俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜

俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

蓮の気持ち ⑤

言葉に出せば出すほど胸が苦しくなって、
事実なのに事実を受け入れたくなくて…

蓮は心の中で、もがいていた。

「本当にそれだけで何もなかったんだ‼︎ただ、気持ちの整理がつかなくて、その辺をタクシーで走ってもらってた…ごめん…」
真司の苦しそうな言葉が蓮の背中から伝わる。

「そんな事信じられるわけないよ」
「ごめん…」
苦しそうな真司の声。

俺がどれだけ心配だったか…
真司を失うかも…って、不安で恐ろしかったか…

「連絡ぐらいくれたって…」
蓮は涙声になってくる。
「…ごめん…」
「真司はごめんごめんって…俺ばっかり真司のこと好きみたいじゃないか‼︎」

真司が俺のところに帰ってきてくれて本当は嬉しかったのに、
俺は『どうして？』『どうして？』ばかり…
好きすぎて不安だったり悲しかっただけなのに、
こんなに真司のことが好きなのに、どうして俺は素直に真司に伝えられないんだ…

涙をポロポロ流しながら、蓮が声を荒げる。