あこかりぷす。

雨庭 言葉

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事件番号平成四年か1089 東京都足立区少女強姦殺人事件報告記録Ⅰ。

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これは当時東京都足立区綾瀬で起きた強姦少女殺人事件時、現場状況を知る38歳男性から音声情報を記録したものである。


Q.事件発生日、貴方は何をしていましたか?覚えている範囲で教えてください。

「はい、その時は日曜日だったので僕はいつも通り家で寝転がっていました。お昼を買いに近くのコンビニでうどんを買ってその後に一本煙草を吸いました。僕は犬の柴犬を飼っているので、夕方になるとランニングを兼ねて散歩しに行くんです。とはいえあまり長い時間散歩するわけではないのですが、毎回同じルートを走ります。いつも通り散歩をしていると、いきなり飼っている柴犬がキャンキャンと吠えるわけです。そこはいつものルートを走っていると丁度半分を過ぎたあたりにある工場でした。そこの工場はもう使われていないような古臭い見た目をしていました。多分もう使われていないんじゃあないかな。」

Q.遺体を発見した際の詳細を教えていただけませんか?
 

「正直思い出したくはないのですが、口を塞いでいれば怪しまれるのは僕ですよね。先程の話に戻るのですがその工場周辺を目の当たりにした時に飼っている柴犬が吠え続けていまして、散歩中このように叫んでいたことは初めてでしたので、恐る恐るその建物の中を見てみることにしてみたのです。入口付近に近づくと、何やら薄暗くて空気が重い感じがしました。入口付近にはハンドル式の電源がありまして、そのハンドルを引いてみると光が薄く灯りました。中は機材や何やらが散らばっていて、コンクリートの床にびっしり埋まっていました、歩こうとしても途中足に引っかかってしまったり、脛をぶつけてしまったりと、この工場に立ち入ったことを後悔しました。しかし飼い犬は先に行ってしまうものですから。ほんと大変ですよね、動物を飼うって。そして僕は工場の二階へと上がったのですが、なんですかね、少し違和感があったんですよ。人間が歩いている時、少し音がしませんか?歩く時の音特有の。あれが聞こえてきたんですよ。僕は怖くなって逃げだそうとしました。けど飼い犬は吠えたんですよ。人がいるであろう方向に、わんわん、わんわん、と二回ね。そして僕は騒然としました、と同時にその場で吐瀉物を巻き散らかしてしまったのです。はい?なんでかって?」


「少年が立っていたんですよ」



「首だけになった女の子を、自分の顔の元へ近づけて」



「キスをしていたのです」






2017/08/31     
 
東京都足立区少女強姦殺人事件報告  一部音源抜粋



※被害にあった杉崎蘭さんを殺害したとされるその少年の名は「      」だったという。
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