Iron Maiden Queen

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

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第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神

第二十二話 Deus Vult(主はそれを望まれた)(11)

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 ベアトリスの輪郭が白の中から一瞬浮き上がり、影の中に滑り込む。
 直後に光弾は弾け、中からあふれた白が瞬く間に大きく広がった。
 轟音と共に影が閃光に包まれる。

「きゃあぁっ!」

 衝撃波が影もベアトリスの悲鳴も何もかも吹き飛ばす。
 轟音と共にすべてが白に染まる。
 その白一色の中で、ベアトリスは痛みと共に吹き飛ぶ感覚を覚えた。
 それ以外は何もわからなかった。自分の態勢も、上下の感覚も。
 気付けば、ベアトリスはあお向けに倒れていた。

「痛っ……」

 苦悶の声を漏らしながら立ち上がる。
 周囲の木々は全てなぎ倒されていた。
 ただ折れて倒れているだけでは無い。雷に打たれたかのように引き裂かれているものが多数。
 ベアトリスが盾にした大木も倒れていた。
 バラバラになってはいないが、巨大な爪で削られたかのような傷がいくつもついている。
 だからゾっとした。
 位置が悪ければ下敷きにされていたからだ。
 しかしベアトリスはすぐに気を取り直した。
 あのねじれた巨人の攻撃はこれで終わりじゃない。もう次弾が発射される直前。
 すぐに動き始めなければならない。
 しかしそのためには情報がいる。
 だからベアトリスは声を上げた。

「情報収集を手伝って! ナチャさ――」

 そしてようやく気付いた。
 ナチャの気配が無くなっていることに。
 運動性能を補助してくれていたムカデの装具もいつの間にか無くなっている。
 先の爆発にやられた?! そう思った直後に感じ取れた。
 ナチャの存在は無くなってはいなかった。
 だが、その気配は小さくなっていた。バラバラになっていた。

「ナチャさん、大丈夫?!」

 その状態を確かめるために声をかける。
 が、

“現在修復中”

 返ってきた言葉は非常に機械的で頼りないものであった。
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