1 / 48
第一話 素直になれない再会(1)
しおりを挟む
彼女のことはずっと気になっていた。
でも、その想いは年齢によって違っていた。
ちいさい頃は彼女のことが大好きだった。いつも一緒だった。
しかし小学生になると変わった。
他の男子にからかわれたからだ。俺はそれがイヤだった。
当時の俺はダメなやつだった。女子に守られてばかりの男なんてどう考えてもダメだ。バカな俺でもそれくらいのことは分かった。
だから俺は自分を変えようとしたんだと思う。
思う、なんて曖昧な言い方をしている理由は自覚が無かったからだ。当時の俺は本当にバカだったから、どうしてイヤだと感じるのかその理由すら判断がつかなかった。
いま思い返してみると俺のその行動は正しかったんだと思う。その行動のおかげで俺は良い方向に変われたからだ。そして今の俺達があるからだ。
◆◆◆
彼とは子供の時から一緒だった。いわゆる幼馴染というやつだ。
学年は同じだが、わたしのほうが半年ほど生まれるのが早かった。
その半年の差は幼少時代では大きなものだった。
背も体力も、なにもかもわたしのほうが上だった。
だからわたしは彼の保護者であるかのように、お姉さんであるかのように振舞った。
いや、振舞ったというのは、その時は違う。正しい表現じゃない。
幼い彼は時々いじめられていた。そのたびにわたしが助けていた。だから彼は私のことを名前のあとに「お姉ちゃん」をつけて呼んでいた。わたしも彼のことを本当の弟のように思っていた。
小学生に入る頃にはその差は消えていた。
それでもわたし達はまだ仲の良い姉弟のように付き合っていた。それをクラスメイトにからかわれたりしたけど、わたしはなんとも思わなかった。
でも時の流れは残酷だった。
きっかけはクラス替えだった。
三年生に上がる時、わたし達は別れることになった。
その日を境に、わたし達の関係は遠く薄くなっていった。
まず、一緒に下校しなくなった。彼は新しい男友達と帰るようになった。
そして一緒に遊ばなくなった。彼は男友達とゲームやサッカー、そしてドッチボールばかりやるようになった。
わたしの小学校は集団登校が基本であり、高学年にもなると彼との繋がりはそれだけになってしまった。
中学になるとその細いつながりすら消えた。彼は自転車で男友達や部活仲間と通学するようになった。
クラスも部活も違う。接点はまったく無かった。家が近いだけの赤の他人だった。
だから彼が他の女子と話したりしていても何も思わなかった。
中学時代の彼は女子からの人気が高かった。
たしかに顔は悪く無い。運動もそこそこ出来て頭も良い。いつもぼーっとしてるように見えるけど、人当たりは良い。ひいき目の無い当時のわたしから見ても、彼はモテても不思議の無い男子だった。
わたしはそんな彼に興味を抱かなかった。
いや、抱かなかった、じゃなくて抱こうとしなかったのかもしれない。彼のことを考えないようにしていたと思う。
彼とわたしの運命が再び交わることは無い、勝手にそう思い込んでいたんだと思う。
だけど、神様の考えはわたしとは違っていたみたい。
でも、その想いは年齢によって違っていた。
ちいさい頃は彼女のことが大好きだった。いつも一緒だった。
しかし小学生になると変わった。
他の男子にからかわれたからだ。俺はそれがイヤだった。
当時の俺はダメなやつだった。女子に守られてばかりの男なんてどう考えてもダメだ。バカな俺でもそれくらいのことは分かった。
だから俺は自分を変えようとしたんだと思う。
思う、なんて曖昧な言い方をしている理由は自覚が無かったからだ。当時の俺は本当にバカだったから、どうしてイヤだと感じるのかその理由すら判断がつかなかった。
いま思い返してみると俺のその行動は正しかったんだと思う。その行動のおかげで俺は良い方向に変われたからだ。そして今の俺達があるからだ。
◆◆◆
彼とは子供の時から一緒だった。いわゆる幼馴染というやつだ。
学年は同じだが、わたしのほうが半年ほど生まれるのが早かった。
その半年の差は幼少時代では大きなものだった。
背も体力も、なにもかもわたしのほうが上だった。
だからわたしは彼の保護者であるかのように、お姉さんであるかのように振舞った。
いや、振舞ったというのは、その時は違う。正しい表現じゃない。
幼い彼は時々いじめられていた。そのたびにわたしが助けていた。だから彼は私のことを名前のあとに「お姉ちゃん」をつけて呼んでいた。わたしも彼のことを本当の弟のように思っていた。
小学生に入る頃にはその差は消えていた。
それでもわたし達はまだ仲の良い姉弟のように付き合っていた。それをクラスメイトにからかわれたりしたけど、わたしはなんとも思わなかった。
でも時の流れは残酷だった。
きっかけはクラス替えだった。
三年生に上がる時、わたし達は別れることになった。
その日を境に、わたし達の関係は遠く薄くなっていった。
まず、一緒に下校しなくなった。彼は新しい男友達と帰るようになった。
そして一緒に遊ばなくなった。彼は男友達とゲームやサッカー、そしてドッチボールばかりやるようになった。
わたしの小学校は集団登校が基本であり、高学年にもなると彼との繋がりはそれだけになってしまった。
中学になるとその細いつながりすら消えた。彼は自転車で男友達や部活仲間と通学するようになった。
クラスも部活も違う。接点はまったく無かった。家が近いだけの赤の他人だった。
だから彼が他の女子と話したりしていても何も思わなかった。
中学時代の彼は女子からの人気が高かった。
たしかに顔は悪く無い。運動もそこそこ出来て頭も良い。いつもぼーっとしてるように見えるけど、人当たりは良い。ひいき目の無い当時のわたしから見ても、彼はモテても不思議の無い男子だった。
わたしはそんな彼に興味を抱かなかった。
いや、抱かなかった、じゃなくて抱こうとしなかったのかもしれない。彼のことを考えないようにしていたと思う。
彼とわたしの運命が再び交わることは無い、勝手にそう思い込んでいたんだと思う。
だけど、神様の考えはわたしとは違っていたみたい。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
神楽坂gimmick
涼寺みすゞ
恋愛
明治26年、欧州視察を終え帰国した司法官僚 近衛惟前の耳に飛び込んできたのは、学友でもあり親戚にあたる久我侯爵家の跡取り 久我光雅負傷の連絡。
侯爵家のスキャンダルを収めるべく、奔走する羽目になり……
若者が広げた夢の大風呂敷と、初恋の行方は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる