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「ナターシャ!!!」
また、いつもと同じように例の彼女が声をかけてきた。
「どうしたの???」
「どうしたの、じゃないわよ!!!」
「なにをそんなに慌てているのかしら???」
「だって、あなたの婚約者はもう、あなたに興味がないみたいよ!!!」
その話は既に心得ている。いまさら、ティアが何か言ったところで変わらないだろう。
「あなた、もう彼に興味ないの???」
それにしても、この一件に対し彼女の執着心は強すぎる。不思議なことに。確かに、私とティアが古い友人であることには変わりない。でも、この問題はあまりにもプライベートなのだ。
「別に……彼が私の婚約者である以上、私は彼の婚約者であり続けるのよ。だから、それが私の趣味かどうかっていうのは全く別次元の話になってしまうわ。私が何か言ったとしても、結局のところ彼に運命を握られているのだから……」
「ということは、もし仮に、ボリス様があなたに婚約破棄を切り出したら、あなたはそれさえも受け入れると……こう言うことかしら???」
「……あなたは、そんなに私が婚約破棄されることを望んでいるのかしら???」
これは大部イジワルな質問だっただろうか???いや、関係ないと思う。言葉で言い表すのは難しいけれど……なんだかおかしいと思ったから。
「別に……私はそんなことを言っているわけじゃないわ。第一、それだとすると、あなたはもっともっと不遇になってしまうでしょう???親友であるこの私が、あなたの不幸を考えるわけないでしょう???」
まあ、そう言われてしまうと、その通りなのだが……。
「例えば……あなたが向こうの回し者だとしたら、話は変わって来るんだけどね……」
とっさに思いついたことをつい口走ってしまった……さすがにティアは怒り出した。
「あなた……言っていいことと悪いことがあるわよ!!!」
顔を真っ赤にして怒り出すティア……その顔を見てしまうと、私はこのとき、大部間違ったと思った。
もっとも、それが本当に間違いだったのか……それは後になって分かることだった。
また、いつもと同じように例の彼女が声をかけてきた。
「どうしたの???」
「どうしたの、じゃないわよ!!!」
「なにをそんなに慌てているのかしら???」
「だって、あなたの婚約者はもう、あなたに興味がないみたいよ!!!」
その話は既に心得ている。いまさら、ティアが何か言ったところで変わらないだろう。
「あなた、もう彼に興味ないの???」
それにしても、この一件に対し彼女の執着心は強すぎる。不思議なことに。確かに、私とティアが古い友人であることには変わりない。でも、この問題はあまりにもプライベートなのだ。
「別に……彼が私の婚約者である以上、私は彼の婚約者であり続けるのよ。だから、それが私の趣味かどうかっていうのは全く別次元の話になってしまうわ。私が何か言ったとしても、結局のところ彼に運命を握られているのだから……」
「ということは、もし仮に、ボリス様があなたに婚約破棄を切り出したら、あなたはそれさえも受け入れると……こう言うことかしら???」
「……あなたは、そんなに私が婚約破棄されることを望んでいるのかしら???」
これは大部イジワルな質問だっただろうか???いや、関係ないと思う。言葉で言い表すのは難しいけれど……なんだかおかしいと思ったから。
「別に……私はそんなことを言っているわけじゃないわ。第一、それだとすると、あなたはもっともっと不遇になってしまうでしょう???親友であるこの私が、あなたの不幸を考えるわけないでしょう???」
まあ、そう言われてしまうと、その通りなのだが……。
「例えば……あなたが向こうの回し者だとしたら、話は変わって来るんだけどね……」
とっさに思いついたことをつい口走ってしまった……さすがにティアは怒り出した。
「あなた……言っていいことと悪いことがあるわよ!!!」
顔を真っ赤にして怒り出すティア……その顔を見てしまうと、私はこのとき、大部間違ったと思った。
もっとも、それが本当に間違いだったのか……それは後になって分かることだった。
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