【完結】たとえ彼の身代わりだとしても貴方が僕を見てくれるのならば… 〜初恋のαは双子の弟の婚約者でした〜

葉月

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お茶会 ①

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 いつものように、部屋の大きな窓から園庭を見ていると、ノックもなく部屋のドアが開いた。
 振り返ると、そこにはルーカス様がお一人で立っていた。

 僕は何かしてしまったのだろうか?
 自分の行動を考えながら、ルーカス様に頭を下げると、
「庭に出たいのか?」
 唐突に聞かれた。
「え?」
 この場合どう答えればいいのだろうか?
 返事に戸惑う。

「本当のことを言えばいい」
 ちゃんと僕のこと見ていなかったルーカス様が、今日は僕の顔をしっかりと見る。
「いつも窓から園庭を見ていると、庭師から聞いた。レオナルドも園庭に出たいか?」
「え?」
 今まで『お前』としか言われていなかったのに、急に『レオナルド』と名前で呼ばれ、驚いた。

 今日のルーカス様は言葉は不器用だけれど優しく、僕が文通をしていた時のよう。
「少しでいいので、庭に、出たです」
 ダメだと言われるのを頭の隅において言った。

「ハーブティーは好きか?」
「ハーブティー……ですか?」
 庭に出たいと答えたのに、その答えはもらえず、また違う質問をされる。

「はい、好きです」
 迷いながら答えると、
「庭に出る用意しろ。俺は先に行っている」
 ルーカス様が後ろで立っていた侍女に合図をし部屋を出ると、侍女たちは持ってきた新しいドレスを僕に着せていく。
「これは、何の用意ですか?」
 いつも僕のことを無視し続けている侍女に、恐る恐る問いかけると、
「お茶会です」
 めんどくさそうだが答えてくれた。

 お茶会?
 誰と?
 そう聞きたかったけれど、今度こそ無視されるかもと思うと怖くて聞けなかった。

 新しいドレスを見に纏い、侍女に連れられて向かった先は、いつも部屋の窓から見ていた薔薇のトンネルの中だった。

 そこにはアフタヌーンティーセットがされていて、机の中央にはフルーツがふんだんに使われている一口サイズのケーキが三段重ねのスタンドに乗っている。その周りにはケーキ皿とカトラリー、ティーカップ、そしてガラスでできているティーポットには紫の花ビラがお湯の中で舞っている。

「どうだ気に入ったか?」
 薔薇のトンネルの中からルーカス様が現れた。
「レオナルドはやはり紫が合うな」
「ありがとう、ございます……」
 ルーカス様のこの変わりよう。まるで別人みたい。

「ルーカス様、お茶の用意ができました」
 執事が声をかけと、
「ここがレオナルドの席だ」
 ルーカス様が僕のために椅子を引いてくださる。
「ありがとう、ござきます」
 どう接すればいいか、自分の行動が間違っていないかと、周りをキョロキョロしてしまう。
「そう怯えるな」
 僕のおかしな行動に、ルーカス様がクククと笑い僕の目の前に座る。

 
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