてその場でのたうち回る。
「二度と女を抱けない身体にしてやる!なんなら女にしてやる!筋肉のない男なんてみんな女だ!」
ダンダン!と股間を踏みつけながら。
叫びながら少しだけ冷静になる。ちょっと、やりすぎかもしれない。
子供が産めない身体になったら、私が責任をとって結婚をしないといけないかもしれない。
婚約しているけれど、乳首を見ただけで鼻血を噴くような奴と結婚なんて嫌だ。
普通にエッチ出来なさそうだし。不能っぽそうだし。
「ぐっ」
無意識に股間に乗せた足に体重をかけると、ロズエルは、泡を吹いたまま気絶してしまった。
「おい、ロズエル!このもやし!筋肉つけろ!もっとこの秘宝を見ろよ!ん?やりすぎたかな?」
逃げないと。
きっと、股間を蹴られた衝撃で私の事なんて忘れているはずだ。
忘れていなくても、適当に明日ごまかしておけばいい。なんなら、もう一回股間を蹴ってやればいい。
「ふん!私を貧乳って言った罰よ!二度と貧乳って言わなかったら、二つの秘宝を見せてあげてもいいけどっ!女になるのならエッチさせてあげてもいいわよ!」
パニックになって自分でも何を言っているのかわからなくなった。
あとの事なんて知るものか。もしも、何か言って来たら物理的にぶっ潰せばいいだけの話だ。
私は急いで自分の屋敷に帰った。
その暴言は、まるで札束で頭を殴られたかのような衝撃。気にしている人からしたら、一生のトラウマになるようなものだ。
こいつクソだな。
暴言を吐いたクソ雄を私は睨みつける。
それにしても、酷い。酷すぎる暴言。心が頭が痛い。私は貧乳じゃない。ちょっとだけ胸がささやかなだけだ。
ささやかな胸。久しぶりに聞いたワードだ。
その瞬間。何か不思議な記憶が頭の中に入っていくような感覚がした。
競り上がってくる吐物のように、ぐるぐると頭の中を渦巻いていく。
ちょっと、吐物で妄想したら気持ち悪くなって来た。
私は日本という、国で生まれて、彼氏が欲しくて欲しくて欲しくて気がついたら腐女子になっていた。
そして、恋愛に無縁な私は乙女ゲームが大好きだ。
吐き気とともに甦って来たざっくりとした記憶がこれだった。
それにしても、この男、どこかで見覚えがある。
あ。思い出した。
「ドキドキきゅんきゅんドピュドピュでんじゃらすプリンセス」の、攻略対象の何しても好感度爆上げの尻軽男ロズエルじゃん!
ヒロインはデイジーという名前で、実は国王の落胤で、ひっそりと男爵家で育てられている設定だったはず。
ロズエルの詳細な設定はどんなだっただろう?記憶の木魚を叩きまくる。
ポクポクポクチーン。
「愛しのデイジーなら何をしてもいい」しか言わないある意味ヤバイ奴じゃん!発言だけ取るなら変態だ。
つまり、アナルにコンドーム突っ込んで、石膏を流し込んでもオッケーって事じゃないか。そうだよな?
なんていう危険思考なクソ野郎じゃないか。
それにしても、コイツが暴言吐いてるって事は、私は悪役令嬢って事?
てか。なんで、こんな暴言吐いてるの?
私、たぶん、記憶のある限り変な事をしたおぼえなんてない。したとしても、怒られる筋合いなんてない。
なぜ、怒られているのかちゃんと考えよう。
確か、デイジーがコイツの膝の上で座っているのを、王立学園の中庭で発見して、後からこっそりとデイジーに注意した。
婚約者でもないのに、膝の上に座るなんて痴女プレイだ。
それで、帰ろうとしたら、ロズエルに屋敷に寄るように言われて、謝られると思って向かったら。この、暴言だ。何様だコイツ?
変態アナル石膏野郎のくせに。
え、酷くないか?
目の前で暴言を吐き続けている。少年から青年に変わる途中の、それ、特有の魅力を持つロズエルをマジマジと見つめる。
闇夜を溶かしたような黒色の髪の毛。翡翠のような垂れがちの緑色の瞳。くっきりとした目鼻立ち。それなのにどこか中性的で、優しげだ。
うん、筋肉さえあれば美形だ。こんなもやし、突っ込むのも突っ込まれるのも無理だ。
私は頭痛が痛いと言って湿布をおでこに貼るような、頼りになりそうな男が好きだんだ。ダーリンが筋肉ダルマの猛者が欲しい。
こんな、体当たりしたら吹っ飛びそうな男なんて嫌だ。
それに、語彙も少なそうだ。
眦を吊り上げて「貧乳!」と罵倒する語彙力がないのか、語気を荒くする程度で私に詰め寄る。
「おい、貧乳!婚約者だからって、私の愛するデイジーに嫌がらせをするな」
私は、この変態アナル石膏野郎の婚約者のようだ。こいつ、自分の立場も忘れたのか。
浮気したのそっちじゃん。
私はデイジーに何かしていない。いや、婚約者いるからちょっと近づき過ぎじゃね?離れたら?って言った程度だぞ。それが、嫌がらせなら、お前の暴言は殺人だ。
この殺人鬼!
「貧乳!」
「この貧乳!」
繰り返される貧乳の暴言。いい加減飽きないのか?
変態アナル石膏野郎には貧乳以外の暴言ってないの?淫乱とか脳内ポルノ女優とかさ。
「お前よりもデイジーの方がずっと胸が大きい。この貧乳」
また、貧乳。言いやがったな。おい、ちょっとまて。私のどこが貧乳だ!
背中の肉を寄せればうっすらと谷間の影ができるぞ!
それって谷間だろ。私は貧乳じゃない!
「誰が貧乳だって!?」
私は怒りに身を任せて、目の前の男の胸ぐらを勢いよく掴んだ。
ロズエルは、私の暴挙に驚いたのか口を鯉のようにパクパクと動かす。よわっちい。情けない。
「えっ、えぇ!?エリカ。お前、自分の立場をわかっているのか?伯爵家のお前が、侯爵家の俺にこんな事してもいいと思っているのか?」
やはり、男は語彙力がないのか、下っ端のしょぼい粗チンの男が言うような言葉で、私を恫喝する。
それにしても、こいつ。恫喝もしょぼいな。間違いなく粗チンだ。そうに決まってる。
粗チンの男は自分を大きく見せたいが為に、偉そうな事を言ってくるんだ。
ちんこをまんこに入れながら四股が踏めないならそれは粗チンだ。
この、変態アナル石膏粗チン野郎!
「俺に喧嘩を売って無事だと思っているのか?」
しらねぇよそんなの。喧嘩ふっかけて来たのはそっちだろうが!
「うるせぇぞ。黙れ。私のどこが貧乳なんだよ!多少小さくても、この二つの頂は桜ピンクのトパーズのような輝きだぞ!稀少なんだぞ!」
私は言葉の勢いのままに、制服の上着を脱ぎ捨て、下着ごと上にずらして、二つの秘宝を見せびらかす。
「ちゃんと見ろ!至高の秘宝だ!感度も抜群だぞ!」
ぷっくりとした、桜色のトパーズは空気が冷たいのか、少しだけツンと立ち上がり硬度を増していた。
「よく見ろ!可愛い。ぷっくりとした乳首だろ!お前の言うデイジーの乳首なんか象の鼻くそのようなもんだ!きっと男に吸われ続けて真っ黒だろうがよ!」
私は見ろ!と叫びならロズエルの眼前に二つの秘宝を突き出す。
ロズエルの頬に秘宝がちょんと当たるが、私は気にせず、胸を押し付けた。
「え、ちょっ、やめ」
男は私の行動が予想外だったのか、何故か顔を真っ赤にさせて、鼻から大量の血を吹き出した。
バシャバシャ。
まるで、AV男優のザーメンのようにその血は、私の顔にかる。胸は避けてくれたのでよかった。
ザーメンまみれならぬ。血塗れ。最低最悪だ。
「テメェ!何すんだよ!この変態アナル石膏粗チン血塗れザーメン野郎!」
私は顔を汚されて怒り出す女優のように、ロズエルを押し倒して、股間を勢いよく踏みつけた。
「フグっ」
ロズエルは股間を押さえてその場でのたうち回る。
「二度と女を抱けない身体にしてやる!なんなら女にしてやる!筋肉のない男なんてみんな女だ!」
ダンダン!と股間を踏みつけながら。
叫びながら少しだけ冷静になる。ちょっと、やりすぎかもしれない。
子供が産めない身体になったら、私が責任をとって結婚をしないといけないかもしれない。
婚約しているけれど、乳首を見ただけで鼻血を噴くような奴と結婚なんて嫌だ。
普通にエッチ出来なさそうだし。不能っぽそうだし。
「ぐっ」
無意識に股間に乗せた足に体重をかけると、ロズエルは、泡を吹いたまま気絶してしまった。
「おい、ロズエル!このもやし!筋肉つけろ!もっとこの秘宝を見ろよ!ん?やりすぎたかな?」
逃げないと。
きっと、股間を蹴られた衝撃で私の事なんて忘れているはずだ。
忘れていなくても、適当に明日ごまかしておけばいい。なんなら、もう一回股間を蹴ってやればいい。
「ふん!私を貧乳って言った罰よ!二度と貧乳って言わなかったら、二つの秘宝を見せてあげてもいいけどっ!女になるのならエッチさせてあげてもいいわよ!」
パニックになって自分でも何を言っているのかわからなくなった。
あとの事なんて知るものか。もしも、何か言って来たら物理的にぶっ潰せばいいだけの話だ。
私は急いで自分の屋敷に帰った。
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