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第五話 わたし、島を出ます! (3)
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目覚めたわたしは勢い良くがばっと飛び起きた。
だけど、まだ夢の中にいるような感じがした。
原因はすぐにわかった。
お姉ちゃんの気配を感じるからだ。夢の中で聞いた、あの遠くからの叫び声を感じるからだ。
だからわたしは窓から外を見た。
やっぱりそうだ。声が遠い海の中から聞こえる。
そしてわたしがその声に耳を感知をとぎすましていると、後ろからブルーンヒルデさんの声が響いた。
「か細いけど、あなたを呼んでいるわね」
振り返ると、ブルーンヒルデさんは既に起きていて着替えまで終わっていた。
直後、ノックの音が響き、ブルーンヒルデさんが返事をする前にドアが開いた。
女性の部屋に対してそんな失礼な行為ができるのはやっぱりヴィーさんだった。
ヴィーさんはドアを開けたのとほぼ同時にブルーンヒルデさんに向かって口を開いた。
「予想通り来たぞ。準備はできているな?」
ブルーンヒルデさんは頷きながら答えた。
「もちろん。今から精霊を展開するわ」
言うと同時にそれは始まった。
「!?」
その感覚にわたしは思わず下を向いた。
何か大きなものが海の底から上がってくる感覚。
夢のせいで海に対して警戒心を抱いていたわたしは驚いたけど、その気配が知っているものだとすぐに気付いた。
そして海中から現れたのは、大量の光る花びらだった。
花びらは船を包み込み、そして形を変えていった。
バラやユリなど、様々な花が船体を覆いつくすように咲き広がる。
花は虹色に輝いており、まるで宝石のようだった。
その美しさは力強く、頼もしかったのだけど、
「……!!」
直後に感じた気配はその頼もしさがかすむほどの規模だった。
海の向こう。声がする方向からそれは近づいてきていた。
とんでもなく大きい。クジラですら小さく見えるほどに。
まるで津波のような気配。
その巨大な気配の出現から間も無く、艦内に声が響いた。
「総員、第一種戦闘配置!」
伝声管から響いたと思われる少しくぐもった声。
その声を合図に、艦内は騒がしくなった。
軍人さん達が走る音がうるさいほどに響き始める。
その足音に負けぬほどの声量で、ヴィーさんはブルーンヒルデさんに向かって声を上げた。
「ヒルデ、行くぞ!」
これに、ブルーンヒルデさんは同じくらいの声で応えた。
「ええ! 参りましょう!」
そしてブルーンヒルデさんは続けてわたしに向かって声を上げた。
「あなたはここにいて! これはテストじゃないわ! だから絶対にこの部屋から出てはダメよ!」
わたしが頷きを返すと、二人は部屋から走り出ていった。
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