恋の始め方がわからない

毛蟹

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姫川の譲れないところ

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姫川の譲れないところ

 それからは、姫川と一緒に服を買いに行き何着か服を買った。
 姫川セレクトが何着かあったが、どうしても!訴えてきたので断れなかった。
 普段の私は絶対に着ないようなものばかりだった。
 それから、本屋に行き観光の本を何冊か買った。

 部屋に戻る頃には、夕方になっていた。

「晩御飯食べたら、旅行どこにいくか考えようか」

「うん」

 二人で料理を作り食べ終わると、購入した観光の本を広げる。
 結局、姫川との旅行は行けなかったので、改めて計画を立て直すことになったが、これで良かったのかもしれない。

「一泊くらいで近場がいいよね」

「そうだね。何か見たい物とかある?」

「ちゃんとした観光地でもいいけど、ちょっとしたデートスポットでもいいかな」

 姫川の質問に少し考えてそう答えると、「候補考えとかないとね」と、言われた。

「恵さんは何かある?」

「一緒に温泉に入れるところがいいな」

 私の質問に姫川は、鼻息を荒くして答えた。

「えっ!」

 温泉に一緒に入るですって!?待って、何でそんな事考えるの。

「付き合ってるんだし何か問題でも?」

 姫川は自分の意見を曲げる様子はなく、笑顔で圧をかけてくる。
 改めて考えると何も不思議ではないのかもしれない。けれど……、少しハードルが高いのではないかと思う。

 だって、お互いの裸を見たのって、まだ、一回だけだし。
 それに、恥ずかしくてちゃんと見てないし。

 姫川のアソコを思い出して恥ずかしくなってきた。
 ちらっと、しか見ていなかったけれど、大きかった。

 姫川は、見られても恥ずかしくないのか。恥ずかしいのは私だけなのか。

「い、いえ」

 私は姫川の圧に屈した。
 こうして、私たちは一緒に温泉に入れる宿を探す事になったが、すぐに挫折した。

「……全滅だ。やっぱりか」

 姫川は、がっくりと膝から崩れ落ちる。
 ネットで一緒に温泉に入れる宿を探しても全滅だった。
 当然だ。年末なのだから。

「……温泉に一緒に入る事に拘らなくても」

 温泉が別々ならあるかもしれない。

「ダメなんだ。そこは外せない」

 姫川は、そこは絶対に譲れないようだ。
 なぜ取り憑かれたように、私と一緒の温泉に入りたいのか。
 何が彼をそこまで突き動かすのか、謎すぎて私は首を傾ける。

「そ、そっか、だったら別の機会とかでも」

「……それしかなさそうですね。初めての温泉は一緒に入りたいし」

 意外と頑固なのね。
 いつも、落ち着いている姫川の新たな一面を見て、なんだか可愛いと思ってしまった。

「……旅行は、少しぶらっとして、予約取れそうなホテルとかでもいいですかね」

「う、うん。じゃあ、そうしようかな」

 ぶらりと散歩のような旅行も楽しそうではある。
 温泉に並々ならぬこだわりがありそうな姫川の気持ちを、まずは優先させようと思った。

 この前、私だけ温泉に入っちゃったし。

「ふふふ、楽しみですね」

 姫川の笑い声が何故か黒い物のように感じて怖い。

「麗さん」

 名前を呼ばれて、私に覆い被さるように唇を塞がれた。

「……んっ」
 
 目を閉じると濡れた舌が入り込み、大きな腕が私の身体を包み込む。
 心地よい口付けにうっとりとしていると、しばらくして姫川は名残惜しそうに離れていった。
 
「そこで、お付き合いして初めてでもいい?」

 つまりそういうことなのだろう。

「う、うん」

 赤らんだ頬をした姫川に改めて確認されると、何だか照れ臭くて頬が熱い。
 それを想像するだけで嬉しくて、こくりと頷くと、姫川は「よかった」と嬉しそうな顔をした。

 普通のカップルっぽくてなんだか楽しい。

「……音が漏れないほうがいいかな」

 音が漏れないとはどういうことなのか、少し気になったが、聞いてもはぐらかされそうな気がした。

「僕が色々見て決めてますから、お風呂入ってください」

 含みのある言い方。私も手伝うよ。と言いかけたが、すぐに別のことが気になってしまい何も言えなくなった。

「これ着て出てね」

 差し出されたのは、先ほど姫川が言葉を濁して買った服だった。
 あざと可愛いニットワンピースだ。

「これ、さっき買ったやつ。あとは寝るだけなのになんで?」

 お風呂に入ったら後は寝るだけの状態なのに、なぜ、そんなものを差し出してくるのか。謎だ。
 
「ダメですか?麗さんのミニスカ姿が見たいだけです」

 うるうると目を潤ませて姫川に頼まれると、断れない。
 こんな頼み方をされてしまうと、言うことを聞きたくなってしまうのだ。

「お願いします。満足したら終わりですから」

 何をどう満足するのか。とりあえず教えて欲しい。

「わ、わかりました」

 これを着ている姿を見て満足するのならそれでいいか、と、思いそれを受け取る。

 こういう場合どうなるのか、私は全く想像できなかった。
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感想 10

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みんなの感想(10件)

ちび
2025.01.21 ちび

(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)温泉ソムリエの姫川さん!

(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)ニットミニスカソムリエの姫川さん! 

(⁠人⁠ ⁠•͈⁠ᴗ⁠•͈⁠)今年はソムリエがいっぱい♪

解除
ayan
2024.10.23 ayan

すっごい楽しいです!

せめて二人をちゃんとくっつけて下さい、両想いにはなったけど、ここで放置は辛いです

解除
ちび
2024.05.15 ちび

(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+やったあ!我らがソムリエが帰ってきた!待ってましたぁ♡

解除

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