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怖い!知らない間に没落してた!
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11
「えっと、なぜ、貴女がそんなことを言うんですか?」
私の問題になぜこの女は口を出してくるのか。
自分は聖女だから、何やっても許される。と思っているのか。
「悪気があってやったわけではないと思うんです」
論争はそこじゃない。
悪気がなくてもやっていいことと悪いことがあるだろうが。
あれは下手したら殺人だ。
それにしても証言があまりにも限局されて偏っているではないか。
「悪気も何も、寒空の下で数時間も待たされたのは事実です。あの、お聞きしたいんですけど、この者達だけしか話を聞いてませんか?」
「騒ぎになると、いけないから」
ジークムントの答えから、「大事になるといけないから」加害者サイドから圧力をかけて黙らせよう。という結論に至ったのだと判断した。
全員の寝首を掻っ切って殺すぞ。
「なるほど」
私は、それなら穏便に済ませてあげようと考えを巡らせる。
「貴女、罰を受けるって言いましたよね」
「はい」
メイドは、わざとらしく怯えた顔で頷いた。
「お子さんはいらっしゃるの?」
「はい」
「それなら、うちにお子さんを招待いたしますわ!貴女がしてくれた事をそっくりそのままお返しします」
私がにっこりと笑ってそう言うと、メイドは「そ、それだけは許してください」と謝ってきた。
「えっと、あなたが私にしてくれた事を子供にするだけですよ?何も悪いことをしていないと言っていたじゃないですか」
「私たちの言った事を嘘だと言うような人を信用できません!」
何も悪いことなどしていない。と、言い切れるのなら安心して子供を私に任せることができるのではないか。
なぜ、「酷い」だの「嘘つき」だの言われなければならないのか。
嘘つきは彼女たちではないのか。
「……クラリス嬢。少し大人気ないんじゃないのか」
「そうですわ。お互いのすれ違いでこうなってしまったのだから許して差し上げてください」
ジークムントに釣られるようにアルネも「私が大人気ない」と言い出す。
悪いのは私なのか、嘘をついたこいつらが悪いのではないのか。
「……アルネ様!」
メイドたちは、自分たちが悪いくせにそれを庇った聖女にとても感動して目を潤ませている。
なんだ。このクソ三文芝居は。
まるで、私が悪役かのような言い方だ。失礼すぎる。
「大人気ですか?大人気ないのはそちらなのでは?酷い目に遭った子供に、よってたかって大人気ないから我慢しろ。お前が嘘をついているんだろ。って言う方が余程大人気ないのでは?」
未成年というワードにジークムントの顔色が悪くなった。
そりゃそうだ。この国は子供を大切にする考えが強い。
「お見合いの初顔合わせの日に中座、そこから何時間も待たされて、お茶すら出さずに、貴女たちお茶飲んでましたよね?同じことされても何も言わないんですか?」
「確かに悪かったと思っているが、待たされた時間は事実かわからない」
まだ、ジークムントはメイドたちを庇う。
自分の言い方がキツイ自覚はある。それに、使用人たちの子供に危害を加えるような物言いをしたので、それを止めたい。という気持ちが強いのだろう。
だが、庇うだけが優しさではないと私は思う。
「なるほど」
私は頷きながら、もっていたカップを真っ白なテーブルクロスの上でひっくり返した。
「……あ、なんて事をするんですか!」
メイドがキツく私を叱責した。
それもどうなのかと思う。
テーブルクロスの上には、紅茶の染みと砂粒がキラキラと輝いていた。
いや、思ったよりも砂多いな。
私はそんな事を考えていた。
「え、これは」
流石にジークムントも顔を真っ青にさせていた。
「……これ、さっき出されました」
証拠のカップを確保していたが、私が何かを混入させるような行動なんてしていないので、嘘はついていない。
「待たされたかどうかは証明できませんが、というか、もみ消しなんてやろうと思えばいくらでもできますし、今回の仕打ちは証拠があります。それは認めますよね」
これは、私への嫌がらせの十分すぎる証拠だ。
前回の仕打ちに対して、私が間違っていない証明もしなくてもいいし、謝罪も必要ない。
「もみ消しって、そんな」
ジークムントは、そんなふうに言われるのは心外だとショックを受けている。
そう思わせる事をしたのはそっちだ。
「お前のことなんかもう信用できない。って言っているのよ。わからない?」
「……」
ジークムントは言い訳すら思いつかないのか黙り込む。
「で、この使用人はどうしますか?」
子供に何かするつもりは毛頭ないが、お咎めなしというわけにはいかないだろう。
「だって、おかしいじゃないですかこんなのと結婚だなんて!」
メイドの一人が私に食ってかかってきた。
こんなのとはなんだ。
「は?」
「おぼっちゃまは、聖騎士なのにこんな没落した貴族の女と結婚だなんて!」
没落というワードに私は眉間に皺を寄せる。
今のところそんな予定はない。
「あ?」
私が聞き返そうとすると、「何を言っているんだ!」と、ジークムントが初めてこの場で声を荒らげた。
あれだけのことをしておいて、私が侮辱されるのは耐えられない。と、言わんばかりだった。
何しても怒らなさそうな男なのに、感情的になっているのを見て少し驚いたが、好きなように言わせてみようと思った。
「どうぞ続けて」
「私は、私たちは間違っていません!おぼっちゃまならもっと相応しい人がいらっしゃいます!」
「そうです!それに愛する人と引き裂かれるなんてあまりにも気の毒です」
複数名のメイドが「そうだ。そうだ」と、言っている。
しらねぇよ。今回の婚約の一番の被害者は間違いなく私だ。
「えっと、言いたいことはそれだけ?」
聞き返すと、メイドたちは私を睨みつけて黙った。
「まず最初に、私の家は没落していません」
とりあえずそこは訂正しておいた。
~~~
申し訳ありません
一話分投稿をしてませんでした
七話です
タイトルは、話がとんでました!ごめんなさい!です
読んでもらえると話がつながります
本当に申し訳ありません
「えっと、なぜ、貴女がそんなことを言うんですか?」
私の問題になぜこの女は口を出してくるのか。
自分は聖女だから、何やっても許される。と思っているのか。
「悪気があってやったわけではないと思うんです」
論争はそこじゃない。
悪気がなくてもやっていいことと悪いことがあるだろうが。
あれは下手したら殺人だ。
それにしても証言があまりにも限局されて偏っているではないか。
「悪気も何も、寒空の下で数時間も待たされたのは事実です。あの、お聞きしたいんですけど、この者達だけしか話を聞いてませんか?」
「騒ぎになると、いけないから」
ジークムントの答えから、「大事になるといけないから」加害者サイドから圧力をかけて黙らせよう。という結論に至ったのだと判断した。
全員の寝首を掻っ切って殺すぞ。
「なるほど」
私は、それなら穏便に済ませてあげようと考えを巡らせる。
「貴女、罰を受けるって言いましたよね」
「はい」
メイドは、わざとらしく怯えた顔で頷いた。
「お子さんはいらっしゃるの?」
「はい」
「それなら、うちにお子さんを招待いたしますわ!貴女がしてくれた事をそっくりそのままお返しします」
私がにっこりと笑ってそう言うと、メイドは「そ、それだけは許してください」と謝ってきた。
「えっと、あなたが私にしてくれた事を子供にするだけですよ?何も悪いことをしていないと言っていたじゃないですか」
「私たちの言った事を嘘だと言うような人を信用できません!」
何も悪いことなどしていない。と、言い切れるのなら安心して子供を私に任せることができるのではないか。
なぜ、「酷い」だの「嘘つき」だの言われなければならないのか。
嘘つきは彼女たちではないのか。
「……クラリス嬢。少し大人気ないんじゃないのか」
「そうですわ。お互いのすれ違いでこうなってしまったのだから許して差し上げてください」
ジークムントに釣られるようにアルネも「私が大人気ない」と言い出す。
悪いのは私なのか、嘘をついたこいつらが悪いのではないのか。
「……アルネ様!」
メイドたちは、自分たちが悪いくせにそれを庇った聖女にとても感動して目を潤ませている。
なんだ。このクソ三文芝居は。
まるで、私が悪役かのような言い方だ。失礼すぎる。
「大人気ですか?大人気ないのはそちらなのでは?酷い目に遭った子供に、よってたかって大人気ないから我慢しろ。お前が嘘をついているんだろ。って言う方が余程大人気ないのでは?」
未成年というワードにジークムントの顔色が悪くなった。
そりゃそうだ。この国は子供を大切にする考えが強い。
「お見合いの初顔合わせの日に中座、そこから何時間も待たされて、お茶すら出さずに、貴女たちお茶飲んでましたよね?同じことされても何も言わないんですか?」
「確かに悪かったと思っているが、待たされた時間は事実かわからない」
まだ、ジークムントはメイドたちを庇う。
自分の言い方がキツイ自覚はある。それに、使用人たちの子供に危害を加えるような物言いをしたので、それを止めたい。という気持ちが強いのだろう。
だが、庇うだけが優しさではないと私は思う。
「なるほど」
私は頷きながら、もっていたカップを真っ白なテーブルクロスの上でひっくり返した。
「……あ、なんて事をするんですか!」
メイドがキツく私を叱責した。
それもどうなのかと思う。
テーブルクロスの上には、紅茶の染みと砂粒がキラキラと輝いていた。
いや、思ったよりも砂多いな。
私はそんな事を考えていた。
「え、これは」
流石にジークムントも顔を真っ青にさせていた。
「……これ、さっき出されました」
証拠のカップを確保していたが、私が何かを混入させるような行動なんてしていないので、嘘はついていない。
「待たされたかどうかは証明できませんが、というか、もみ消しなんてやろうと思えばいくらでもできますし、今回の仕打ちは証拠があります。それは認めますよね」
これは、私への嫌がらせの十分すぎる証拠だ。
前回の仕打ちに対して、私が間違っていない証明もしなくてもいいし、謝罪も必要ない。
「もみ消しって、そんな」
ジークムントは、そんなふうに言われるのは心外だとショックを受けている。
そう思わせる事をしたのはそっちだ。
「お前のことなんかもう信用できない。って言っているのよ。わからない?」
「……」
ジークムントは言い訳すら思いつかないのか黙り込む。
「で、この使用人はどうしますか?」
子供に何かするつもりは毛頭ないが、お咎めなしというわけにはいかないだろう。
「だって、おかしいじゃないですかこんなのと結婚だなんて!」
メイドの一人が私に食ってかかってきた。
こんなのとはなんだ。
「は?」
「おぼっちゃまは、聖騎士なのにこんな没落した貴族の女と結婚だなんて!」
没落というワードに私は眉間に皺を寄せる。
今のところそんな予定はない。
「あ?」
私が聞き返そうとすると、「何を言っているんだ!」と、ジークムントが初めてこの場で声を荒らげた。
あれだけのことをしておいて、私が侮辱されるのは耐えられない。と、言わんばかりだった。
何しても怒らなさそうな男なのに、感情的になっているのを見て少し驚いたが、好きなように言わせてみようと思った。
「どうぞ続けて」
「私は、私たちは間違っていません!おぼっちゃまならもっと相応しい人がいらっしゃいます!」
「そうです!それに愛する人と引き裂かれるなんてあまりにも気の毒です」
複数名のメイドが「そうだ。そうだ」と、言っている。
しらねぇよ。今回の婚約の一番の被害者は間違いなく私だ。
「えっと、言いたいことはそれだけ?」
聞き返すと、メイドたちは私を睨みつけて黙った。
「まず最初に、私の家は没落していません」
とりあえずそこは訂正しておいた。
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申し訳ありません
一話分投稿をしてませんでした
七話です
タイトルは、話がとんでました!ごめんなさい!です
読んでもらえると話がつながります
本当に申し訳ありません
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