【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜

葉月

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恐れていたこと ⑤

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「お前が身分を偽っているのを、今知っているのは俺とサイモンだけだ。レオナルド、これからのお前の身の振り方は、お前自身に任せる。その答えによっては、このことを陛下にお伝えするか、しないかを決めさせてもらう」

 何てことなんだ……。
 僕の答え次第で、これからのサイモンやオリバー家の処罰が変わる。
 考えないと、考えないと、考えないと……。
 ルーカス様の望まれている答えは、なに?
 ルーカス様の目を見ながら考えたが、何も思い浮かばない。

「答えは出たか?」
 そう問われ、僕は首を横に振る。
「では、そもそもの嘘を作り出したカトラレル家と、真実を知っておきながら黙っていたサイモン。そしてオリバー家のことは陛下に報告を……」

 そんな!
 僕のせいで!

「僕はなんと答えれば……、なんと答えればカトラレル家やサイモン、オリバー家は処罰を受けずに済むのですか?」
 その答えは教えてもらえないと思う。
 でも藁でもすがる思いで聞いてみた。

「サイモンと離縁し、俺の妃になれ」
「……え……?」
 思いもよらない答えに思考が止まる。

「どうして……、それは、どういう、意味で、しょうか……?」
 思うより先に言葉が出ていた。
「俺が何をどうしようが、お前には関係ない」
 ピシャリと言われてしまう。
「ですが……」
 そこまで言った時、ルーカス様にギロリと睨まれる。

 冷静になって考えてみた。
 僕はまだ今の段階ではサイモンの妻。
 それにルーカス様は第二王子という高貴な方。
 そのルーカス様が一度結婚したことのある人を、しかも僕みたいな人間を妃に……?

「お前が俺の妃になるのならば、カトラレル家よサイモンもオリバー家も不問とする。だが妃にならないのであれば……わかるな?」
 最後まで言われなくてもわかる。

 妃にならなければ、カトラレル家もサイモンもオリバー家も処罰される。
 カトラレル家には父様と母様、そして僕の妹か弟が母様のお腹にいる。
 僕のことを一人の人間として接してくれた、大好きなオリバー家の人たち。
 僕のことを『ミカエル様』と親しくしてくれた、街の人達。
 僕が嘘をついていても、知らないふりをして僕をそばに置いてくれた、僕の愛する人。サイモン……。
 僕の大切な人達の笑顔が浮かんでは、消えていく。
 僕のせいでなんの罪も犯していない人達が、処罰を受けるなんておかしい。
 路頭に迷うのはおかしい。
 今まで通り、幸せで穏やかに過ごしてほしい……。

「どうだ?答えは決まったか?」
 さらに僕の顎をグイッとルーカス様があげる。
「はい。決まりました」
「ほう、それで?」
 僕の答えは決まっている。
 大きく息を吸い込み、ふぅ~と小さく息をはく。
「僕はルーカス様の妃になります」
 ルーカス様の目をしっかりと見て、答えた。
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