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騎士と秘密と姫君と
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人質交換に向かう準備よりもまず、私は会うべき人の所へと向かっていた。陽が落ちれば人目も多くなるので、今のうちに行っておきたいし、何より遅くなれば話ができないかもしれない、と自然と足早になってしまう。
城の敷地内にある兵の宿舎は、常であれば女性である私が入るなんてとんでもない、と止められるような場所だ。でも、有事の今は私を咎める人影もない。こんなときの、しかも昼日中に宿舎にいるような人なんて、会いに行こうとしている相手ぐらいのものだろう。
(まだ、寝てないといいんだけど)
躊躇う時間も惜しんで、とりあえずノックをする。
「ジョシュアさん、起きていますか?」
返事はない。疲れているようだったし、やっぱり寝てしまっているんだろうか。困った。
仕方なく隣に控えていた侍女から紙とペンを借りると、用件だけを書いて、ドアの下にそっと挿し込む。
「手紙を置いておきます。あまり時間はありませんが、どうかゆっくり休んでくださいね」
陽が落ちた後でもいいから、一度起きてもらえると助かるのだけど。最悪、一人で行くことも考えた方がいいかもしれない。
伝令に走って来た彼には申し訳ないが、現地までの案内を頼もうと思っているのだ。今後のことを考えると、彼にはぜひ共犯者になってもらいたい。私の扱い方を心得ている重臣と違い、一般兵士には、私の能力については疑惑のままでいて欲しい。そのためには、伝令に走ったジョシュアと、応援に駆け付けた私が途中で行き会ったということにしたいのだ。
(考えても仕方ないか)
指定された服装を揃えたり、隣国の情報を頭に入れ直したりすることを考えると、時間は惜しい。
私は踵を返すと、まっすぐに部屋へと戻ることにした。
*+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+*
(つら……)
あくびを噛み殺し、私は空を見上げた。うっすらと明るくなり始めた青空が、微妙に眩しい。
あれから白いドレスを探して細かい調整をして、隣国バリステの情報――特に第三王子について――を整理し直したところで力尽きた。
現地までの案内役に指名したジョシュアには、日の出の頃にここ、中庭にある蔓薔薇のゲートに呼び出してある。今後のためにも、ひっそりと出発したいのだ。
私の隣には、ぶるる、と鼻を鳴らす白い馬がいる。いつもは大人しい子なのだが、久々の遠出にテンションが上がっているみたいだ。……まぁ、ちょっと特殊な馬なので、あまり全力で駆けさせてやれないのは申し訳ないけれど、そもそもこの馬――カーマ自身が私に勝手についてきたのだから、そのぐらいは我慢して欲しい。
「もう少し、待ってみましょう?」
カーマの首を叩くように撫でながら宥めてみたが、待ちきれないとばかりに地面を何度も蹴り削っている。
「土で裾が汚れてしまうから、やめて」
いや、むしろ少しぐらい汚れていた方が、まるで急いで来たかのように装えるかもしれない。
そんなことを考えていたら、ようやく待ち人が現れた。
まだ疲労が残っているのか、どこか眠そうな表情を浮かべた彼は、私の姿を見つけると急いで駆け寄って来た。
「お疲れの所、早くから呼び立ててしまって、ごめんなさい」
「いえ、ですが……」
彼はじっと私を頭からつま先まで確認してくる。昨日のやつれた表情とは違い、純粋な驚きを顔に出すと、おそるおそる言葉を続けた。
「そのような軽装で、よろしいのでしょうか」
なるほど。それは確かに正しい疑問だ。カーマには1日分程度の水しか積んでいない。途中で補給するにしても、一国の王女がこれだけで……というのは間違っていない。普通は馬車だろうし。
「えぇ、大丈夫です。それよりも、……ジョシュア・カーン、と言いましたかしら?」
「はい。わたくしめのような若輩者の名前を憶えていただいているとは、恐縮の限りです」
そう言って膝をつくジョシュアの手を引き、私は強引に立たせた。
「では、ジョシュア。貴方は口が重い方ですか?」
「は?」
このときの私は、人の悪い笑みを浮かべていたという自覚はある。
「カーマ。この人と私、二人ぐらいなら大丈夫よね?」
愛馬の返事も聞かず、私は歩道と庭を区切る煉瓦に足をかけ、白馬に飛び乗った。
「ジョシュア、後ろに乗ってもらえます?」
「え、いや、しかし――――」
「時間がないのは、貴方もご存じでしょう? 今後のことは道中説明します。ですから、早く」
「は、はいっ」
失礼します、とジョシュアも私の後ろに跨る。お兄様以外の人とこうやって乗るのは初めてなので、少しばかり緊張するけれど、今は緊急時。そんなことで戸惑っている時間はない。
「カーマ、お願い」
私の声に応えるように鼻を鳴らしたカーマは、地面を力強く蹴り、宙に跳ね上がる。そして、空中を蹴り、ぐんぐんと空高く駆けだしていった。
後ろから、戸惑うような声が途切れずに聞こえている。とりあえず状況説明は、彼が落ち着いてからにしよう。
――――白馬に羽が生えて空中を駆けている、なんて、すぐに受け入れられる人なんていないだろうから。
*+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+*
「遅くなってしまいましたけれど、まだ間に合いますか?」
イェル砂漠に最も近い町、ファウンティーン。そこから西へ少しばかり進んだ先に王国軍の駐屯地があった。いくつも張られたテントは、ひっきりなしに人が出入りしている。その中には、バリステとの戦いで傷ついた者たちが何人も横たわっていた。
先を歩くジョシュアに手綱を引かれているカーマは少しばかり不満げだが、こればかりは我慢してもらいたい。空を駆けるカーマの姿を衆人に見せることはできないし、二人乗りの状態なんてもってのほか。これが王女として正しい姿なのだ。
私達に視線を向ける兵の中にはジョシュアの顔を知っている者こそいるみたいだけれど、深くフードを被ったままの私に言及する者はいない。自国の王女の顔を知らないのか、なんて言うほど私も心が狭いわけじゃない。大して親しくない人の、しかも顔の一部しか見えてない状況で判別しろ、なんて難しいこと、私にだって無理だ。
「おぉ……、ネリス様」
私の名前を最初に口にしたのは、白髪の混じった大柄な兵だった。腕に赤黒いしみの付いた包帯を巻いた痛々しい姿に、思わず瞳が潤む。
「バルドウィン・ウルド団長。お久しぶりです」
ジョシュアの手を借りて下馬すると、私はバルドウィンの手を取った。皺が深く刻まれていながらも力強さを失わない手は、私のことをよく知る近衛のものだ。昔からいろいろと迷惑をかけた彼は、今回の防衛戦でお兄様の補佐についていたのだと思い出す。
「ごめんなさい。貴方もこのような怪我を負ってしまったなんて……」
「ネリス様が謝ることではございません。むしろ不甲斐なくも陛下とオルガ殿下をお守りすることができず、申し訳ございません」
私とバルドウィンを中心に、徐々に兵が集まり出す。バルドウィンなら、ちゃんと意を汲んでくれるだろうと、私は彼の目を真正面から見つめた。
「ネリス様は、なぜこのように早く……?」
察しが良過ぎて涙が出そうだ。さすが何度も私の能力のとばっちり……違った、後始末……でもなくて、常識を超えた事態に慣れた人間は違う。私と一緒にここまで空を駆けて来たジョシュアは、まだどこか呆然としているというのに。
私は哀しげな表情を浮かべ、それでも周囲に集まった兵にも聞こえるように、少しだけ声を張り上げる。
戦の状況が芳しくないことを聞いて、イェル砂漠に接する領地を持つ貴族へ増援を乞うために、私自身が向かっていたこと。その途中でジョシュアに運よく遭遇し、人質交換の条件を聞いたこと。途中の街で白いドレスを作らせ、ここへ来たこと。
私の話に感銘を受けたのか涙目になる兵の中で、ジョシュアが遠い目をしていたのに気づいたが、あえて無視をする。
「ネリス様、それはつまり……」
「おそらく人質交換の話は、捕虜となったお父様やお兄様が交渉した結果でしょう。この国の王女として、私がそれを飲まない理由はありません」
「……おいたわしい」
バルドウィンの言葉に共感したのか、周囲の兵がみな、口々に私への賛美と自分たちの不甲斐なさや釈明を声に出し始める。
むしろ、私の方が申し訳なくなってきた。
人質交換の話が出たのは、もちろん、お父様やお兄様の交渉の結果かもしれないけれど、最初から私を狙って侵略をしてきた可能性だってある。もしそうならば、そもそもの元凶は私と私の噂だ。そんなことのために、これだけの兵が苦難を被ったかと思うと胸が痛む。
(指定された日はもう明日に迫ってる……。今日はケガをしている兵の慰問に当てて、少しでも罪悪感を軽くしておこう)
ジョシュアがまだ遠い目をしているのは、きっと自分が死にもの狂いで5日間も駆け通しだった道のりを、たった半日足らずで戻ったのが、まだ納得できていないからなんだろう。カーマが久々の空駆けでやる気満々だったこともあるけど、釈然としないわよね。
私を取り囲む兵の輪から少し離れたところでカーマと共に佇んでいる黒髪の若い兵は、顔見知りだろう他の兵に肩を叩かれ、労われているようだった。――――と思ったら、いつの間にか輪の中心から離れたバルドウィンがジョシュアを引っ張ってテントの影の方に連れ出していく。察しのいいバルドウィンのことだ。カーマのことを口外しないように念を押してくれるのだろう。感謝してもし足りない。
城の敷地内にある兵の宿舎は、常であれば女性である私が入るなんてとんでもない、と止められるような場所だ。でも、有事の今は私を咎める人影もない。こんなときの、しかも昼日中に宿舎にいるような人なんて、会いに行こうとしている相手ぐらいのものだろう。
(まだ、寝てないといいんだけど)
躊躇う時間も惜しんで、とりあえずノックをする。
「ジョシュアさん、起きていますか?」
返事はない。疲れているようだったし、やっぱり寝てしまっているんだろうか。困った。
仕方なく隣に控えていた侍女から紙とペンを借りると、用件だけを書いて、ドアの下にそっと挿し込む。
「手紙を置いておきます。あまり時間はありませんが、どうかゆっくり休んでくださいね」
陽が落ちた後でもいいから、一度起きてもらえると助かるのだけど。最悪、一人で行くことも考えた方がいいかもしれない。
伝令に走って来た彼には申し訳ないが、現地までの案内を頼もうと思っているのだ。今後のことを考えると、彼にはぜひ共犯者になってもらいたい。私の扱い方を心得ている重臣と違い、一般兵士には、私の能力については疑惑のままでいて欲しい。そのためには、伝令に走ったジョシュアと、応援に駆け付けた私が途中で行き会ったということにしたいのだ。
(考えても仕方ないか)
指定された服装を揃えたり、隣国の情報を頭に入れ直したりすることを考えると、時間は惜しい。
私は踵を返すと、まっすぐに部屋へと戻ることにした。
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(つら……)
あくびを噛み殺し、私は空を見上げた。うっすらと明るくなり始めた青空が、微妙に眩しい。
あれから白いドレスを探して細かい調整をして、隣国バリステの情報――特に第三王子について――を整理し直したところで力尽きた。
現地までの案内役に指名したジョシュアには、日の出の頃にここ、中庭にある蔓薔薇のゲートに呼び出してある。今後のためにも、ひっそりと出発したいのだ。
私の隣には、ぶるる、と鼻を鳴らす白い馬がいる。いつもは大人しい子なのだが、久々の遠出にテンションが上がっているみたいだ。……まぁ、ちょっと特殊な馬なので、あまり全力で駆けさせてやれないのは申し訳ないけれど、そもそもこの馬――カーマ自身が私に勝手についてきたのだから、そのぐらいは我慢して欲しい。
「もう少し、待ってみましょう?」
カーマの首を叩くように撫でながら宥めてみたが、待ちきれないとばかりに地面を何度も蹴り削っている。
「土で裾が汚れてしまうから、やめて」
いや、むしろ少しぐらい汚れていた方が、まるで急いで来たかのように装えるかもしれない。
そんなことを考えていたら、ようやく待ち人が現れた。
まだ疲労が残っているのか、どこか眠そうな表情を浮かべた彼は、私の姿を見つけると急いで駆け寄って来た。
「お疲れの所、早くから呼び立ててしまって、ごめんなさい」
「いえ、ですが……」
彼はじっと私を頭からつま先まで確認してくる。昨日のやつれた表情とは違い、純粋な驚きを顔に出すと、おそるおそる言葉を続けた。
「そのような軽装で、よろしいのでしょうか」
なるほど。それは確かに正しい疑問だ。カーマには1日分程度の水しか積んでいない。途中で補給するにしても、一国の王女がこれだけで……というのは間違っていない。普通は馬車だろうし。
「えぇ、大丈夫です。それよりも、……ジョシュア・カーン、と言いましたかしら?」
「はい。わたくしめのような若輩者の名前を憶えていただいているとは、恐縮の限りです」
そう言って膝をつくジョシュアの手を引き、私は強引に立たせた。
「では、ジョシュア。貴方は口が重い方ですか?」
「は?」
このときの私は、人の悪い笑みを浮かべていたという自覚はある。
「カーマ。この人と私、二人ぐらいなら大丈夫よね?」
愛馬の返事も聞かず、私は歩道と庭を区切る煉瓦に足をかけ、白馬に飛び乗った。
「ジョシュア、後ろに乗ってもらえます?」
「え、いや、しかし――――」
「時間がないのは、貴方もご存じでしょう? 今後のことは道中説明します。ですから、早く」
「は、はいっ」
失礼します、とジョシュアも私の後ろに跨る。お兄様以外の人とこうやって乗るのは初めてなので、少しばかり緊張するけれど、今は緊急時。そんなことで戸惑っている時間はない。
「カーマ、お願い」
私の声に応えるように鼻を鳴らしたカーマは、地面を力強く蹴り、宙に跳ね上がる。そして、空中を蹴り、ぐんぐんと空高く駆けだしていった。
後ろから、戸惑うような声が途切れずに聞こえている。とりあえず状況説明は、彼が落ち着いてからにしよう。
――――白馬に羽が生えて空中を駆けている、なんて、すぐに受け入れられる人なんていないだろうから。
*+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+*
「遅くなってしまいましたけれど、まだ間に合いますか?」
イェル砂漠に最も近い町、ファウンティーン。そこから西へ少しばかり進んだ先に王国軍の駐屯地があった。いくつも張られたテントは、ひっきりなしに人が出入りしている。その中には、バリステとの戦いで傷ついた者たちが何人も横たわっていた。
先を歩くジョシュアに手綱を引かれているカーマは少しばかり不満げだが、こればかりは我慢してもらいたい。空を駆けるカーマの姿を衆人に見せることはできないし、二人乗りの状態なんてもってのほか。これが王女として正しい姿なのだ。
私達に視線を向ける兵の中にはジョシュアの顔を知っている者こそいるみたいだけれど、深くフードを被ったままの私に言及する者はいない。自国の王女の顔を知らないのか、なんて言うほど私も心が狭いわけじゃない。大して親しくない人の、しかも顔の一部しか見えてない状況で判別しろ、なんて難しいこと、私にだって無理だ。
「おぉ……、ネリス様」
私の名前を最初に口にしたのは、白髪の混じった大柄な兵だった。腕に赤黒いしみの付いた包帯を巻いた痛々しい姿に、思わず瞳が潤む。
「バルドウィン・ウルド団長。お久しぶりです」
ジョシュアの手を借りて下馬すると、私はバルドウィンの手を取った。皺が深く刻まれていながらも力強さを失わない手は、私のことをよく知る近衛のものだ。昔からいろいろと迷惑をかけた彼は、今回の防衛戦でお兄様の補佐についていたのだと思い出す。
「ごめんなさい。貴方もこのような怪我を負ってしまったなんて……」
「ネリス様が謝ることではございません。むしろ不甲斐なくも陛下とオルガ殿下をお守りすることができず、申し訳ございません」
私とバルドウィンを中心に、徐々に兵が集まり出す。バルドウィンなら、ちゃんと意を汲んでくれるだろうと、私は彼の目を真正面から見つめた。
「ネリス様は、なぜこのように早く……?」
察しが良過ぎて涙が出そうだ。さすが何度も私の能力のとばっちり……違った、後始末……でもなくて、常識を超えた事態に慣れた人間は違う。私と一緒にここまで空を駆けて来たジョシュアは、まだどこか呆然としているというのに。
私は哀しげな表情を浮かべ、それでも周囲に集まった兵にも聞こえるように、少しだけ声を張り上げる。
戦の状況が芳しくないことを聞いて、イェル砂漠に接する領地を持つ貴族へ増援を乞うために、私自身が向かっていたこと。その途中でジョシュアに運よく遭遇し、人質交換の条件を聞いたこと。途中の街で白いドレスを作らせ、ここへ来たこと。
私の話に感銘を受けたのか涙目になる兵の中で、ジョシュアが遠い目をしていたのに気づいたが、あえて無視をする。
「ネリス様、それはつまり……」
「おそらく人質交換の話は、捕虜となったお父様やお兄様が交渉した結果でしょう。この国の王女として、私がそれを飲まない理由はありません」
「……おいたわしい」
バルドウィンの言葉に共感したのか、周囲の兵がみな、口々に私への賛美と自分たちの不甲斐なさや釈明を声に出し始める。
むしろ、私の方が申し訳なくなってきた。
人質交換の話が出たのは、もちろん、お父様やお兄様の交渉の結果かもしれないけれど、最初から私を狙って侵略をしてきた可能性だってある。もしそうならば、そもそもの元凶は私と私の噂だ。そんなことのために、これだけの兵が苦難を被ったかと思うと胸が痛む。
(指定された日はもう明日に迫ってる……。今日はケガをしている兵の慰問に当てて、少しでも罪悪感を軽くしておこう)
ジョシュアがまだ遠い目をしているのは、きっと自分が死にもの狂いで5日間も駆け通しだった道のりを、たった半日足らずで戻ったのが、まだ納得できていないからなんだろう。カーマが久々の空駆けでやる気満々だったこともあるけど、釈然としないわよね。
私を取り囲む兵の輪から少し離れたところでカーマと共に佇んでいる黒髪の若い兵は、顔見知りだろう他の兵に肩を叩かれ、労われているようだった。――――と思ったら、いつの間にか輪の中心から離れたバルドウィンがジョシュアを引っ張ってテントの影の方に連れ出していく。察しのいいバルドウィンのことだ。カーマのことを口外しないように念を押してくれるのだろう。感謝してもし足りない。
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