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21.追い縋る想い人
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「なに?」
意識したわけじゃないけど、ちょっと自分でも驚くぐらい硬質な声が出た。うん、申し訳ないけど、これも一時期しつこくされたせいだと自業自得で処理していただきたい。
「その、謝ろうと思って」
「ん? 何を?」
いじわるじゃない。丹田くんに謝ってもらうことなんて何もないと思ってる。ただ単に、おしゃべりの仕方が合わないってだけなんだから。
「あー……、ユズを不快にさせた、から?」
「うん、自分でも何を謝ろうと思ってるのかハッキリしないなら、謝るのはやめておいた方がいいんじゃないかな」
隣に追いついてきた丹田くんに、忠告めいたことを返す。
「やっぱり、怒ってる?」
「怒ってる……というのとは違うよ。この間のことは、なんていうか、丹田くんと合わないっていうのが積み重なって言っただけだから、それ以上でもそれ以下でもないと思うんだけど」
「合わないっていうのは……」
「うーん、端的に言うと、丹田くんとおしゃべりしてると……いや、違うかな。丹田くんのおしゃべりを聞いてると、たまに苦痛だってこと」
そっちの方が怒ってるよりきついんだけど、なんて言われても、その通りだから、としか言いようがない。
「じゃぁ、どうしたらユズが苦痛を感じないおしゃべりができるんだ?」
「難しい」
「どうして」
「基本的に会話のテンポが合わないと思うんだ。丹田くんの話を聞いてるのは楽しいときもあるけど、私の意見を挟む隙間が見つからなくて、ストレスを感じる」
「あー……、ごめん」
あ、また謝られた。だから、謝るとかそういう話じゃないんだってば。
「違うんだよ。謝って欲しいわけじゃないの。会話のテンポが合わないから、長時間話してるとフラストレーションが溜まって会話してる時間が長ければ長いほど嫌いに感じるって話。これはもう個々の問題だから、謝る話じゃないよね?」
「でも、ユズを不快にさせたってことだろ」
「ついでに言うと、その『ユズ』もやめて欲しい。丹田くんとしては、距離を縮めるための手っ取り早い方法なのかもしれないけど、私にとってそれほど親しくない相手から名前呼びされるのって、違和感があるの」
「……分かった」
まさか、こんなところで丹田くんをフるときに梓ちゃんと相談してたアレコレが役立つとは思わなかった。
梓ちゃんは、イヤなことはイヤだとキッパリ斬って捨てろと言っていたけど、思っていた以上に効果的なのかもしれない。言ってる私も胸が痛いから諸刃の剣ではあるけど。
「じゃぁ、ユ……別役さんの話が聞きたい。あの本屋って、よく行くの?」
おかしいな。私にしてはスッパリ切ったはずなのに、丹田くんはメゲる様子がない。どうしてだ。梓ちゃん。私はやりきったはずだよ!
「大きな本屋だから、学校帰りに寄るときもあるよ」
「七ツ役からは、星が好きって話を聞いたけど」
「うん、七ツ役くんから星検の話を聞いて、受けてみた。元々、七ツ役くんとだって、1年のときに部活の展示を見に行ったときに知り合ったわけだし」
私は自分のことを「星好き」とは思ってない。正しくは「七ツ役くんの興味のあることが好き」なだけだから。はい、ここ重要。テストには出ないけど。
「だったら、僕もその星検ってやつ受ける」
「え?」
「共通の話題があれば、ユ……別役さんともっと会話が弾むかもしれないよね?」
どうしよう。なんか話が通じてない気がするんだけど! 話題の問題じゃなくてテンポの問題だって言ったよね?
「これからも、僕が別役さんを不快にさせるようなことがあれば言って欲しい」
「……分かんないよ」
「何が?」
「なんで私なの? 丹田くんだったら、もっと……」
「言ったでしょ。僕にない視点を持ってる別役さんだから、いいんだよ」
そういえば、告白されたときに、前に出る人のことを考えて、色々準備とかしてくれる、とかなんとか言われたような言われてないような?
「僕ってこんな……あー、いわゆるお調子者のキャラだからさ、たぶん別役さんを不快にさせたみたいに、気付かないところで人を傷つけてるんじゃないかって思うんだよ」
「それは誰にだってあることじゃない?」
万人に好かれる人なんて、無理な話だっていうのは私にだって分かる。だからこそ、気の合う友達同士でつるむわけだし。
「そうかもしれないけど、でも、できるだけ少なくしたいって思うじゃん」
「まぁ、気持ちは分かるけど」
誰だって好きで人を傷つけたいわけじゃないよね。いや、もしかしたら、とんでもない性癖で人を傷つけるのが楽しいって人もいるかもしれないけど、それはレアケースだ。
「だから、僕にはない視点で、別役さんが指摘してくれたら、もっとよくなれると思うんだ」
「それ、私じゃなくてもいい話だよね」
「だって、別役さん、鹿宮さんと仲いいじゃん」
……は?
意識したわけじゃないけど、ちょっと自分でも驚くぐらい硬質な声が出た。うん、申し訳ないけど、これも一時期しつこくされたせいだと自業自得で処理していただきたい。
「その、謝ろうと思って」
「ん? 何を?」
いじわるじゃない。丹田くんに謝ってもらうことなんて何もないと思ってる。ただ単に、おしゃべりの仕方が合わないってだけなんだから。
「あー……、ユズを不快にさせた、から?」
「うん、自分でも何を謝ろうと思ってるのかハッキリしないなら、謝るのはやめておいた方がいいんじゃないかな」
隣に追いついてきた丹田くんに、忠告めいたことを返す。
「やっぱり、怒ってる?」
「怒ってる……というのとは違うよ。この間のことは、なんていうか、丹田くんと合わないっていうのが積み重なって言っただけだから、それ以上でもそれ以下でもないと思うんだけど」
「合わないっていうのは……」
「うーん、端的に言うと、丹田くんとおしゃべりしてると……いや、違うかな。丹田くんのおしゃべりを聞いてると、たまに苦痛だってこと」
そっちの方が怒ってるよりきついんだけど、なんて言われても、その通りだから、としか言いようがない。
「じゃぁ、どうしたらユズが苦痛を感じないおしゃべりができるんだ?」
「難しい」
「どうして」
「基本的に会話のテンポが合わないと思うんだ。丹田くんの話を聞いてるのは楽しいときもあるけど、私の意見を挟む隙間が見つからなくて、ストレスを感じる」
「あー……、ごめん」
あ、また謝られた。だから、謝るとかそういう話じゃないんだってば。
「違うんだよ。謝って欲しいわけじゃないの。会話のテンポが合わないから、長時間話してるとフラストレーションが溜まって会話してる時間が長ければ長いほど嫌いに感じるって話。これはもう個々の問題だから、謝る話じゃないよね?」
「でも、ユズを不快にさせたってことだろ」
「ついでに言うと、その『ユズ』もやめて欲しい。丹田くんとしては、距離を縮めるための手っ取り早い方法なのかもしれないけど、私にとってそれほど親しくない相手から名前呼びされるのって、違和感があるの」
「……分かった」
まさか、こんなところで丹田くんをフるときに梓ちゃんと相談してたアレコレが役立つとは思わなかった。
梓ちゃんは、イヤなことはイヤだとキッパリ斬って捨てろと言っていたけど、思っていた以上に効果的なのかもしれない。言ってる私も胸が痛いから諸刃の剣ではあるけど。
「じゃぁ、ユ……別役さんの話が聞きたい。あの本屋って、よく行くの?」
おかしいな。私にしてはスッパリ切ったはずなのに、丹田くんはメゲる様子がない。どうしてだ。梓ちゃん。私はやりきったはずだよ!
「大きな本屋だから、学校帰りに寄るときもあるよ」
「七ツ役からは、星が好きって話を聞いたけど」
「うん、七ツ役くんから星検の話を聞いて、受けてみた。元々、七ツ役くんとだって、1年のときに部活の展示を見に行ったときに知り合ったわけだし」
私は自分のことを「星好き」とは思ってない。正しくは「七ツ役くんの興味のあることが好き」なだけだから。はい、ここ重要。テストには出ないけど。
「だったら、僕もその星検ってやつ受ける」
「え?」
「共通の話題があれば、ユ……別役さんともっと会話が弾むかもしれないよね?」
どうしよう。なんか話が通じてない気がするんだけど! 話題の問題じゃなくてテンポの問題だって言ったよね?
「これからも、僕が別役さんを不快にさせるようなことがあれば言って欲しい」
「……分かんないよ」
「何が?」
「なんで私なの? 丹田くんだったら、もっと……」
「言ったでしょ。僕にない視点を持ってる別役さんだから、いいんだよ」
そういえば、告白されたときに、前に出る人のことを考えて、色々準備とかしてくれる、とかなんとか言われたような言われてないような?
「僕ってこんな……あー、いわゆるお調子者のキャラだからさ、たぶん別役さんを不快にさせたみたいに、気付かないところで人を傷つけてるんじゃないかって思うんだよ」
「それは誰にだってあることじゃない?」
万人に好かれる人なんて、無理な話だっていうのは私にだって分かる。だからこそ、気の合う友達同士でつるむわけだし。
「そうかもしれないけど、でも、できるだけ少なくしたいって思うじゃん」
「まぁ、気持ちは分かるけど」
誰だって好きで人を傷つけたいわけじゃないよね。いや、もしかしたら、とんでもない性癖で人を傷つけるのが楽しいって人もいるかもしれないけど、それはレアケースだ。
「だから、僕にはない視点で、別役さんが指摘してくれたら、もっとよくなれると思うんだ」
「それ、私じゃなくてもいい話だよね」
「だって、別役さん、鹿宮さんと仲いいじゃん」
……は?
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