緑担う姫と砂漠の真相

長野 雪

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煙突とスパイと大芝居

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 だるい。ものすごくだるい。
 柔らかな布の感触からするに、自分が寝台に横たえられているのは分かる。だけれども、あまりに身体が重く、瞼をこじ開けることさえ億劫だった。

「ジィグ、お前、まだいたのか」
「えぇ、もう一度、お目通りをと思ったのですが」

 近くで声がする。けれど、どうしても目を開けることはできないので、耳だけを傾けることにした。

「……ネリス王女は、どうなさったのですか?」
「――――ジィグ、オレはどうしたらいい……?」
「……」
「母上に続き、オレはこいつまで失うのか?」
「ヴァル様」

 どうしよう。なんだか予想以上に心配されている。もしかして、彼の母親と同じような状態になってしまったと思われているんだろうか。いや、否定はしないけど。
 私の身に何が起こったのかは分かっている。おそらくキャズたち植物に起きていることと同じだ。生命力、という言葉で表せばいいのか分からないけれど、純粋に生きるための「力」が奪われたんだ。

「倒れる前、こいつは何か考えがあるとか言っていたんだ。それをもっと早く聞いておけば、こいつを目覚めさせることができたかもしれないのに……」

 どうしよう。いつも強気なヴァルが、こんな弱音を吐いているなんて。しかも、それを言わせているのが自分というこの状況。

(あぁ、もう! とりあえず、私は大丈夫だっていうことを伝えないと!)

 申し訳ないとか不甲斐ないとか、この感情を表す言葉はいくつか思いつくけれど、とにかく動けと自分の指先に力を込める。
 現実が薄衣うすぎぬの向こう側にあるような感覚の中、神経すら通っているのか分からない指先が、少しだけ動く。それだけでも骨と骨が軋む感じがした。

(僅かでもいい。私の意識がちゃんとあるってことを伝えないと……!)

 軽く開いていたらしい手を、ぐぐっと握るように力を込める。

「! ヴァル様!」
「ネリス!」

 突然、手を誰かに持ち上げられ、何か温かいものにぴたっとつけられた。少しざらりとした手触りがする。

(ヴァルの顔、かしら?)

 確かめたくて、瞼に力を込める。なんとか少しだけ持ち上げて隙間を作ることに成功した。

「ネリス王女に水をお持ちしましょう。ヴァル様、失礼します」

 ヴァルと話していた誰かが部屋を出て行く音がした。

「……ネリス」

 私の視界にぼんやりと映る人影、きっとヴァルのものだろう。私の手は彼の頬に当てられていた。

「……い、じょ……ぶ。私は、だいじょうぶ、だから」

 何とか声を絞り出す。ヴァルが大きく目を見開いて私を見たような気がした。

「心配、かけて……ごめんなさい」

 あぁ、もう無理。疲れた。
 私の意識は再び眠りの蔓に絡めとられる。

「くそっ、言いたいことだけ言いやがって……」

 最後に聞こえた悪態は、安堵の色が濃かったように感じた。


*+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+*


 次に目を覚ましたときには、前回の倦怠感が嘘のようにスッキリしていた。スッキリしていた……のに。

(この髭は何なの……?)

 私の枕元に佇んでいたのは髭むさい男だった。どこかで見覚えがある気もするけれど、思い出せない。
 私はよほど難しい表情を浮かべていたのだろう。髭の男は軽く笑みを浮かべた。

「覚えていらっしゃいませんか。イェル砂漠でお会いした筈ですが」
(イェル砂漠……?)

 思い出すのは屈辱の人質交換。そこで出会った髭と言えば……。

「あ、あのときの……」

 彼がヴァル王子かと勘違いした人だと思い出す。実際は将軍とかだったはず。

「おや、まさか、本当に覚えていらっしゃるとは」

 自分で「覚えていないか?」などと尋ねてきたわりには、逆に目を丸くした彼は、胸に手を当てて小さく礼をした。

「わたくしめは、ヴァル様のお目付けでジィグ・クィネルと申します。ジィグとだけお呼びください」

 軍属らしい硬い雰囲気を漂わせるジィグの姿に、母国リスティアの若い騎士を思い出す。

(あの後、ちゃんと大丈夫だったかしら……?)

 バルドウィンがフォローすると思うけれど、私の秘密を知ってしまったのだ。少し悪いことをしたと思わないでもない。

「ヴァル様は何かと忙しいため、わたくしめがネリス王女――貴女様の望みを叶えるようにと仰せつかりました」

 真摯な態度でそう言われ、私はまじまじと彼を見つめた。信用のおける人間なのか、それともヴァルにとって潜在的な敵なのか、判断をつけられない。
 そこまで考えて、いつの間にかヴァルの味方になっている自分に気付いて驚く。

(違うわ。ちょっと味方の少なさに同情しただけよ)

 年少のザイルとヨークですら、利害関係しかないのだ。母国リスティアにいるときには考えもしなかったことだけれど、たぶん私にも国内に見えない敵がいるんじゃなかろうか。いや、今は私のことはどうでもいい。

(ここに来てから、意外と勉強になるわ)

 そこまで考えて、思考を切り替える。とりあえず、目の前で私の言葉を待っているジィグだ。

「とりあえず、お掃除かしら」

 どこまで話していいか分からないので、曖昧な言葉でしか言い表せないのがもどかしい。

「貴方は、ヴァルからどこまでを聞いてるの?」
「どこまで、とは? あぁ、たいていのことならば、ヴァル様より聞き及んでおりますが」

 具体的な言葉を使わないジィグに、私は警戒心を高めた。なんとなく、なんとなくだけれど、この人はヴァルの味方ではない気がする。

「それでは、ヴァルは今どちらに?」
「? 掃除はよろしいのですか?」
「ごめんなさい、冗談よ。城内が砂だらけなのはどうしようもないでしょう?」

 本当は、一刻も早く、水晶玉の真上に伸びる煙突を綺麗に磨きたい。けれど、王の部屋から通じる秘密の部屋のことなど、おいそれと口には出せない。

「今は、……王都からの報告書を」
「まさか、私に関することで、何か言ってきたの?」
「いえ、そういうことではなく、王都にいる間者からのものです」

 国内で間者が活躍するということに腑に落ちないものもあるけれど、ヴァルが私に関わっている暇がないことは理解した。

(それなら、この人を使ってどうにかするしかないのかしら?)

 煙突を掃除するには何が必要だろうか? 実際に掃除はさせなくても、道具を揃えるぐらいなら、しておいてもいいだろう。

「ねぇ、ジィグさん」
「呼び捨てで結構です」
「では、ジィグ。煙突を掃除するとき、貴方ならどうします?」

 ジィグが目を点にした。中年の髭むさいおじさんがそんな顔をするのも貴重なことかもしれない、なんて思ったのは秘密だ。


*+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+**+:。.。:+*


――――人よりも狭い煙突でしたら、棒の先に布か何かを巻き付けて入れるのではないでしょうか。ただ、それですすが取れるのかどうかは、料理番や下働きの者に聞いてみないことには……。え? 煤ではないのですか?

 困惑していたジィグに、とりあえず彼の提案通りの棒と布の調達を任せ、私は一人ぼんやりとしていた。
 あの部屋から煙突を覗いた限りでは、指で触って取れる程度の汚れでしかなかった。だけど風と砂に晒された上の方はどうなっているんだろう。汚れがひどいものなら、布で拭いた程度では取れないかもしれない。

(……あれ? 待って、何か……)

 少年3人との会話がフラッシュバックする。彼らが遊び場にしている屋上。煙突はそこにあるんだから、彼らに様子を見てもらえば――――

「違う!」

 思わず私は声を上げてしまった。腰帯を探ると、幸いなことにシオンからの手紙は見つからずに残っていた。

『東棟からは見えないと思いますが、東棟の屋上には煙突みたいなのがあります。でも、煙が出るわけじゃないし、煙突の内側はつるんとしてて擦ると鏡みたいにキラキラ光るんです』

 そうだ、擦っただけで光るなら、そんな頑固な汚れじゃないはずだ。ありがとう、シオン。感謝してもし足りないわ。
 手紙を見つめて心の中でお礼を言っていたら、遠慮がちなノックの音がしたので、慌てて手紙を隠した。

(ジィグさんてば、ちょっと早過ぎないかしら)

 わたわたと椅子に座り直し、「どうぞ」と意識してか弱い声で応える。
 しかし、ガチャリと扉を開けて入って来たのは、ヴァルだった。

「……大丈夫なのか、もう」

 沈んだ表情で、二歩、三歩と私に近づく。その姿は、いつもの強気な彼ではない。むしろ、私が大丈夫なのかと聞きたいぐらいだ。

(心配、かけ過ぎたのよね。きっと)

 夢うつつで見た、寝たきりの私の傍にいた彼の顔を思い出す。あのときは、つい何の根拠もなく大丈夫だなんて言ってしまったけれど。

「大丈夫よ。ごめんなさい、心配かけちゃった、わよね?」

 できるだけ柔らかく笑いかけ、彼の表情が少し戻ったのを見てから、真剣な顔を作った。

「それよりも、……えぇと、ジィグさんにお掃除用の棒と布を頼んだのだけど、見なかった?」
「ジィグか? いや、見ていない。だが、掃除だと? お前は何をするつもりだ?」
「え? あぁ、ごめんなさい。煙突掃除をするつもりだったのだけど」
「煙突? あぁ、あの部屋に通じているアレか」

 まぁ、煙を出す場所でもないから、煙突ではないのだけど、でも、他にあの筒を表す言葉が思いつかないんだから仕方がない。

「たぶん、軽く拭けば落ちる類の汚れだと思うから、棒に布を巻き付けて」
「棒? そんなに長い棒があったとして、どうやって運ぶつもりなんだ? この城の屋上に軽く届くぐらいの長さだぞ? あの部屋は地上と同じ高さだからな」

 あの螺旋階段はそんなに段数があっただろうか、と思い出そうとしても暗い中のことだったせいか、あまり記憶に残っていなかった。

「何か……いい方法はないかしら?」

 ちょっと媚びるように上目遣いで尋ねてみると、何故かギロリと睨まれた。

「それ以前に、オレに煙突掃除の根拠を説明しろ」

 不機嫌に言われ、ようやく私は彼に何の説明もしていなかったことに気付いた。

(でも、だからって、全部話すわけにはいかないし……)

 キャズが教えてくれたことなんて、話したところで信じてもらえるかもわからないし、そもそも植物と意思の疎通がとれるなんて話したくない。下手に話してしまえば、私はリスティアに返してもらえなくなる。

「分かったわ。説明する。……その、ごめんなさい。一人で勝手に話を進めてしまって」

 実を言うと、私はこうやって誰かと協力して何かをするなんて初めてだ。これまでは一人で考え、誰かにそれを告げ、そして一人でとっととやってしまうばかりだった。王女という立場のせいもあるけど、人とは異なる力のせいでもある。そんな私が共同作業における情報共有の必要性なんて知るはずもない。

「えぇと、どこから話せばいいのかしら。とりあえず、この間、例の部屋に入ったときに、煙突の内側を調べていたでしょう? そのとき、内側はくすんでいたけれど、指で触れたら汚れが取れて、あの煙突は光を反射するものだってわかったのよ」

 拙いだろう私の説明に、ヴァルは黙って頷いた。でも、少しでも辻褄の合わないところがあれば追及する気満々のようにも見えて少し怖い。

「それで、そのときに思い出したのが、シオン・ザイル・ヨークの三人の話でね? 屋上に突き出てる煙突の先も、やっぱり内側を擦るとキラキラするって言っていたのよ。だから、もしかしたら、煙突の内側は意図的に光を反射するように作ってあるのかな……って思って」
「それで?」

 ヴァルの反応は端的だ。まるで考える暇を与えないようにしているみたい。

「煙突は、そもそもあの水晶に光を届けるためのものなのかもしれないな、って思ったの。もちろん、それがどういうものかなんてわからないけど、それこそ、やってみないと分からないでしょう?」

 どう?と期待を込めてヴァルの目を見つめた。

「まぁ、筋は通っているな。……まだ何か隠している気もするが」
「そんなことないわよ。私、何かを隠しつつ説明するなんて芸当、とてもできないもの」

 こんな芸当、とてもできないと思っていたのは嘘じゃない。必要は発明の母と言うけれど、人間、追い込まれると意外と何とかなるものだと思う。シオンの手紙のことと、私の力のことは、どうにか隠し通したい。

「……いいだろう。追及はしないさ。お前の説明を聞いて、オレの方で案が浮かんだからな」

 ヴァルの口にした『案』の内容が気になったけれど、私は椅子から腰を上げた。

「おい、大丈夫なのか?」
「随分と回復しているから大丈夫よ」

 ヴァルの横をすり抜けて部屋を出ようと思ったら、腕を掴まれた。

「どこにいく?」
「……ちょっとそこまで」
「お前を一人で歩かせるとロクなことにならねぇ。オレもついていく」

 それは遠慮してもらいたい。でも、理由をぼかしたままで納得してもらえるとも思えなかった。
 私は羞恥を堪えて、「お花摘みよ」と小さな声で答える。

「あぁ? 花なんて咲いてねぇだろ」

 うぅ、隠喩が通じないなんて……! 何なの!? 国が違えばこんなことも通じないの!?

「もう! だから、トイレに行きたいの! だから、ついて来るなんて言わないで!」
「あ、あぁ、それなら最初から言えよ」

 私はヴァルの手を乱暴に振り払うと、心の中で罵倒の文句を連ねながら部屋を速足で飛び出した。
 確かに、ずっと眠ったままだったのだから、自然に呼ばれるのも仕方ないのだけれど、どうしてこのタイミングなのかしら! やっぱり嘘を言い連ねて緊張してたのが緩んだからなの?
 顔が赤くなっている自覚はあった。

――――用を足して戻って来ると、丁度、見覚えのある髭面が向かいからやってくるのが見えた。

「あら、ジィグさん……じゃなくて、ジィグ」
「ネリス王女、もう出歩いてもよろしいのでしょうか。身体にお障りはありませんか」

 なんだろう。何となく違和感があるのだけど、ただ真面目なだけなのかしら。人質交換でここにいる私に対して、必要以上に気を遣ってくれている気がするのは。
 モーリィは女性特有の気遣いと、ヴァルの嫁という認識のせいで優しいのだけれど、そういうのとは違う気がしてならない。

「大丈夫ですわ。心配をかけたようでごめんなさいね」
「いえ、大丈夫なようで何よりです。 そうそう、先ほど、部屋にいらっしゃったヴァル様に掃除用の布をお渡ししたところです。ただ、棒の方は適当な長さのものがなく……」
「そうなの……。どうしようかしら」
「それが、ヴァル様がおっしゃるには、棒は不要とのことでしたので」

 そういえば、ヴァルに案があると言っていたっけ。そのことかしら?

「そうね、そもそも長さを私がちゃんと把握していなかったのも悪かったわ。無理を言ってごめんなさいね。ありがとう」

 目礼してジィグと別れると、部屋に戻る前に――正しくは一人で行動している今のうちに、やっておこうと思ったことがあったのを思い出した。
 おそらく、私が倒れたのはあの水晶玉に力を吸われたせいなんだと思う。それと同じことを、あの水晶が周辺の植物にもやっているとしたら、私の力を吸った分だけ、植物は楽になっているんじゃないだろうか。
 まるで障壁を作るように、植物たちと意志の疎通を避けていたけれど、今ならば、少しぐらい話を聞けるんじゃないかと――――

「……っ!」

 何一つ変わらない苦痛の大合唱に、私の視界がぐらりと揺れた。まるで頭をガツンと殴られたような衝撃に、立ってさえいられない。慌てて再び周囲を閉ざす。
 思えば、砂漠の入口ですらあれだけの声がしていたのだ。中心であろうこの場所は、あんなもんじゃない。もっとひどいものだ。
 冷たい汗が一気に噴き出し、しゃがみこんだままで何とか呼吸を整える。私一人の力なんかじゃとうてい足りない。それほどの力を、あの水晶玉は太陽と月の光から得ていたんだ。

「ネリス王女!?」

 さっき別れたばかりのジィグの声が聞こえる。どうやら慌てて駆け戻って来たらしい。しっかり姿が見えなくなるほど離れてから試すべきだったと後悔したけれど、もう遅かった。

「まさか、まだ体調が……」

 心配するジィグを、片手を上げて黙らせる。

「違うわ。ちょっと調子に乗り過ぎただけよ。すぐに戻るわ」
「そんな顔色で、何が大丈夫なものですか! ウィルミナ様やオルガ様が見たら何と言うか……!」

 え、今、なんて。

「ジィグ、貴方は……」

 ジィグも自分の失言に気が付いたのだろう。髭に覆われた口を押さえ、視線を左右に彷徨わせた。そして、小さな声で「どうかご内密に」と懇願してくる。
 あぁ、なるほど。そういうことなの。

「えぇ、その代わりに、後で手伝ってもらえるかしら?」

 同じように小さな声でお願いを口にすると、ぐっと足に力を込めて立ち上がった。大丈夫。もうふらつくこともない。煙突の件が片付くまでは、もう無理に試さないことにしようと強く心に誓った。
 彼に再び別れを告げると、私は再び部屋に向かって歩き出した。背後にジィグの視線を感じたけれど、一刻も早く、ヴァルの考えた案を聞きたかった。植物たちの苦しみの声を聞いたせいか、一刻も早くどうにかしないと、と気が逸る。

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