わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑 side story

岡暁舟

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もっと話をしたい。そう思っても、人々は私とマリアの関係を邪魔してしまう。

「王子様、ここでいらっしゃいましたか」

まるで犬のように匂いをかぎつけてやってくるのだろうか。野次馬が集ってくる。

マリアは思わず恐縮してしまう。彼女たちに見られてしまうのが恥ずかしいのだろうか。私は全く気にしなかったが、彼女がこれを問題とするのであれば、決して無視することができない大きな問題だった。

「あああ、この女は何をしているんですか」

何をしているって、私が今話していたばかりなんだ。私はマリアに興味がある。それが何かいけないことなのだろうか。

「さぁさぁ、私たちと一緒にお茶会でもしませんか」

女たちはすぐにお茶会を始めようとする。それに引っかかった男たちは、絶望を味わうことになると言う。お茶がおいしいだけで、女たちは男を落とすように全神経を注いでいるようだ。

「仕方ないか」

かといって、ここで断ってしまっても角が立つと思った。だから、私は参加すると言った。この日もまた、マリアと話をすることができなかった。残念で仕方がなかった。

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