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第三章 荒れる聖域。しかしその聖なるは誰がためのものか
第十七話 地獄の最後尾(21)
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大きくのけぞり、自然落下を始めるナンティ。
体勢を立て直さないと――ナンティが不屈の意思を見せた直後、
「ナンティ!」
真下から声が響いた。
見ると、そこには隊長と数人の仲間が集まっていた。
そのまま落ちてこい、受け止めてやる。そんな思いが感じ取れた。
だからナンティは身をゆだねた。
間も無く、荒々しくも柔らかい衝撃にナンティの体は包まれた。
「走れるか?!」
地面の上に降ろされながらの隊長からのその問いにナンティが頷きを返すと、路地の奥から新たな声が響いた。
「急げ! 敵の銃持ちが集まってきてる!」
同じ銃兵達を引き連れたフレディの声。
その声を合図にしたかのように隊長達は走り出した。
隊長に肩を担がれているゆえに、ナンティも引きずられるように走り出す。
そして間も無く、皆の足音を引き裂くような銃声が路地に響いた。
どちらの銃声か、それは判断がつかなかった。屋根上に姿を現した敵もフレディ達もほぼ同時に撃ち始めたからだ。
わかることは全力で走るしかないということだけ。
銃声の中に仲間が倒れる音が混じり始める。
後方から響くその音から逃げるようにナンティ達は足を動かしたが、
「ぐおっ!?」
凶弾はナンティ達を見逃してはくれなかった。
隊長がよろめき、ナンティが逆に支える。
そして二人は前のめりになりながら、路地を抜けた。
そこは少し開けた場所であった。
住宅街の中にある建築予定の無い小さな空き地、そこはそう見えた。
その空き地から枝分かれするように複数の路地が伸びていた。
全ての路地に味方の銃兵が待機していた。
だからナンティはどの路地に入ればいいのかわからなかったが、
「こっちだ!」
直後にフレディの誘導の声が響いた。
声がしたほうの路地に滑り込む。
「傷を見せろ!」
直後にナンティは隊長を無理矢理座らせ傷の状態を調べた。
貫通している。弾を摘出する必要は無い。
だが、穴の位置はきわどい箇所であった。
肩というよりは胸に近い位置。
手を押し当て、波の反応を見て状態を調べる。
(肺は無事、だが――)
周りの肋骨は撃ち砕かれている。
激しく動けば骨が肺に突き刺さるかもしれない。
それを言うべきかどうか、迷いながらナンティは止血を行った。
そして隊長はその手当てを受けながら声を上げた。
「魔法も弾も無いやつは負傷者を運べ! 戦えるやつは全員しんがりだ!」
だが、隊長は自身のことを負傷者として数えていないようであった。
だから隊長は止血が終わると同時に立ち上がった。
ナンティは即座に口を開いた。
「待て! 動いたら危険だ!」
だが、同じ感知能力者である隊長は自分のことをよくわかっていた。
だから隊長は頷きを返しながら口を開いた。
「わかってるさ。でも私にはやらなければいけないことがある」
隊長は続けてそのやらなければいけないことを、指示を声に出した。
「敵は感知能力者ばかりだ! 銃の数も多い! 絶対に先に身体を見せるな! 遮蔽物の後ろで待つことを徹底しろ!」
体勢を立て直さないと――ナンティが不屈の意思を見せた直後、
「ナンティ!」
真下から声が響いた。
見ると、そこには隊長と数人の仲間が集まっていた。
そのまま落ちてこい、受け止めてやる。そんな思いが感じ取れた。
だからナンティは身をゆだねた。
間も無く、荒々しくも柔らかい衝撃にナンティの体は包まれた。
「走れるか?!」
地面の上に降ろされながらの隊長からのその問いにナンティが頷きを返すと、路地の奥から新たな声が響いた。
「急げ! 敵の銃持ちが集まってきてる!」
同じ銃兵達を引き連れたフレディの声。
その声を合図にしたかのように隊長達は走り出した。
隊長に肩を担がれているゆえに、ナンティも引きずられるように走り出す。
そして間も無く、皆の足音を引き裂くような銃声が路地に響いた。
どちらの銃声か、それは判断がつかなかった。屋根上に姿を現した敵もフレディ達もほぼ同時に撃ち始めたからだ。
わかることは全力で走るしかないということだけ。
銃声の中に仲間が倒れる音が混じり始める。
後方から響くその音から逃げるようにナンティ達は足を動かしたが、
「ぐおっ!?」
凶弾はナンティ達を見逃してはくれなかった。
隊長がよろめき、ナンティが逆に支える。
そして二人は前のめりになりながら、路地を抜けた。
そこは少し開けた場所であった。
住宅街の中にある建築予定の無い小さな空き地、そこはそう見えた。
その空き地から枝分かれするように複数の路地が伸びていた。
全ての路地に味方の銃兵が待機していた。
だからナンティはどの路地に入ればいいのかわからなかったが、
「こっちだ!」
直後にフレディの誘導の声が響いた。
声がしたほうの路地に滑り込む。
「傷を見せろ!」
直後にナンティは隊長を無理矢理座らせ傷の状態を調べた。
貫通している。弾を摘出する必要は無い。
だが、穴の位置はきわどい箇所であった。
肩というよりは胸に近い位置。
手を押し当て、波の反応を見て状態を調べる。
(肺は無事、だが――)
周りの肋骨は撃ち砕かれている。
激しく動けば骨が肺に突き刺さるかもしれない。
それを言うべきかどうか、迷いながらナンティは止血を行った。
そして隊長はその手当てを受けながら声を上げた。
「魔法も弾も無いやつは負傷者を運べ! 戦えるやつは全員しんがりだ!」
だが、隊長は自身のことを負傷者として数えていないようであった。
だから隊長は止血が終わると同時に立ち上がった。
ナンティは即座に口を開いた。
「待て! 動いたら危険だ!」
だが、同じ感知能力者である隊長は自分のことをよくわかっていた。
だから隊長は頷きを返しながら口を開いた。
「わかってるさ。でも私にはやらなければいけないことがある」
隊長は続けてそのやらなければいけないことを、指示を声に出した。
「敵は感知能力者ばかりだ! 銃の数も多い! 絶対に先に身体を見せるな! 遮蔽物の後ろで待つことを徹底しろ!」
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