453 / 545
最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
第二十四話 神殺し、再び(53)
しおりを挟む
多くの者が同じような思いを抱いていた。
あの巨大な怪物に対抗する力は自分には無い。
だけど、この人は違う。
そんな思いと視線がシャロンとキーラに集まっていた。
ルイスも同じだった。シャロンとキーラに期待していた。
ゆえにその思いに共感したルイスは声を上げようとした。
中央の部隊は後退せよ、と。
が、それよりも先にアルフレッドの声が割り込んだ。
「待ってください! 奴も、大神官も向かって来ています!」
その声でルイスも気付くことが出来た。感じ取れた。
確かに、奴の気配を感じる。
デカブツの少し前、先頭を走っている。
ゆえに、ルイスは指示の内容を少し変えざるを得なくなった。
奴は爆発魔法の使い手。
精霊は爆発による衝撃波に対しての防御能力を持たない。霧のように吹き散らされる。
つまり誰かが援護しなければナチャはあっさりと吹き飛ばされ、我々は成す術も無くデカブツに飲み込まれるだろう。
誰かがこのまま最前列に残って大神官を抑えなければならない。
その誰かのうちの一人は確定している。自分だ。自分以上にナチャと連携が取れる人間はいない。
他に残ってほしい人間は――
直後、候補に浮かんでいた戦士の一人は自発的に声を上げた。
「奴が来るなら自分はここに残ります!」
アルフレッドのその声に触発されたのか、
「ならば俺も残ろう」
デュランも続けて志願し、
「敵の銃持ちも一緒に突っ込んでくるんだろう? なら俺達は必須だな」
いつの間にか斜め後ろにいたフレディが声を響かせ、
「ならば我々大盾兵も必要でしょうな」
大盾兵の隊長も名乗りを上げた。
隊長のその声に反対する大盾兵はいなかった。
声は響かなかったが、魔法使い達も同じ思いのようであった。
それは奇妙な連帯感であった。
前方から迫ってくるのはかつてない規模の異形。
勝ち目があるのかどうかなど想像すら出来ない。
しかし立ち向かわなければならないという思いが沸き上がってくる。
こいつらはこの場で叩き潰さねばならない、そんな思いがはっきりと自覚できた。
これは人類の未来のための戦い、そんな思いがいつの間にか共有されていた。
その思いをルイスは汲み取り、ゆえに少し指示の内容を変えて叫んだ。
「精霊使いは後退! 他の者は全員この場に残って敵の突撃を食い止めるぞ!」
あの巨大な怪物に対抗する力は自分には無い。
だけど、この人は違う。
そんな思いと視線がシャロンとキーラに集まっていた。
ルイスも同じだった。シャロンとキーラに期待していた。
ゆえにその思いに共感したルイスは声を上げようとした。
中央の部隊は後退せよ、と。
が、それよりも先にアルフレッドの声が割り込んだ。
「待ってください! 奴も、大神官も向かって来ています!」
その声でルイスも気付くことが出来た。感じ取れた。
確かに、奴の気配を感じる。
デカブツの少し前、先頭を走っている。
ゆえに、ルイスは指示の内容を少し変えざるを得なくなった。
奴は爆発魔法の使い手。
精霊は爆発による衝撃波に対しての防御能力を持たない。霧のように吹き散らされる。
つまり誰かが援護しなければナチャはあっさりと吹き飛ばされ、我々は成す術も無くデカブツに飲み込まれるだろう。
誰かがこのまま最前列に残って大神官を抑えなければならない。
その誰かのうちの一人は確定している。自分だ。自分以上にナチャと連携が取れる人間はいない。
他に残ってほしい人間は――
直後、候補に浮かんでいた戦士の一人は自発的に声を上げた。
「奴が来るなら自分はここに残ります!」
アルフレッドのその声に触発されたのか、
「ならば俺も残ろう」
デュランも続けて志願し、
「敵の銃持ちも一緒に突っ込んでくるんだろう? なら俺達は必須だな」
いつの間にか斜め後ろにいたフレディが声を響かせ、
「ならば我々大盾兵も必要でしょうな」
大盾兵の隊長も名乗りを上げた。
隊長のその声に反対する大盾兵はいなかった。
声は響かなかったが、魔法使い達も同じ思いのようであった。
それは奇妙な連帯感であった。
前方から迫ってくるのはかつてない規模の異形。
勝ち目があるのかどうかなど想像すら出来ない。
しかし立ち向かわなければならないという思いが沸き上がってくる。
こいつらはこの場で叩き潰さねばならない、そんな思いがはっきりと自覚できた。
これは人類の未来のための戦い、そんな思いがいつの間にか共有されていた。
その思いをルイスは汲み取り、ゆえに少し指示の内容を変えて叫んだ。
「精霊使いは後退! 他の者は全員この場に残って敵の突撃を食い止めるぞ!」
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる