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7 エリス目線
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「ナターシャ……彼女を抹殺することができさえすれば……」
名門の公爵家に生まれて不自由ない生活をしてきた……そして、自分が完璧な人間であることを証明するには最後に良き婚約をすることが必須となるのだ。ボリス様は相手として不足ない。だから……私は彼と婚約できるように努力することを決意したのだ。
なんとしてでも成し遂げる……そのためには手段を選んでいる暇がない。だから、できる限りのことをした。少しでも彼に好かれるように工夫する。彼が好きそうな容姿を目指し、また、彼に寄って来る女どもを蹴散らす……まるでスパイのように行動を全て監視するのだ。
だがしかし……あの女だけは例外だった。
「ねえ、ボリス様がナターシャを気に入る理由ってなんだと思う???」
私は質問してみた。
「さあ……私には分からないわねえ……」
「彼女と関わってきて……何か他の人とは違う魅力があるのかしら???」
「とは言うものの、全てが普通だもんね……」
「全てが普通……なるほど、でも本当にそうなのかしら……」
私には分からなかった。普通に考えれば、ボリス様は私に魅了されて……そのまま婚約するのが自然なのだ。でもね、話はそれほど単純にはいかなそうなの。彼が……ナターシャに注目するポイントは一体???
「もう少し探りを入れる必要がありそうね……」
「ところで……私はいつまで、この役を演じればいいのかしら???」
「あら、お友達を裏切っている感覚にでもなっているのかしら???」
「いや、別にそう言うわけじゃないんだけど…………」
「ならば、もう少し続けてほしいわねえ……」
「ああ、そうなんだ……」
友達……そんな関係はすぐに崩れてしまう。金を使えば、大抵の人間は動かすことができる。
だから、ナターシャを引きずり下ろすためにも、金をつぎ込む覚悟はある。
ボリス様と無事に婚約できれば、後からいくらでも回収できるのだから。
名門の公爵家に生まれて不自由ない生活をしてきた……そして、自分が完璧な人間であることを証明するには最後に良き婚約をすることが必須となるのだ。ボリス様は相手として不足ない。だから……私は彼と婚約できるように努力することを決意したのだ。
なんとしてでも成し遂げる……そのためには手段を選んでいる暇がない。だから、できる限りのことをした。少しでも彼に好かれるように工夫する。彼が好きそうな容姿を目指し、また、彼に寄って来る女どもを蹴散らす……まるでスパイのように行動を全て監視するのだ。
だがしかし……あの女だけは例外だった。
「ねえ、ボリス様がナターシャを気に入る理由ってなんだと思う???」
私は質問してみた。
「さあ……私には分からないわねえ……」
「彼女と関わってきて……何か他の人とは違う魅力があるのかしら???」
「とは言うものの、全てが普通だもんね……」
「全てが普通……なるほど、でも本当にそうなのかしら……」
私には分からなかった。普通に考えれば、ボリス様は私に魅了されて……そのまま婚約するのが自然なのだ。でもね、話はそれほど単純にはいかなそうなの。彼が……ナターシャに注目するポイントは一体???
「もう少し探りを入れる必要がありそうね……」
「ところで……私はいつまで、この役を演じればいいのかしら???」
「あら、お友達を裏切っている感覚にでもなっているのかしら???」
「いや、別にそう言うわけじゃないんだけど…………」
「ならば、もう少し続けてほしいわねえ……」
「ああ、そうなんだ……」
友達……そんな関係はすぐに崩れてしまう。金を使えば、大抵の人間は動かすことができる。
だから、ナターシャを引きずり下ろすためにも、金をつぎ込む覚悟はある。
ボリス様と無事に婚約できれば、後からいくらでも回収できるのだから。
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