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「あの子は何か言っていたかしら???」

「まあ、大丈夫よ。あなたの輝かしい未来はもう迫っているのね」

「輝かしい未来……人を蹴落として手に入れるものなんて、輝かしくはないわよ」

「あら、欲しいから奪ったんじゃないの???」

「奪った……あなたの言う通りね。まあ、いいわ。今度の披露宴で全て清算することができるでしょう……」

「彼は……ナターシャを捨ててあなたとの婚約を宣言する。そう持っていきたいわけでしょう???材料はどうするの???なにか、彼女の足を引っ張る方法はあるのかしら???」

「あなたは昔から彼女のことを知っている。彼女の悪い面を知っているわね???」

「それならば任せてよ!!!」

「ところで……あなたがここまで躍起になる理由ってなんなの???正直なはなし、私にはよく分からないわ」

「別に、嫌いってわけじゃないけど、なんとなくね」


エリスとティア……特にティアの話声が聞こえた時、私はなんとなく分かったような気がした。


*****************************************:


「ボリス様!!!エリス様からお手紙が!!!」

執事の声がうるさかった。

「手紙ごときで何事だ……」

「……ボリス様、何かありましたか???」

「何かあったって……私は特に何もないさ。そりゃ、もう間もなく婚約となるんだから……多少殺気立つのは仕方ないだろう……」

ボリス様は半分呆れているようだった。

「それで……手紙に何か書いてあったのか???」

「ええ、それはもう、大変なことでございます!!!」

執事が言う大変なこと……それが事実かどうかは別として。


「…………これは本当なのか???」

ボリス様が非情に困惑する理由……その原因を作ったのが、私ではなくてあの二人によるものであることは事実だった。


「俺が……俺が考えるほど世の中は空回りしていく。どうしてだ???なんで、こんなにも上手くいかないんだ???」

上手くいかない……ボリス様は彼なりに悩んでいたのだ。

「どうして……ナターシャは俺の婚約者に相応しくないってことなのか???そんなことがあるのか???」

ボリス様が困惑し……私も困惑する。


そして……婚約披露宴の日がやって来た……。
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