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第三章 荒れる聖域。しかしその聖なるは誰がためのものか
第十七話 地獄の最後尾(25)
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女は気まぐれや、ただ近いからという理由で狙いを変えているのでは無かった。
理由は直後にナンティ達の目に映った。
それは長い直線であった。
濁流は壁を這うが、跳ね返るたびに威力が大きく減衰して射程が短くなる。だからナンティ達はできるだけジグザグに移動しながら逃げていた。
だがここはそれができない。逃げ込める裏口も無い。
あの濁流の最大距離は知らない。だが、この直線くらいならば簡単に埋め尽くす、直感だが確信に近い感覚でそう思える。
ゆえに、
「……!」
ナンティは絶望しかけたが、
「左だ!」
フレディはその優秀な感知能力で可能性を見つけていた。
しかし左側に逃げ道など見当たらなかった。
窓はあるが小さすぎる。
だからフレディは心の声で「そこだ」と場所を示した。
それは壁であった。
だが石壁じゃない。他の建築物とは違う木の板の壁。
次の瞬間にナンティはフレディの意を理解し、その手を輝かせ、
「破ッ!」
木の壁に叩き付けた。
手から光の傘が開き、木の板を押し破る。
そして生じた木屑を浴びながらナンティ達三人は中に飛び込んだ。
ほぼ同時に女の槍から濁流が放たれる。
白い蛇の群れが路地を埋め尽くし、
「「「――っ!」」」
ナンティ達の後ろに遅れてついてきていた仲間達を悲鳴ごと飲み込んだ。
生じた轟音がナンティ達の耳を後ろから打ち、閃光が背中を照らす。
ナンティが開けた穴を食い広げながら蛇が中にもぐりこみ、その背に牙を向ける。
だがその牙は空を切った。
蛇の群れはナンティ達の真後ろで力尽き、その背に木屑を撒き散らすだけに終わった。
やった、なんとか切り抜けた、フレディはそんな心の声を響かせそうになったが、直後に感じ取ってしまった。
女の狙いがまだ自分達に向いていることに。
だからフレディは叫んだ。
「くそ! 走れ、走れ!」
理由は直後にナンティ達の目に映った。
それは長い直線であった。
濁流は壁を這うが、跳ね返るたびに威力が大きく減衰して射程が短くなる。だからナンティ達はできるだけジグザグに移動しながら逃げていた。
だがここはそれができない。逃げ込める裏口も無い。
あの濁流の最大距離は知らない。だが、この直線くらいならば簡単に埋め尽くす、直感だが確信に近い感覚でそう思える。
ゆえに、
「……!」
ナンティは絶望しかけたが、
「左だ!」
フレディはその優秀な感知能力で可能性を見つけていた。
しかし左側に逃げ道など見当たらなかった。
窓はあるが小さすぎる。
だからフレディは心の声で「そこだ」と場所を示した。
それは壁であった。
だが石壁じゃない。他の建築物とは違う木の板の壁。
次の瞬間にナンティはフレディの意を理解し、その手を輝かせ、
「破ッ!」
木の壁に叩き付けた。
手から光の傘が開き、木の板を押し破る。
そして生じた木屑を浴びながらナンティ達三人は中に飛び込んだ。
ほぼ同時に女の槍から濁流が放たれる。
白い蛇の群れが路地を埋め尽くし、
「「「――っ!」」」
ナンティ達の後ろに遅れてついてきていた仲間達を悲鳴ごと飲み込んだ。
生じた轟音がナンティ達の耳を後ろから打ち、閃光が背中を照らす。
ナンティが開けた穴を食い広げながら蛇が中にもぐりこみ、その背に牙を向ける。
だがその牙は空を切った。
蛇の群れはナンティ達の真後ろで力尽き、その背に木屑を撒き散らすだけに終わった。
やった、なんとか切り抜けた、フレディはそんな心の声を響かせそうになったが、直後に感じ取ってしまった。
女の狙いがまだ自分達に向いていることに。
だからフレディは叫んだ。
「くそ! 走れ、走れ!」
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