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第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神
第二十一話 そして聖域は地獄に変わる(10)
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槍の重量をもってしても、アーティットのほうが筋力などの総合力で上。
ゆえに、ベアトリスは大太刀を受けるのでは無く、流した。
ベアトリスから見て左上から迫ってきた刃を右下に流す。
この受け流しによって生じた互いの硬直と隙は五分。
しかし先に動いたのはアーティット。
袈裟に振り下ろした大太刀を振り上げる。
股下から脳天まで真っ二つにするかのような勢い。
水平にかつ下段に構えた槍でこれを受け止めるベアトリス。
金属音と共にベアトリスの体が浮き上がる。
すさまじい筋力、そのせいで浮いた、そう見えた。
だが違った。
浮いたのでは無く、ベアトリスは受けると同時に上に飛んだのだ。
そのことにアーティットは気づき、即座に対空迎撃の攻撃動作に入ろうとしたが、
「!」
アーティットの体は動かなかった。
ベアトリスが身にまとっているムカデが何匹も伸び、アーティットの体の神経に深々と牙を突き立てていた。
されど、堕ちてなお、アーティットは強き戦士であった。
体内で星を爆発させ、ムカデの拘束を力づくで破る。
しかしこの空対地の一合は既に勝負がついていた。
ベアトリスのほうが先に動いている。圧倒的に早い。防御が間に合わないほど。
アーティットに向かって空中回し蹴りの要領で光る足を振り下ろす。
その輝く足裏がアーティットの顔面に触れる瞬間、ベアトリスは足裏から防御魔法を展開した。
「っ!」
アーティットの顔面が潰れ、口から声にならない悲鳴が漏れる。
その衝撃に、大きくのけぞるアーティット。
アーティットは倒れなかったが、ベアトリスが次の動作を行うには十分な隙であった。
ベアトリスは防御魔法を切り離し、槍先をその中心に向け、
「せぇぃっや!」
さよなら、という思いを込めた気勢と共に槍を突き出した。
至近距離で放たれた嵐がアーティットの体を切り刻む。
しかしこの時、一体のドラゴンがベアトリスに狙いを定めていた。
ベアトリスは空中。回避不能。
既にブレスは喉奥に蓄えられている。あとは吐き出すだけ。
であったが、その口が開くことは無かった。
突然の爆発音と共に、ドラゴンの顔面は吹き飛んだ。
バークが放った爆発魔法。
アーティットに使う予定であったその一発を投げると同時に、バークはベアトリスから離れるように地を蹴っていた。
その足先が示す方向にはクラリスの姿があり、クラリスも既に攻撃動作に入っていた。
それはやはり得意技の墓荒らし。
数瞬遅れてバークも両手を輝かせ、爆発魔法を放った。
青い爆炎が広がり、衝撃波が石つぶてを押し散らす。
バークは手を止めず、爆発魔法を連射した。
クラリスの全力がどのようなものかを、バークはよく知っているからだ。
そして直後にそれは襲い掛かってきた。
それは石つぶての嵐。
視界が無くなるほどの密度と物量。
さらに石つぶてだけでなく、光の刃の濁流まで同時に襲い掛かってくる。
アルフレッドの戦いの時とはまったくの別物と言える規模の攻撃。
見ると、墓荒らしの動作自体もこれまでのものとはまったく違っていた。
ゆえに、ベアトリスは大太刀を受けるのでは無く、流した。
ベアトリスから見て左上から迫ってきた刃を右下に流す。
この受け流しによって生じた互いの硬直と隙は五分。
しかし先に動いたのはアーティット。
袈裟に振り下ろした大太刀を振り上げる。
股下から脳天まで真っ二つにするかのような勢い。
水平にかつ下段に構えた槍でこれを受け止めるベアトリス。
金属音と共にベアトリスの体が浮き上がる。
すさまじい筋力、そのせいで浮いた、そう見えた。
だが違った。
浮いたのでは無く、ベアトリスは受けると同時に上に飛んだのだ。
そのことにアーティットは気づき、即座に対空迎撃の攻撃動作に入ろうとしたが、
「!」
アーティットの体は動かなかった。
ベアトリスが身にまとっているムカデが何匹も伸び、アーティットの体の神経に深々と牙を突き立てていた。
されど、堕ちてなお、アーティットは強き戦士であった。
体内で星を爆発させ、ムカデの拘束を力づくで破る。
しかしこの空対地の一合は既に勝負がついていた。
ベアトリスのほうが先に動いている。圧倒的に早い。防御が間に合わないほど。
アーティットに向かって空中回し蹴りの要領で光る足を振り下ろす。
その輝く足裏がアーティットの顔面に触れる瞬間、ベアトリスは足裏から防御魔法を展開した。
「っ!」
アーティットの顔面が潰れ、口から声にならない悲鳴が漏れる。
その衝撃に、大きくのけぞるアーティット。
アーティットは倒れなかったが、ベアトリスが次の動作を行うには十分な隙であった。
ベアトリスは防御魔法を切り離し、槍先をその中心に向け、
「せぇぃっや!」
さよなら、という思いを込めた気勢と共に槍を突き出した。
至近距離で放たれた嵐がアーティットの体を切り刻む。
しかしこの時、一体のドラゴンがベアトリスに狙いを定めていた。
ベアトリスは空中。回避不能。
既にブレスは喉奥に蓄えられている。あとは吐き出すだけ。
であったが、その口が開くことは無かった。
突然の爆発音と共に、ドラゴンの顔面は吹き飛んだ。
バークが放った爆発魔法。
アーティットに使う予定であったその一発を投げると同時に、バークはベアトリスから離れるように地を蹴っていた。
その足先が示す方向にはクラリスの姿があり、クラリスも既に攻撃動作に入っていた。
それはやはり得意技の墓荒らし。
数瞬遅れてバークも両手を輝かせ、爆発魔法を放った。
青い爆炎が広がり、衝撃波が石つぶてを押し散らす。
バークは手を止めず、爆発魔法を連射した。
クラリスの全力がどのようなものかを、バークはよく知っているからだ。
そして直後にそれは襲い掛かってきた。
それは石つぶての嵐。
視界が無くなるほどの密度と物量。
さらに石つぶてだけでなく、光の刃の濁流まで同時に襲い掛かってくる。
アルフレッドの戦いの時とはまったくの別物と言える規模の攻撃。
見ると、墓荒らしの動作自体もこれまでのものとはまったく違っていた。
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