【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜

葉月

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流行病 ④

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「ただ暗いだけで、何の取り柄もなかったお前だがこの瞬間からミカエルになって、私や母様のためサイモンと結婚し、ミカエルとして生きていくんだ。これでやっとみんなのためになることが、できるじゃないか」
 父様は僕がミカになり変わることが、さも幸福なことのように話された。

 僕がミカになる……。
 本当の僕は生きているのに、みんなの中ではもう・・死んでしまっていることになっている。
 だから侍女も僕のことをレオナルドとは呼ばずに、ミカエル様と言ったんだ。

 父様、母様、ほかのみんなの中には、もう僕はいない。
 みんなの大好きミカだけが生き残っているんだ。
 でも僕にも生まれる前から次期当主になるという、使命がある。

「父様、僕は次期城主です。もし僕がミカとしてサイモンと結婚してしまったら、一体誰が次期城主になるのですか?」
 僕は次期城主となるため、勉強も剣術も乗馬も人一倍努力してきたし、サイモンへの気持ちも押し殺してきた。
「今、母様のお腹にはお前の弟か妹になる子供がいる。次期城主には、その子になってもらう」
「え?母様のお腹には赤ちゃんがいるのですか?」
 初めて聞いた話だ。

「まだ誰にも話してなかったがそうだ」
「僕に弟か妹が生まれるんですね」
「ああそうだ」
 もし僕がミカとして生きていかなければ、この土地の人々も、今まで僕を世話してくれた使用人の人たちも、父様も母様も、そしてまだ見ぬ僕の弟か妹も路頭に迷ってしまう。

 僕の返答次第では、みんなの今後が変わってきてしまう。だから……。
 僕はレオナルド。
 でも今この瞬間から、僕はミカエルになる。
 ミカと当主の代わりは必要でも、僕の代わりは必要ない。
 僕の気持ちは決まった。
 
「流行病で死んでしまったのはレオナルドで助かったのは僕、ミカエル。今日から僕はミカエルです」
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