Chivalry - 異国のサムライ達 -

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

文字の大きさ
57 / 586
第三章 アランが己の中にある神秘を自覚し、体得する

第二十二話 悩める者と暗躍する者(3)

しおりを挟む

   ◆◆◆

 次の日――

 サイラスはフレディを連れてジョナスが治める村に足を踏み入れた。

「あれがジョナスの屋敷です」

 そう言いながら、フレディはこぢんまりとしているが美しい屋敷を指差した。

「小さな屋敷だな。まあ、免罪符が買えない時点で予想はついていたが」

 貴族と一言で言っても色々な者がいる。一つは強大な魔法力を認められた者や、力ある貴族に上手く取り入った者のような、要は上から拾い上げられた者。そしてもう一つが、領民など下々からの厚い支持を受けて成った者だ。
 ジョナスは後者の貴族だ。貧乏であるが、民から慕われている。

「確か、屋敷に人が集まるのは夕方頃だと言っていたな」

 尋ねるサイラスに、フレディが頷きを返す。

「よし、それじゃあ適当な所に身を潜めてその時を待つぞ」

   ◆◆◆

 そして、日が沈み始めた頃――

 ジョナスは私室で事務仕事をこなしていた。
 その内容は泥臭いものばかり。人を雇う余裕がある貴族ならば絶対にやらないようなものだ。
 最後の書類に目を通す。ちょうどその時、ノックの音が部屋に響いた。

「入るぞ、ジョナス」

 ノックの主はジョナスの許可を得るよりも早くドアを開けた。

「……すぐにドアを開けたらノックの意味が無いだろう、ケビン」

 ケビン――彼のことを読者の皆様は覚えておいでだろうか。
 彼はかつてアランと共にサイラス率いる軍と戦ったことがある男である。そのケビンがなぜこんなところにいるのか。

「それで何の用だ、ケビン?」
「分かっているだろう。既に皆来ているぞ」
「もうそんな時間か」

 ジョナスは席を立ち、接客用の服に手をかけた。

   ◆◆◆

 裏庭には数十人ほどの人間が集まっていた。
 それは奇妙な集まりに見えた。半数ほどは完全武装した兵士であり、残りの半分は土や炭で汚れたボロを身にまとう農民であったからだ。
 そこへジョナスとケビンが姿を現す。それを見た兵士と農民達は、一斉に整列した。

「では、今日も始めよう」

 ジョナスが開始を告げる。簡潔な言葉であったが、兵士と農民達は鋭い返事とともに散開した。
 誰が何をやるのかは決まっているらしく、その動きには慣れが見え、兵士と農民達は各々訓練を開始した。
 土壁に向かって光弾を放つ者、腕立て伏せをする者など、それは様々であった。
 ケビンはその者達の周りをうろつきながら、訓練の成果を窺った。
 そして、ケビンはある場所で足を止めた。
 ケビンの正面には大盾を構えた二人の男が向かい合っていた。
 片方の男が気勢を上げる。男は盾を正面に構えながら突進し、対する男にぶちかましを決めた。
 受けた男が仰向けに倒れる。直後、ケビンは声を上げた。

「もっと足を踏ん張り、腰を入れろ! そんなへっぴり腰では敵の突撃を受け止めることはできないぞ!」

 場に響くケビンの怒声。だが、これに物怖じする様子を見せた者は誰一人いなかった。
 皆真剣そのものであった。皆心から強くなることを願っているようであった。

 そんな訓練の様子を、ジョナスは少し離れたところから見ていた。
 いや、正確にはその目は何の像も映してはいなかった。ジョナスの意識は場に集まった皆とは違うところを向いていた。
 ジョナスは迷っていた。
 このような事を――今の腐った魔法信仰に牙を立てようとしている事を、やめるべきなのでは無いだろうか? ジョナスはそう思うようになっていた。
 そう、やめたほうがいい。マギーは助かったのだから。
 ふと浮かんだこの言葉に、ジョナスは「はっ」となった。
 なんということを考えているのだ。そもそもこれは自分が始めたことでは無いか。
 ここに集まっている者達は皆、魔法信仰を憎んでいる。自分のように家族を奪われた者も多い。

「………ス!」

 そうだ、今更自分の身を安全なところに置くなど、彼らの怒りを鎮めようなど――

「ジョナス!」

 ようやく意識に届いたケビンの声に、ジョナスは我へ返った。

「あ、ああ、済まない。考え事をしていた」

 見ると、ケビンは鋭い目つきである方向を睨んでいた。
 視線を追う。すると、ジョナスの目に二人の男の姿が映った。
 それはサイラスとフレディであった。
 まずいものを見られた――場にはそんな危険な空気が張り詰めていた。
 何かを言うべきだ。ジョナスはそう思ったが、言葉が浮かばなかった。
 そして、この張り詰めた静寂を破ったのはサイラスであった。

「おっと、申し訳ない……お邪魔だったかな? 玄関を叩いたのだが反応が無くてね。裏から声が聞こえてきたものだから、失礼だとは思いながら覗き見に来てしまったのだ」

 これは当然嘘である。サイラスはフレディの先導を頼りに忍び込んだのだ。サイラスは玄関に近づいてすらいない。
 そして、サイラスの次の言葉を待つべきでは無いと思ったジョナスは、口を開いた。

「これはサイラス様、今日はどのようなご用件で?」

 できる限り平静を装いながら尋ねる。

「大した用じゃ無い。昨日これをうちに置き忘れて帰っただろう?」

 そう言ってサイラスはあの煙草入れを取り出した。

「……わざわざこれだけのためにご足労頂くとは」

 ジョナスはサイラスから煙草入れを受け取りながら礼を返したが、その動きはどこかぎこちなかった。

 ……そして、また静寂が場を支配した。
 何とかしなくては。疑惑を持たれることが無いよう、何とか言いくるめなければならない。
 そして、ジョナスが再び口を開こうとした瞬間、サイラスが鋭くこう言い放った。

「中に入って話さないか? その方がいいだろう」

   ◆◆◆

「回りくどいのは好かない。だから結論から聞きたい」

 ジョナスの私室に案内されたサイラスは、即座に尋ねた。

「……何をしようとしていた? 何を考えていたか、でもいい」
「……」

 口を閉ざすジョナスに、サイラスは追い込みをかけた。

「ジョナス、あのような軍隊を所有していることを、ちゃんと上に伝えているのか?」

 ジョナスの逃げ道を塞ぐ。人情味のあるこの男のことだ、このような追い込みをかけずとも、既に決心はついているだろうが。
 そして、サイラスの予想通り、ジョナスはそれを口にした。

「……私は、今の腐った魔法信仰に牙を剥こうと考えていました」
「……」

 わざと何も言わぬサイラスに、ジョナスはすがるような目を見せた。

「お願いします、サイラス様! この事はどうか内密に!」

 頃合か、そう思ったサイラスは口を開いた。

「……ジョナス殿、心配なさるな。私もあなたと同じなのだ」
「……?」

 同じ。その言葉はジョナスを安心させた以上に、困惑させた。

「それは一体どういう……」
「言葉通りの意味だ。私も貴殿と同じ危険な考えを胸に抱いているのだ」

 もったいぶった言い回しであった。はっきりとした言葉を聞きたい。そう思ったジョナスは再び尋ねた。

「危険な考えというのは、つまり――「しっ!」

 突然、それまで部屋の隅で空気のように存在を消していたフレディが、口に指を当てながら「黙れ」を意味する警告を放った。
 ドアを睨み付けながら口を開く。

「その重い足音、兵士さんだろ? そんなところで聞き耳を立ててないで入ってきたらどうだい?」

 静寂が数瞬場を支配した後、ドアは「きいい」と、軋みを上げながら開いた。
 そして、ドアの向こうからケビンが姿を現す。

「……」

 様々な思惑が交差する中、ケビンはゆっくりと部屋に入ってきた。
 その緩慢な動きから伝わるのは緊張では無く威圧感。鎧の上からでも分かる筋肉質な体つきと、油断の無いその動きは、この場を圧倒する何かがあった。
 不思議なことに場はケビンが放つ空気に支配されつつあった。だからサイラスは先手を打った。

「何者だ。名を聞かせてもらおう」

 鋭く言い放つ。これにジョナスが声を上げた。

「サイラス様、この者は私の兵士で――」

 サイラスが手をかざしてその口を閉ざす。

「ジョナス、私は彼の口から聞きたいのだ」

 兵士はゆっくりと口を開いた。

「……ケビンだ」
「ふむ、ケビンとやら、何を考えて盗み聞きしようなどと思った?」
「……」

 暫し後、ケビンは答えた。

「……もし、お前がジョナスの害になる男だったならば、この場で始末するつもりだった」

 その目は本気であると訴えていた。
 対し、サイラスはこの殺意を飄々とした態度で返した。

「それはまた物騒な話だな。安心しろ、ジョナスに害が及ぶようなことは決してしない」

 最後に「今のところは」という言葉があったのだが、サイラスはそれを口に出さずに飲み込んだ。

「……」

 ケビンは何も言わなかったが、発せられるぴりぴりとした敵意が少しだけ穏やかになった。
 それを感じ取ったサイラスは、少し踏み込んだ話をすることにした。

「ケビンとやら、その執念すら感じる振る舞い、ジョナスへの忠心だけから生まれているものではあるまい。何としても自身の中にある危険な考えを成し遂げたいと思っている、そんな気配を感じたぞ」
「……」
「ケビン、もう一度言うが私は味方だ。その上で尋ねたい。お前をそこまでさせるものはなんだ? 聞かせてほしい」
「……」
「……話しにくいことなのか? ならば……そうだな……まず私から、私が戦う理由を話そう」

 その言葉に、場にいる全員が反応した。
 魔法信仰に牙を剥く理由を話すということ、それはつまり自分の過去を話すということだ。そして、それはフレディも知らないことであった。

「……どこから話したものか……まず、私はこの国の生まれでは無い。私は外界から誘拐されてきた人間だ」

 これにジョナスは驚きを表した。そこから一代で将軍の地位まで上り詰めるのは並大抵のことでは無い。

「だから私は魔法信仰を憎んでいる」
「……」

 ケビンはまだ何も答えない。

「これではまだ信用できないか? ならば、そうだな……十五年ほど前に、この国で奴隷達が反乱を起こしたことは覚えているな?」

 この国の者では無いケビンでもそれは知っていた。

「あれを手引きしたのは私だ」

 さらりと言ってのけた衝撃の事実に、場の全員が膠着した。

「……あれは失敗だった。……奴隷達には本当にすまないことをしたと思っている。私は魔法信仰の、あの腐った集団の力を完全に見誤っていた。
 奴隷達が立てば、それに触発されて別の者達も立ち上がるはずだ、そう思って事を起こし、事実そうなった。……だが、それでも勝てなかった」

 サイラスはしみじみと言葉を続けた。

「外から少し圧力をかけた程度ではどうにもならない。それを悟った私は、魔法信仰を内部から食い尽くすことを決意したのだ」

 言い終えると同時に、サイラスはケビンと視線を合わせた。

「もう十分だろう。次は貴殿の番だ」
「……」

 ケビンはやはり答えないように見えた。
 だが、そうでは無かった。ケビンは考えていた。
 目線を落とし、思考にふける。
 暫し後、ケビンは再び視線を戻し、口を開いた。

「私は……元兵士だ。それも、あなた方から見て敵国のだ。ある部隊の隊長を務めていたこともある」

 自分は敵国の人間だ――驚きと共に悪い印象を与えかねない切り出し方だ。
 だが、この手の切り出し方をする話は、後半になり理由が判明するにつれ印象が良くなるものが多い。

 それを分かっているサイラスは黙って次の言葉を待った。

「私は村を、妻と子を守るために兵士になった」

 この時点で、サイラスはケビンが戦う理由の目星がついた。

「だが私は戦いに敗れ、村はお前たちに占領された。その後戦線を押し返し、私が再び駆けつけた時には、村は破壊され跡形も無くなっていた」

 村が占領された時――それは、カルロという守りを失ったあの時期のことを指しているのだろう。

「私は難民達の足取りを追った。そして、遂に同じ村の出身者を見つけた」

 幸運である。が、語るケビンの表情は暗かった。

「私はようやく妻と子の手がかりを得た……が、それは最悪な情報だった。私の妻と子はこの国の兵士達に拉致されていた。知らなければ良かった、そう思った」

 一呼吸分の間を置いた後、ケビンはジョナスの方に視線を移しながら最後の一言を述べた。

「そして、私は今ここで、ジョナスの元でこうしている」

 力強い眼差しを送るケビン。対し、ジョナスの表情はどこか申し訳なさそうであった。
 先ほどまで――サイラスに見られるまで、ジョナスの心は揺れていた。
 そんな自分が、ケビンの期待に、執念に応えられるのだろうか。そんな思いがジョナスの表情に陰りを与えていた。

 一方、サイラスはそんなケビンをやるせない表情で見つめていた。

(兵士に拉致された女子供がどうなるかなど、相場が決まっている。哀れだな。今頃は、誰かの慰み者に――)

 サイラスはそこで思考を一旦止めた。目に哀れみの色が現れそうになるのをぐっと堪える。
 サイラスは額に少し力を入れながら、再び思考を巡らせた。

(いや、恐らくケビンは自分の妻と子の結末を既に知っているのだろう。そう考えた方が執念すら感じるケビンの振る舞いに合点がいく)

 そして暫し後、サイラスは口を開いた。

「フレディ、あれを」
「へい」

 言われたフレディは、懐から一本の酒瓶を取り出した。
 受け取ったサイラスは、同じくフレディが用意した杯にそれを注いだ。

「使い古された慣習だが……同士となるための儀式をしよう」

 ケビンとフレディに杯を手渡す。
 そして、三人は暫し見合った後、誰からともなく杯を前に出した。
 三つの杯が軽くぶつかり合い、小気味良い音が響く。

「今日、我ら三人は、憎き魔法信仰を滅ぼすために、親子の絆よりも固い結束を持つ同士となることを、ここに誓う」

 サイラスの宣言の後、三人は同時に杯に口をつけた。

   ◆◆◆

 帰り道、フレディはサイラスに話しかけた。

「上手くいきやしたね、大将」

 サイラスは「ああ」と答え、

「良い拾いものをした。正直、最初はあまり期待していなかったのだがな。まさか隊長格の人間が手に入るとは」

 上機嫌でそう言ったが、「だが――」と言葉を続けた。

「ジョナスには迷いがあるように感じられる。監視をつけておけ」

 これにフレディは「へい」と答えた。

   ◆◆◆

 次の日の夜――

 サイラスは私室に二人の客人を迎えていた。
 一人はサイラスより一回りは年上に見える初老の男。そしてもう一人は女性で、その年はサイラスと同じくらいに見えた。
 サイラスは従者に茶を用意させたあと、人払いを済ませ、二人の客が腰掛けるテーブルの対面に座った。

「それで今日の用件は?」

 サイラスはいつも通りの口調で尋ねたが、初老の男は真剣な表情で口を開いた。

「……今日はラルフのことについて聞いておきたくてな」

 表情を変えないサイラスに対し、初老の男は言葉を続けた。

「神学校に入れられたそうだが、放って置いて大丈夫なのか? このまま成長して敵になれば手に負えなくなるぞ。今のうちに暗殺するべきではないか?」

 初老の男の問いにサイラスは答えた。

「今ラルフを始末するのは早計だと思っている」
「なぜだ?」
「ヨハン達も馬鹿では無い。今ラルフを暗殺すれば、血眼になって我々のことを探しだすだろう。そうなると全面戦争しか道は無い」
「それの何が問題なのだ? 今の我々の戦力ではどうあがいても勝てないと?」

 サイラスは少し間を置いたあと口を開いた。

「……分が悪いのは確かだが、ラルフさえいなければ勝ち目はあるだろう。だがもっと上手いやり方がある」
「それは?」
「ヨハンは近い将来、ラルフをカルロにぶつけるはずだ。事を決めるのはその戦いの決着が付いた後のほうが良い。
 理想的なのはラルフが勝つことだ。ラルフを暗殺するかどうかはその後でいい。味方であると思われていれば近づくのは容易だ」

 サイラスは二人の顔を比べるように見回した後、結論を述べた。

「それまで我々はじっと力を蓄えていればいい。ヨハンとカルロ、双方が消耗してから動くべきだろう」

 この国は一枚岩では無い。腐敗した宗教が政治にまで影響を及ぼしているのだから当然であるが。
 サイラスはそんな者達を束ね、着実に力を蓄えているのであった。

   第二十三話 神秘の体得 に続く
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

新約・精霊眼の少女

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 孤児院で育った14歳の少女ヒルデガルトは、豊穣の神の思惑で『精霊眼』を授けられてしまう。  力を与えられた彼女の人生は、それを転機に運命の歯車が回り始める。  孤児から貴族へ転身し、貴族として強く生きる彼女を『神の試練』が待ち受ける。  可憐で凛々しい少女ヒルデガルトが、自分の運命を乗り越え『可愛いお嫁さん』という夢を叶える為に奮闘する。  頼もしい仲間たちと共に、彼女は国家を救うために動き出す。  これは、運命に導かれながらも自分の道を切り開いていく少女の物語。 ----  本作は「精霊眼の少女」を再構成しリライトした作品です。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

レイブン領の面倒姫

庭にハニワ
ファンタジー
兄の学院卒業にかこつけて、初めて王都に行きました。 初対面の人に、いきなり婚約破棄されました。 私はまだ婚約などしていないのですが、ね。 あなた方、いったい何なんですか? 初投稿です。 ヨロシクお願い致します~。

伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦

未羊
ファンタジー
気が付くとまん丸と太った少女だった?! 痩せたいのに食事を制限しても運動をしても太っていってしまう。 一体私が何をしたというのよーっ! 驚愕の異世界転生、始まり始まり。

処理中です...