~続~妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟

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「マリア殿……ああ、非常に心地いい響きだ……」

私は今まで男と交わったことがない。つまり、この瞬間を持って、処女を散らすことになる。誰かが言っていた。その男が自分の処女を捧げるのに適切なのか……考える猶予は短い。だが……彼の姿を見れば、あながち悪いとは思わない。もういいでしょう。彼で。決心がついた。

「さあ、私を迎え入れてくれ……」

普通は男の方からガンガンいやらしく攻めてくるものだと思っていた。でも、サンダー様の場合は違った。彼が積極手に私を求めることはなかった。どうして???それは分からない。私に魅力がないから???

どんな理由があるにせよ、私はやめなかった。私がサンダー様を迎え入れるんじゃない。私の方からサンダー様を攻めるんだ。なんとも不思議だった。でも、これで良かった。

「中々いいじゃないか。女の感覚っていうのは……こういうものなのか???」

男が女をどういうふうに感じるのか、それは分からない。でもまあ、まんざら悪いってことはないみたいだから、とりあえず安心した。いや、私があまりにもどうしようもないと、下手したらそのままポイ捨てされるリスクだってあるわけだから……。
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