クトゥルフの魔法少女アイリスの名状しがたき学園生活

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

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第四話 地獄は突然やってくる (5)

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 しかしブルーンヒルデさんからの反応は無い。
 ただ淡々と、作業のように花を飛ばし続けてくる。
 
「ブルーンヒルデさん!!」

 あきらめずにわたしは声を上げる。
 これをあきらめたらもう後が無いからだ。これがダメだったら絶望的で悲痛な選択肢しかわたしには残されないからだ。
 しかしまたしてもブルーンヒルデさんは返事をしなかった。
 そしてさらに状況はより深い絶望へと変わっていった。

「!」

 ブルーンヒルデさんは突き出していた右手を握りしめるように閉じた。
 それを合図に攻撃は変化した。
 飛来してきていたすべての花が散ったのだ。
 バラバラになり、花びらを派手にまき散らす。
 あっという間に視界が光る花びらで埋め尽くされる。
 慌てて剣を振り回すが、あまりにも数が多すぎる。
 そして花びらがわたしの肌に触れると、

「いたっ!」

 バチン、と、弾けるような痛みが走った。
 バチバチバチバチ、と、わたしの体に次々と炸裂する。
 その痛みから少しでも逃げるために回避行動を取る。
 しかしほとんど意味が無い。全方向、花びらに囲まれている。数えきれないほどに多く、人間が通れる隙間は無い。
 まるで光の吹雪。
 こんなの、よけれるわけが無い!
 痛みと絶望感で集中力が切れかける。
 その隙をブルーンヒルデさんは見逃してはくれなかった。

「!」

 大きな光が混じってる! 近づいてきてる! 気付いた時にはそれはもう目の前だった。
 花びらを散らさずに突っ込んできた大きなバラ! その形を認識した時にはもう手遅れだった。
 剣での迎撃は間に合わない。だからわたしは左手で顔をかばった。
 けど、

「っ!!」

 衝撃が手を貫通して頭に走り、わたしの視界と意識は白く染まった。
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