Iron Maiden Queen

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む

第二十五話 愛を讃えよ(18)

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 それは名の通りの代物だった。
 大剣にマントがからみつき、回転している。
 いや、マントだけでは無い。大剣そのものもねじれ、回転している。
 まるで炎の竜巻が剣にまとわりついているかのよう。
 さらにそれだけでは無かった。
 銀粉をまぶしたかのように、竜巻はきめ細かく輝いていた。
 光魔法の輝き。
 炎と光が混ざり合いながら回転している。
 渦の中心にある大剣は光の魔力が濃く、眩しいほどに光っている。

(これは……っ!) 

 これは盾では受けられない、盾ごと飲み込まれる。

(ならば……っ!)

 受けられないならば、押し返すしか無い。幸いなことに防御魔法は展開したばかり、これはしのげる!
 時間の流れが緩慢に感じられるほどの高速演算の中で、これは、ならばと、二つの言葉を強く響かせながらサイラスは動いた。
 が、

“遅い!”

 その二つの言葉を吹き飛ばすように、アゼルフスの思念がより響いた。
 そしてその言葉と共に絶望がサイラスに叩きつけられた。
 サイラスが嵐を繰り出すより速く、アゼルフスの剣先が大盾に突き立った。

「っ!!」

 防御魔法が破られた感触が手に伝わった。
 そして叩きつけられた炎の竜巻は液体のように形を崩し、赤い絨毯のように広がった。
 その絨毯はサイラスの瞳を焼きあぶりながら、視界を赤一色に染めた。

(死――っ!)

 脳裏に流れかけた「死ぬ」という言葉は、「死んでたまるか!」という本能の叫びによって吹き飛ばされた。
 足も勝手に動いていた。
 炎から逃げるように後方に地を蹴る。
 しかしこれではわずかに時間を稼ぐだけ。
 だが、サイラスの理性は一つの可能性を感じ取っていた。
 それは後方から近づいている数多くの味方の気配。
 その中に突出して速い気配が一つあった。
 そしてその気配は一つの思念をサイラスに向かって響かせていた。

(これを使え!)
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